第15回ウイルス肝炎対策協議会
開催概要
1 日時
平成29年3月22日(水曜日)19時から20時30分
2 場所
東京都庁第一本庁舎16階南側 特別会議室S6
3 議題
(1)東京都肝炎対策指針パブリックコメントの実施結果と御意見に対する考え方について
(2)東京都肝炎対策指針の改定について
(3)平成29年度肝炎対策実施計画(案)について
(4)その他
4 委員
以下の「東京都ウイルス肝炎協議会 委員名簿」のとおり
東京都ウイルス肝炎対策協議会 委員名簿(PDF:117KB)
資料
次第
第15回東京都ウイルス肝炎対策協議会次第(PDF:121KB)
資料
【資料1】東京都肝炎対策指針パブリックコメントの実施結果と御意見に対する考え方
【資料1】東京都肝炎対策指針パブリックコメントの実施結果と御意見に対する考え方(PDF:218KB)
【資料2】東京都肝炎対策指針新旧対照表
【資料2】東京都肝炎対策指針新旧対照表(PDF:353KB)
【資料3-1】肝炎対策の取組実績
【資料3-1-3】肝炎診療ネットワーク(PDF:213KB)
【資料3-1-4】職域での肝炎対策の理解促進(PDF:218KB)
【資料3-1-8】肝炎患者等に対する支援や情報提供の充実(PDF:212KB)
【資料3-2】肝炎対策実施計画新旧対照表
【資料3-2】肝炎対策実施計画(新旧対照表) (PDF:488KB)
参考資料
参考資料は、第13回東京都ウイルス肝炎対策協議会で配布したものと同様です。
詳細は、こちら(「第13回東京都ウイルス肝炎対策協議会」へリンク)を御参照ください。
議事録
第15回東京都ウイルス肝炎対策協議会議事録(PDF:354KB)
(午後 6時56分 開会)
○播磨疾病対策課長 それでは、本日は大変お忙しい中、ご出席いただきましてまことにありがとうございます。まだ定刻には時間があるんですけれども、ご出席の委員は皆様ご出席いただいていて、保健政策部長の上田は、本日、議会の関係でおくれる予定ですので、ただいまより第15回東京都ウイルス肝炎対策協議会を開催いたします。
私は保健政策部疾病対策課長の播磨でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本協議会は公開ということで、本日も本協議会設置要綱第9項に基づきまして、傍聴の方がいらっしゃいます。
議事に先立ちまして、お手元に配布させていただいた資料のご確認をお願いいたします。
委員名簿、会議の次第に続けて、本日の資料一式と参考資料一式をまとめてございます。
資料1が1ページから、資料2が2ページから、資料3の(1)が9ページから、資料3の(2)が18ページからになります。参考資料につきましては、前回、前々回のこの協議会と同様のものになります。お帰りの際に、机上に置いていっていただいても構いません。
そのほか、今年度の健康管理手帳ができ上がりましたので、配布させていただいております。
以上、事務局が配布したものでございますけれども、そろっていないものがございましたら、事務局までお申しつけください。
なお、本日ですけれども、熊田委員、滝川委員のほうから、所用によりご欠席とのご連絡をいただいております。
それでは、これより先は、小池会長に進行をお願いいたします。
○小池会長 皆さんこんばんは。それでは、これより次第に沿いまして、進めてまいりたいと思います。
本日は、議事が三つです。
東京都肝炎対策指針パブリックコメントの実施結果と御意見に対する考え方について。
二つ目が、東京都肝炎対策指針の改定について。
三つ目が、平成29年度肝炎対策実施計画(案)についてとなっております。
先日より、パブリックコメントを3週間募集しておりましたが、その実施結果と御意見に対する考え方、そして東京都肝炎対策指針の改定について、まとめて事務局から説明をお願いいたします。
○播磨疾病対策課長 それでは、まず資料1をごらんください。
先ほど会長がおっしゃったとおり、パブコメは2月17日から3月9日までの3週間実施いたしました。
ご意見としては、7件いただいておりまして、お寄せいただいたご意見の要旨は、ここに記載したとおりになります。数値目標に関するご意見をいただいております。具体的には、事業者への働きかけですとか、受検勧奨、受診勧奨など、施策についてその検証に資するような具体的な数値目標を設定するべき。少なくとも単年度ごとの肝炎対策実施計画に、数値目標を設定するべきであるというご意見。
