小笠原におけるサルモネラによる感染症及び食中毒予防のための取組 ~動物を触った後には手洗いを~
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令和元年度、島しょ保健所小笠原出張所では、課題別地域保健医療推進プランとして、島内におけるサルモネラによる感染症及び食中毒予防事業に取組みました。
1 野生動物におけるサルモネラ属菌保有実態調査
小笠原の環境中からのサルモネラ食中毒や感染症のリスクについて把握するため、野生動物であるグリーンアノールとクマネズミにおけるサルモネラ属菌の保有率や血清型を調査しました。
動物種 | 捕獲数 | 陽性数(陽性率) | 血清型 |
グリーンアノール | 71匹 | 27匹(38%) | Salmonella Amager(17検体) |
クマネズミ | 36匹 | 3匹(8%) | Salmonella Amager(1検体) |
2 動物由来感染症の普及啓発
(1)動物由来感染症講演会の実施
令和元年12月22日、島民を対象とした動物由来感染症講演会を開催し、内地からお招きした獣医学博士に、動物由来感染症の基礎知識や島内で注意が必要な感染症とその予防対策についてご講演いただきました。参加者は、父島・母島(母島会場はWEB中継)合わせて35名でした。
12月24日には、一般向け講演会とは別に、島内の医療・獣医療関係者を対象とした勉強会も開催しました。招へい講師の専門である国内外でのサルモネラ属菌の疫学調査について講義いただき、島内の臨床医師、臨床獣医師、保健所職員それぞれの立場から情報提供及び意見交換を行いました。
(2)普及啓発資材の作成・活用
調査結果をもとに、動物由来感染症を注意喚起するためのリーフレット及びポスターを作成しました。リーフレットは島内全戸配布を行い、ポスターは公共施設や宿泊施設、飲食店のご協力を得て、様々な場所に掲示しました。
(3)手洗い教室の実施
小笠原村立の保育園及び小学校を訪問し、園児・児童を対象とした手洗い教室を実施しました。紙芝居を用いて手洗いの大切さやタイミングを説明したのち、ブラックライトを使用して洗い残しを観察し、最後に歌に合わせて正しい手洗い方法を確認しました。