よくある質問(結核の定期健康診断)
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【凡例】
健康診断の実施について
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A1.結核菌に暴露される機会が多い職種の従事者、結核を発症すれば二次感染を引き起こす危険性が高い職種の従事者及び施設利用者に対して、結核の早期発見、集団発生を防ぐことを目的とした健康診断が感染症法の規定により定められています。[法第53条の2]この健康診断の対象となる方が管轄保健所への報告対象となります。[法第53条の7]
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A2.感染症法の規定により、学校、病院、診療所(歯科診療所含む)、助産所、介護老人保健施設、介護医療院、社会福祉施設、刑事施設の代表者(または管理者)、市町村長は、結核の定期健康診断を実施し、管轄保健所に報告する義務があります。[法第53条の2、令第11条・第12条、法第53条の7]
なお、結核定期健康診断の対象者には感染症法の規定により受診義務が課せられています。「症状」の有無に関わらず、受診してください。[法第53条の3]
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A3.感染症法に都道府県や市町村、事業者、学校等の費用負担について規定されており、結核定期健診の費用は事業者の負担[法第58条の2]・学校又は施設の設置者の負担[法第58条の3]とされています。感染症法の目的(感染症の発生予防、まん延防止を図り、公衆衛生の向上及び増進を図ること)[法第1条]をご理解の上、結核定期健診の実施をお願いします。
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A4.労働安全衛生法、学校保健安全法に定める健診において行った胸部エックス線検査を結核健康診断としていただくことができます。[法第53条の2 第4項]
また、人間ドックや住民健診等において、胸部エックス線検査を受診し、かつその健診内容を記載した健診結果や診断書の写しを対象者本人が事業所に提出した場合は、結核定期健診を受けた者とみなして差し支えありません。[法第53条の4]
健診の実施や受診は義務となっていますので、個人任せにするのではなく、対象者への積極的な受診勧奨並びに健診結果の把握をお願いします。
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A5.感染症法には罰則規定はありませんが、結核健診の実施は事業者の義務です。
感染症法で結核健診が義務付けられている学校、病院、診療所(歯科診療所含む)、助産所、介護老人保健施設、社会福祉施設等は、感染するリスクが高い事業所です。感染症法の目的[法第1条]や、従業員の健康管理、利用者への二次感染防止のため、結核健診の実施をお願いします。
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A6.年度(4月から翌年3月まで)ごとに実施してください。[令第12条]
健康診断の対象者について
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A7.結核定期健診の対象者は、該当事業所で業務に従事するすべての人が対象となり、雇用形態(非常勤職員・派遣職員・パート・アルバイトなど)や勤務日数により免除する規定はありません。
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A8.結核定期健診の対象者は、該当事業所で業務に従事するすべての人が対象となり、職種により免除する規定はありません。
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A9.高校、大学、各種学校、専修学校の1年次における新入生、中高一貫校(中等教育学校)の高校1年生が対象です。ただし、修業年限が1年未満のコースしかない各種学校は対象外となります。[令第12条第1項 第2号]
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A10.2年生以上の編入生や転入生は対象外です。
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A11.対象です。1年生が健診の対象となります。
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A12.健診はどちらかの職場で実施していただければ2回受ける必要はありません。ただし、施設ごとに受診の確認及び報告をいただく必要がありますので、受診結果を確認の上、各施設において報告の対象としてください。[法第53条の2、令第11条・第12条、法第53条の7]⇒Q19参照
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A13.採用時より3ヶ月以内に発行された診断書や健康診断の内容を証明する文書で胸部エックス線等の診断結果が把握できているのであれば、受診者数に計上してください。[法第53条の4]
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A14.年度内全期間不在が明らかな方は対象外としてください。
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A15.感染症法では年度に1回実施と規定されていますので、対象者1人につき健康診断を2回実施した場合でも、どちらかを結核健診として扱い、受診者1人と計上してください。[令第12条]
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A16.健診を受診しない正当な理由にはなりません。早めに予約を取ってもらう、勤務時間の調整など配慮を行うなどして、従業員に積極的な受診勧奨をお願いします。
報告について
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A17.原則として、健康診断の実施者は実施実績を毎月とりまとめ翌月10日までにご報告いただくこととなっています。[規第27条の5]
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A18.事情により結核健診を年度内に実施していない場合には、年度末に、対象者数(業務に従事している人の人数)及び受診者数「0(ゼロ)」並びに結核健診未実施の理由を“未受診者の未受診理由欄”に記載し報告してください。保健所から問合せのため連絡することがありますので、掲載担当者名や連絡先も忘れずに記載してください。
なお、労働安全衛生法に基づく職場健診や人間ドック、住民健診等において、年度内に胸部エックス線検査を受診し、かつその健診内容を記載した健診結果や診断書の写しを対象者本人が事業所に提出した場合は、結核健診を受けた者とみなし、受診者数として報告できます。[法第53条の4、規第27条の5]
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A19.受診の報告は事業者ごとに義務付けられていますので、それぞれで受診結果を確認の上報告してください(対象者数、受診実人員とも計上してください。)。報告が事業所間や市町村との間で重複することは差し支えありません。⇒Q12参照
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A20.結果の添付は不要です。被発見者がいる場合には各欄に計上してください。
報告書の書き方について
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A21.その月の健診を受けるべき人数を入れてください。年度内に複数回提出いただく場合、対象者数が重複しないようにしてください。
【例】職員数が10人、4月に健診予定が5人、5月に健診予定が5人。- 4月の受診者が予定の4人
- 5月の受診者が予定の3人と4月の未受診者1人
- 6月の受診者が5月の未受診者1人
- 最終的に受診しなかった人が1人のとき
報告数は以下のとおりとなります。
- 4月分の報告は対象者5人、受診実人員4人、未受診理由:年度内に受診予定1名
- 5月分の報告は対象者5人、受診実人員4人、未受診理由:年度内に受診予定2名
- 6月分の報告は対象者0人、受診実人員1人、未受診理由:年度内に受診予定1名
- 翌年3月分の報告は対象者0人、受診実人員0人、未受診理由:1人 病気のため長期休暇
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A22.年度途中の退職者は、在職中に対象であったため対象者数に計上してください。(在職時に予定していた受診月の対象者に計上してください。)退職後に対象者を減算する必要はありません。
年度途中の入職者は、入職後の受診予定月の対象者に計上してください。採用時の健康診断の診断書の提出をもって健診とする場合(⇒Q13参照)は、入職した月の対象者に計上してください。
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A23.この場合、結核健診となりませんので、受診実人員には計上せず、未受診の扱いになります。[規第27条の2]
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A24.結核に感染しているかを確認するために行う喀痰を検体とする検査です。住民健診等の通常健診で行うことはあまりありません。肺がん検診で行うかくたん検査は計上の対象ではありません。
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A25.結核に感染しているかを確認するために行う胸部エックス線検査、かくたん検査以外の検査です。血液検査によるQFT検査やT-SPOT検査が一般的です(各項目に再掲してください。)。通常、住民健診等で行うことはあまりありません。結核の感染を調べる目的以外の検査(血液検査や尿検査)は計上の対象ではありません。
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A26.「要観察」や「要医療」の判定だけでは被発見者数(「結核発病のおそれがあると診断された者」)には該当しません。結核を疑われる所見(結核か他の疾患か見分けがつかない場合を含む)のみ計上してください。