また、年齢調整別の肝がんの罹患率ですけれども、これにつきまして、できるだけ減少させることを指標として設定という表現では、検証する目標としては不十分であるので、施策の効果を検証できるような具体的な数値目標を設定するべきという同趣旨のご意見を7件いただいております。
ご意見に対する考え方ですけれども、指針は大きな方向性を示す中長期的な方針と位置づけておりまして、肝がんの年齢調整罹患率を国の指針も同様なのですが、できるだけ減少することを目標に総合対策を推進していきます。
また、指針は肝炎医療の状況や、国の動向を踏まえまして、少なくとも5年ごとに評価を行いまして、検討を加えて必要に応じて見直しを行っていきます。
また、実施計画では、年度ごとに事業を定めております。取り組み状況につきましては、本協議会に定期的に報告いたしまして、この協議会において事業の進行管理と、また評価を行っていきますというところが、ご意見に対する考え方というところになります。
おめくりいただきまして、資料2になりますが、これが現行の左側が東京都肝炎対策指針、右側が改定案になります。
前回の協議会でもご説明したとおりなんですけれども、目次のところで改定案は3番に肝炎対策の目標、4番に予防というところが入ります。
また、前回の協議会でいただいたご意見が、大きく2点ございました。
1点目が、めくっていただきまして、この資料全体の3ページ目になりますけれども、改定案のほうをごらんいただきまして、5の肝炎に関する普及啓発というところで、
(1)感染予防に関する普及啓発、ここに関して、母子感染や乳幼児期の水平感染、ピアスの穴開け等は、ジェノタイプAに限らず、ほかのものにも共通するものであって、ジェノタイプAの特徴として、成人期の感染でも肝炎が遷延して慢性化しやすいということがあるので、それをわかりやすく表現をしたほうがよいというご意見を前回の協議会でいただきましたので、このような表現に変更いたしております。
もう一点、大きなご意見としていただいたところが、資料の5ページ目になります。改定案の一番下のまとまったパラグラフの1行目なんですけれども、ガイドラインにつきまして、どこの何のガイドラインなのかをはっきり明記したほうがよいというご意見をいただいております。また、このガイドラインも年に1回ということではなくて、頻繁に改訂されているというところをご意見としていただきましたので、日本肝臓学会による慢性肝炎の治療ガイドラインが頻繁に改訂されていることからというように修正をしております。
そのほかに関しては、前回の協議会でお示ししたものと変更はしておりません。
私からのご説明は、以上になります。
○小池会長 ありがとうございました。ただいま事務局のほうから、パブリックコメントの実施結果及び御意見に対する考え方、それから東京都肝炎対策指針の改定についてご説明がありました。
委員の皆様、ご質問、ご意見をお願いいたします。いかがでしょうか。
○泉委員 前々回からご意見いただいている、検診受診率を上げるということで、企業検診に取り入れられないかというご意見なんですけれども、私でも拠点病院で何回か各企業の検診担当者に集まっていただいて、肝炎の勉強会をやるということを東京都独自の施策でやっておりました。その中で、コーディネーターの養成もやっていたのですが、現実には、やっぱり一番大きな問題点は、ほかの道府県と違って、一次産業の方が非常に少ないということで、ほとんどが会社勤めの方ですね。
それから東京の大きな違いは、流入が多くて、埼玉県、千葉県、神奈川県という方が非常にたくさんいらっしゃるということで、なかなか職域で検診をしてということが難しいと。
それからもう一つ、一番言われたのは、コストのことより何より個人情報を守るほうが非常に難しいと。やっぱり各会社の検診担当者がデータを集めるわけですけれども、そこの個人情報の守秘ということに関して、やはり肝炎は非常に慎重にならざるを得ないということで、非常になかなか進まないという現状がございました。私も数年やってみたのですが、コストのことより何より個人情報をどうやって管理するかということのほうがよっぽど難しいということは、これも東京の会社勤めのほうが多い地域での、非常にむしろ全国では特殊な状況なんだろうなと思っております。
