海外旅行へ行かれる方へ
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海外で気をつけたい感染症について
海外旅行中や帰国後に体調をくずしたことはありませんか。環境が大きく変化したり、食べ物が合わなかったり、ハードなスケジュールで無理をしたり、疲労も加わって思わぬ感染症にかかることがあります。
食べ物や水から感染する病気
代表的な感染症として、コレラ・細菌性赤痢・腸チフス・パラチフス・A型肝炎・E型肝炎などがあります。春休みなどの休暇のあとに、医療機関から保健所に届出が多く見られる感染症です。
- コレラ 東南アジアなどを中心に発生しています。国内で発生する患者の多くは海外帰国者です。潜伏期間は通常1から3日で、激しい下痢、おう吐が突然起こります。
- 細菌性赤痢 世界的にまん延していて、日本では海外からの帰国者に多く発生しています。人から人へ感染しやすいので、国内の発生も見られます。赤痢菌は便のなかに出て、少量でも感染を起こし、手指や食品が汚染されて口から入り発病します。潜伏期間は1から5日です。下痢、血便、発熱、腹痛、おう吐の症状で軽症が多いのですが、きちんと治療を受けることが大切です。
- 腸チフス・パラチフス 東南アジア・インド・中東・ラテンアメリカなど世界中に発生しています。日本では海外帰国者が大半をしめています。潜伏期間は2週間前後で、発熱で始まり、下痢を起こすこともあります。
予防のために!
加熱により感染力がなくなりますので、十分に加熱した食べ物を摂りましょう。生水は避け、現地ではつい口にしてしまいそうな、氷・氷入りジュース・カットフルーツ・生野菜などにも注意が必要です。
蚊に刺されて感染する病気
蚊に刺されて感染する病気には、デング熱・ウエストナイル熱・マラリア・日本脳炎などがあります。潜伏期間5から6日を経て発病し、高熱、頭痛、関節痛、発疹の症状が出ます。
予防のために!
蚊に刺されないために、長袖・長ズボンで皮膚を出さないようにしましょう。虫除けスプレーを使用するのも良いでしょう。このほかにも、皮膚から感染する病気や動物から感染する病気などがあります。
出国前にしておくこと
長期滞在の場合は、渡航先の感染症流行情報について旅行会社等を通じて入手しておきましょう。空港には出国健康相談コーナーがあり、各国の感染症等のパンフレットがあります。短期間の旅行であれば、出国前のちょっとした時間に読んでおきたいものです。
帰国したら
帰国のときに体調が悪い場合は、空港検疫所健康相談室で相談しましょう。
また、帰国後5日後までに下痢症状があった場合は、保健所または医療機関に相談しましょう。病気によっては、潜伏期間の長いものもあります。帰国後2ヶ月くらいは体調に注意して、もし受診する場合は、海外渡航があった旨を主治医に伝えるようにしましょう。
下痢症状がある時の注意
下痢・腹痛などの症状がある場合は、自己判断で薬(下痢止め等)を飲むのではなく、脱水症状が起こらないよう水分補給に注意して医療機関を受診することが大切です。治療は、抗菌剤の服用と症状にあわせた治療になります。
病原体が便の中に出るので、手指や食品、物品について他の人の口に入ると二次感染が起こります。家族やほかの集団での二次感染を防ぐにはどうしたらよいでしょうか。
トイレのあと、食事作りの前、食事する前などにていねいに手洗いをして病原体を手指から落とすことが基本です。また、お風呂の湯につかる前にも、まずお尻をよく洗って病原体を落としましょう。下痢症状がある場合は、一番最後に入り、ほかのご家族と一緒に入るのは避けましょう。
感染症予防の基本は手洗いです。日頃からきちんと洗う習慣をつけておくことが予防になります。下記の写真を参考にていねいな手洗いを心がけましょう。またタオルの共用は避け個人用のタオルを使いましょう。
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