新型コロナウイルス治療薬等について
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新型コロナウイルス治療薬とは
現在、厚生労働省の承認を受けている新型コロナウイルス治療薬には「抗炎症薬」「抗ウイルス薬」「中和抗体薬」があり、このうち重症化リスク因子のある方等の重症化を防ぐ目的で投与され、「軽症」の方を対象に含むのは「抗ウイルス薬」と「中和抗体薬」となっています。また、令和4年11月には重症化リスク因子のない軽症から中等症1の方を投与対象とする「抗ウイルス薬(ゾコーバ)」も承認されました。
「抗ウイルス薬」は、ウイルスが細胞に侵入して増殖・拡散するのを阻害する作用があり、点滴薬の「ベクルリー」と経口薬(飲み薬)の「ラゲブリオ」「パキロビッドパック」「ゾコーバ」があります。
「中和抗体薬」は、体内に注入した抗体がウイルスの表面に結合し細胞に侵入するのを防ぐ作用があり、点滴薬の「ロナプリーブ」「ゼビュディ」と筋肉内注射薬の「エバシェルド」があります。
ただし、「エバシェルド」については現在供給量が限られていることもあり、ワクチン接種では十分な免疫の獲得が期待できない方への発症抑制目的での投与のみ可能となっています。
経口抗ウイルス薬(飲み薬)について
厚生労働省の特例承認※を受けている新型コロナ感染症の飲み薬には、「ラゲブリオ(モルヌピラビル)」と「パキロビッドパック(ニルマトレルビル・リトナビル)」があります。
ともに抗ウイルス薬で細胞内に侵入した新型コロナウイルスの増殖を阻害する作用があります。
投与対象は、軽症から中等症1の方のうち重篤な心疾患や慢性呼吸器疾患、肥満等の新型コロナ感染症の重症化リスク因子がある等、医師が必要と判断した方とされています。
重症度の高い患者、発症から6日目以降に投与した患者に対する有効性は確立していません。
その他承認を受けている飲み薬には、抗ウイルス薬の「ゾコーバ」があります。
投与対象は、重症化リスク因子のない軽症から中等症1の方のうち高熱・強い咳症状や強い喉の痛みなどの症状があり、医師が必要と判断した方とされ、症状が現れてから3日目までに投与を開始された方に有効性が推定されています。
なお、重症度の高い方への有効性は確立していないほか、重症化リスク因子のある軽症の方に対する重症化抑制効果は裏付けられていません。
いずれの治療薬でも、処方を受けるためには医療機関の受診が必要ですので、処方の対象になるか医療機関の診察を受けてください。
また、妊娠中の方や妊娠の可能性がある方、授乳中の方のほか、他の薬を服用されている場合、飲み合わせに注意が必要な場合がありますので、診察の際に医師にご相談ください。
その他、経口抗ウイルス薬に関する情報は下記ページをご覧ください。
中和抗体薬(点滴薬)について
厚生労働省の特例承認※を受けている新型コロナ感染症の点滴薬については、「ロナプリーブ(カシリビマブ及びイムデビマブ)」と「ゼビュディ(ソトロビマブ)」があります。ともに中和抗体薬で、抗体によりウイルスが細胞の表面に付着するのをブロックします。
なお、現在、この2剤については、厚生労働省から、変異株に対して有効性が期待できない可能性があることから、他の治療薬が使用できない場合に投与を検討することとされています。
その他、中和抗体薬に関する情報は下記ページをご覧ください。
※ 特例承認とは
海外で販売等が認められ流通している医薬品等で、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病のまん延その他の健康被害の拡大を防止するため緊急に使用されることが必要な医薬品であり、かつ、当該医薬品の使用以外に適当な方法がないという要件を満たす場合に、承認申請資料のうち臨床試験以外のものを承認後の提出として特例的な承認をする制度。
原則として、有効性が認められ(有効性を確認)、有効性に比して著しく有害な作用を有しないと認められる場合(安全性を確認)に適用される。
対応医療機関・薬局について
中和抗体薬(ロナプリーブ、ゼビュディ、エバシェルド)は、各登録センターへの登録が完了した医療機関のみ投与が可能です。経口薬(ラゲブリオ、パキロビッドパック、ゾコーバ)は、現在一般流通しており、医師から交付される処方箋により、都内のいずれの薬局でも調剤が可能です。
(注意)在庫状況については、各医療機関・薬局にお問い合わせください。
都内の医療機関・薬局を探したいときは下記より検索が可能です。