そこで、職域で検診率を上げるというようなことは、なかなか現実に努力はしているんですけども、検診に肝炎検査を入れてくださる企業は大体1割ぐらいです。ただ一番大きな問題というのは、個人情報の問題ですので、率を上げるということは、難しいんじゃないかなというふうに思っています。
もう一つは、東京の大きな特徴として、会社勤めをなさる方は、他道府県からの流入が多いということで、そうすると産業医の先生方にいろいろご尽力をいただいても、それが治療につながればもちろんいいわけですけども、その啓発活動もいろいろやってきたのですが、なかなか患者さん、企業に勤められる方が他道府県の遠くから通ってこられる方が多いという現状があって、これもほかの道府県の一次産業が多いような地域とは大きく異なる点だろうと思いますので、ほかの道府県でやっていることが、東京都には余り参考にならないという現状があるのではないかなと思っています。
○小池会長 ありがとうございました。
どうぞ、米澤委員。
○米澤委員 今、泉先生が個人情報の保護というところをお話なさったので、患者からの意見として申し上げたいんですけれども、東京都は29年度から、受検勧奨、あるいは受検促進であったり、あるいはコーディネーターの養成もそうなのですが、職域において強化していくというような方針を立てられているのですが、今の泉先生のお話で、検査の結果は現状、やはり企業の総務人事のほうに行くことにほとんどがなっていると思います。健保組合によっては、企業には伝えませんと、個人にのみですというところもありますけれども、非常にそれが少ないという現状があります。
私たちとしては、やはり本人にのみ検査結果が知らされるということが約束されない限りは、余り検診を促進していくということが果たしていいことなのかどうなのかということは疑問があります。
それから、これは検診という側面からのお話でしたけれども、例えば患者自身もいるわけですよね、企業の中に。私自身も企業で働いておりましたけれども、私たちの相談の中で、今年からウイルス検査を健康診断の中に入れましたということで、B型肝炎ということがわかった、その途端に、翌日から自宅待機になりましたというような方もやっぱりいらっしゃるんですね。ですので、これは本当によくよく深く考えていただいて、そういった現状を把握していただきたいと思います。例えば私の場合は、企業の健康診断を受けることを逃げ回っていた時期というのも実はあります。肝機能の数値が高いということでウイルス検査ということになったときに、これは会社にわかってしまうという、そんな現状もあったりして、実際に企業に黙って働いている患者もたくさんいるということもよく理解していただければと思います。ですので、これは相当ハードルが高いことじゃないかなと考えています。
以上です。
○小池会長 いかがでしょうか。
○笠松健康推進課長 健康推進課の笠松です。もちろん職場での肝炎ウイルス検査がきっかけで、肝炎ウイルス検査を受けたという方が、受検者の中では結構な割合でいらっしゃるのですが、やはり会社の事情に応じてさまざまで、あと状況はあるかと思います。職場で検診を取り入れられない場合については、やはり会社のほうで従業員の方に対して、区市町村でそういう検査体制があるので、今まで受けたことのない方は受けていただくような周知なども職域を通じて行っていただくために、チラシなどをつくっております。なかなか難しいところもあるかと思いますが、企業の事情に合わせて実施していただきたいというふうに考えております。
○小池会長 泉先生は会社での検診のことをお話になったときは、会社のそういうデータの扱いについては何か情報がございますか。
○泉委員 非常に大きな企業だと、個人情報が漏れないようなシステムを導入されて、コンピューター管理をなさっているという企業もありますけど、それはもう大体従業員1,000人以上の大企業ばかりですね。ですから、やはりなかなかそこまでコストはかけられない企業ですと、なかなか難しいということで、これ以上、企業検診を推進するということが難しいんじゃないかと。
○小池会長 先ほど、笠松課長がおっしゃったように、保健所等で、あれは匿名ではないんですね、個人にだけ情報が伝わるような検査があるということを伝えてもらう、そういったような対策になるんですかね。
どうぞ、鳥居委員。
○鳥居委員 東京都医師会の鳥居です。今の件に関しましては、やっぱり今治療が進んでいますから、早期発見、早期治療というのは非常に大切なことだと思いますが、やはり会社においては、差別、その他、間違った考えで、例えば握手をしたりとか、コップを変えなきゃいけないとか、そういうような差別的なこともあるので、ぜひ調べるのは大切ですけれども、その辺に関しても啓蒙というのも非常に大切ではないかと思います。あとどうしても人事、庶務が情報を知り得た場合に、それが漏出してしまうということが非常に多いので、その辺の管理はかなり気をつけなければならないと考えております。
先ほど出ました区市町村の事業として、やはり保健所じゃなくてかかりつけ医のところにかかれば、それが個人の情報として、それからさらに病診連携からの治療にまで結びつくということでは、そういうものを使っていただくのも非常に大切じゃないかと思っております。
○小池会長 企業検診の難しさということですね。ほかにはいかがでしょうか。
○笠松健康推進課長 健康推進課の笠松です。職場に向けて今年度つくったチラシの中でも、やはり職場の中で通常の社会生活では感染しませんと伝えており、また、都民向けにつくった冊子の中でも、当然通常の日常生活では感染しませんということはきちっとうたっておりますので、このようなものを多くの方に見ていただいて、周知を今後も努めていきたいというふうに考えております。
○小池会長 ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ。
○泉委員 いろいろ考えたんですけど、こういう大都市で会社勤めなさっている方が圧倒的に多い東京で、取れる対策を具体的にとった方がいいというふうに考えてみて、さっき鳥居委員がおっしゃったんですが、やはりかかりつけ医と、それから専門医が、もっと緊密に連携をするというようなシステムづくりをして、そして受療をして治していただくことを推進するということがもっと必要なので、このかかりつけの先生方とかに検診を受けていただいて、そして専門医につなげて、それがちゃんと治療に結びつくということを評価するというほうが、東京都にとっては合っているのかなということを考えた次第です。
○小池会長 あとはどうですかね。
どうぞ。
○播磨疾病対策課長 罹患率についてご意見をいただいているので、前回の協議会での私の発言なんですけれども、都の肝がん罹患率について、他県から都の医療機関に受診する方がいらっしゃって、それが都の罹患率を上げている可能性があるというふうに申し上げました。
これに関してなんですけれども、正確に表現すると、他県から肝炎患者さんですと、東京にどうしても医療機関が多いので、肝炎、肝硬変で東京に転居するというような、他県から転居して都内の医療機関を受診して、がんと診断される方がいらっしゃるということから、それが都の罹患率を上げている可能性があるというような、そういうことでした。
これに関しては、ほかのがんでも千葉とか、埼玉とかの罹患率と比較すると、東京都のほうが罹患率が高い傾向があるようで、都の罹患率が高く見えるというところに関しては、そういった可能性があるということでした。
ですので、前回の私の発言でもしかしたら誤解を与える表現になってしまったかもしれないので、この場で正確な表現でお伝えしておきます。
以上になります。
○小池会長 つまり、例えば埼玉に住んでいる方が東京都内の病院を受診して、肝がんと診断された場合、それは東京都の罹患率には計算されないということですね。
○播磨疾病対策課長 そうですね。
○小池会長 あくまでも転居された方がいればと、そういう意味ですね。
○播磨疾病対策課長 そうですね。ただ、現在のシステムというのが、2016年から本格的に法にのっとって稼働しているので、今お出ししているのが2012年のデータなので、他県との正確な突合というのがまだできるシステムではなかったらしいんですね。正確には先生がおっしゃるとおりの意味になります。
○小池会長 さて、この1番と2番のところでございますが、ほかにご意見は。
(なし)
○小池会長 よろしいですか。数値目標を入れられるといいんですけどね。
どうぞ。
○米澤委員 パブコメのところなんですけど、この数値目標という内容のものしかなかった、7件と少なかったですけど、この回答は予測はできておりましたが、何でしょう、言う言葉がない、具体的な数値を入れることはどこにおいても難しいというふうに理解すればよろしいですかね。
○泉委員 一つ、数値目標となると、やっぱり具体的な数値をどうするかと。余り意味のない数値を出してもしようがないと思うんですね。がんを10%減らしますという意味のない数字を出しても仕方がないので、いろいろ考えた中では、医師会の先生、開業医の先生と、それから専門医が何らかの連携をとったという、連携パスのような形をとって、それを拠点病院に集約して、そしてパスを使用した件数をカウントするというのが一番数値目標として出しやすいかなと。
○米澤委員 それでぜひ診療連携のところで数値目標を出していただいたら非常にありがたいです。
○泉委員 うまくいくかわからないんですけど、例えばC型肝炎で開業医の先生が見つけてくださって、専門医に送って、受けた側の専門医が、手帳にはがきでもつけておいて、どこから紹介いただいて、患者さん情報は最低限にして、それで拠点病院に送っていただければデータは集まると思うんです。
それから、例えばC型肝炎を治療する場合と、ウイルスが消えてから肝がんがいつまで出るかというような調査をして何件あったか、というようなものがつくれれば、少し数値目標として毎年出していけるのかなと考えています。これは全面的に医師会の先生方の協力は必要だと思いますが。
○米澤委員 ありがとうございます。
○小池会長 じゃあ、鳥居先生。
○鳥居委員 東京都医師会の鳥居です。ぜひこういうことは協力できればと思います。いろいろなところで、例えば風疹なんかの場合には、企業でいろいろ言ってもらって、かかりつけ医に来てもらっていろいろやっていて、当然国保の方は割とこのウイルス検診を受けるんですけども、企業検診の方はなかなか受けにこられないということがあります。特定健診ですと、それと一緒に受ける方が多いんですけども、その辺も企業で周知をしてもらって、かかりつけに来てもらう。陽性であれば拠点病院に送ると、それも難しいパスではなくて、とにかくお願いしますというので見てもらうと。今、早ければいろいろな治療もできますし、HCというのは肝硬変、肝がんとならないで済むということ、万が一肝がんが発生しても早くに見つかるので、今の罹患率、それから死亡率減少効果みたいなものも、もしかすると出るかもしれないということで、もしそういうことがあれば全面的に協力できればと思っております。
○播磨疾病対策課長 そうですね、パスに関しては、これからフォーマットを作成するところから拠点病院の先生方、あるいは医師会の先生方などと相談させていただくので、いつごろから本当に軌道に乗るのかというところは、泉先生おっしゃったとおり、まだ言えないところはあるんですけれども、年度ごとの目標というふうに、もし立てられるようであれば、年度ごとの実施計画のところに落とし込むというところは検討していきたいなとは思っています。
○小池会長 まず、その数値の洗い出しをするという、そこから始めるということですね。はい、わかりました。ほかにはよろしゅうございますか。
(なし)
○小池会長 それでは、今後改定する指針について決定をすることになりますが、本日の委員の皆様からいただいたご意見を検討した上で、指針への反映については会長に一任ということでお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○小池会長 ありがとうございます。
それでは、続きまして、議事の3、平成29年度肝炎対策実施計画(案)についてです。これは、事業の実施計画となりますので、28年度の事業の実績報告とあわせて、事務局のほうから説明をお願いいたします。
○笠松健康推進課長 それでは、平成29年度肝炎対策実施計画(案)についてですが、まず平成28年度の事業の実施報告をいたします。
資料の3-(1)のほうをごらんください。9ページですね。1枚めくっていただきまして、指針、肝炎対策の取り組み実績についてご説明いたします。指針3に当たる肝炎に関する普及啓発につきましては、こちらの資料の上段に、「世界(日本)肝炎デー及び肝臓週間における普及啓発」、それから資料の下段のほうに、「肝炎ウイルス検査受検勧奨等に関する印刷物等の作成・配布」について、それぞれ年度ごとの実績を示させていただいております。
前々回の協議会でも、こちらの内容はご説明させていただいた内容でございますが、今年度一番最後の右端のほうの、平成28年度の実績は、上段の肝臓週間における普及啓発として、都庁舎内におけるパネル展の開催のほか、広報などへの記事の掲載、ラジオ、テレビ、多くの方の目に触れる掲示板やディスプレーなどを通して、検査を受けることを呼びかけております。そのほか、今年度はウイルス性肝炎早期発見・治療キャンペーンとして、東京都内の20カ所の映画館で、ウイルス肝炎に関する検査を受けることを呼びかける、普及啓発動画を放映いたしました。
それから、資料の下段に移りますが、印刷物等の作成・配布については、今年度都民向けにリーフレットを10万部作成し、配布しております。こちらの三つ折りのリーフレットが都民向けに作成した肝炎と肝炎ウイルス検査について記載したもの、こちらのほうには、通常の社会生活では感染しませんということが、記載されております。
続いて都民向け、下段のほうに指針3の肝炎に関する普及啓発の資料でございますが、下段の印刷物等の作成・配布については、今年度のリーフレットの作成を右端の平成
28年度ですけど、10万部作成して、職域向けのチラシのほうも10万部作成して配布しております。
1枚まためくっていただきまして、続いて、指針4に当たる肝炎ウイルスの受検勧奨及び実施体制の整備についてでございますが、これは(1)の医療保健政策区市町村包括補助事業と、(2)の健康増進事業において、都のほうから財政的支援を行っております。
検査の実績につきましては、紙面の下段の上のほうにB型肝炎、下のほうにC型肝炎の東京都の区市町村及び保健所の肝炎ウイルスの検査実績として、受診者数、陽性者数、陽性率を示させていただいております。平成28年度の実績ということで、会長のほうからお話があったんですが、平成28年度のウイルス検査の実績は、まだ現在出ておりませんので、最新のものは平成27年度のものでございます。
肝炎対策の取り組み実績についてのご説明は、以上でございます。
○播磨疾病対策課長 それでは、また1枚おめくりいただきまして、指針5の肝炎医療の提供体制及び人材育成の実績報告になります。こちらも第1回目の協議会で、途中まではご報告をしております。第1回目、肝炎専門医療従事者研修に関しては、28年度まだ3回というところでご報告させていただいているのですが、12月までの実績で、計5回実施しておりまして、参加者462名ということになっています。
また、第1回の協議会でご質問いただきました連絡協議会ですけれども、これは年1回ということですので、前回と変わりはありません。
また、健康管理手帳の作成につきましては、B型、C型、それぞれ2万6,000部
作成して、配布をしているということでございます。
また1枚めくっていただきまして、こちらも同様に指針5になるんですが、こちらは職域での肝炎対策の理解促進というところになります。基礎コース1日だけのものと、コーディネーター養成コース、これは2日間行うものになるんですけれども、第1回目の協議会では、このコーディネーター養成コースまでは、まだご報告できませんでした。28年度、41名がコーディネーター養成コースを修了しております。
なお、これらの研修につきましては、拠点病院の先生方などにお願いをいたしまして、また幹事医療機関の先生方にもお願いいたしまして、実施しているものでございます。
先ほど職域での差別の問題が挙がったかと思うんですけれど、あと個人情報の保護であるとか、そういったことに関しまして、基礎コース、またコーディネーター養成コース、両方のコースでも、実際に肝炎患者さんの声で、こういった差別を受けたであるとか、そういったことを起こさないようにするためにはどうしたらいい、あるいは肝炎とはこういうものだから、こういったことは非科学的なものであるとか、そういったところを職域の特に健康管理をつかさどる方々なんですけれども、こういった研修を通しまして、お伝えをしております。
また1枚めくっていただきまして、14ページになります。これは、第1回目の協議
会でお出しした資料とまた同様になりまして、28年度に関しましては、抗ウイルス療
法に係る肝炎治療医療費助成の実施に関しまして、4月から9月までの実績ということ
になります。
昨年度と比較しますと、B型核酸アナログ製剤に関しましては、昨年度を少し上回るかなという状況でして、インターフェロンフリーに関しましては、昨年度、新しい薬剤の登場などもございましたけれども、昨年度実績を恐らく下回るであろうというような、そういった状況になっております。
また1枚めくっていただきまして、指針5、治療効果の研究ということですけれども、こちらは第1回目の協議会でご説明したものと同じになりますので、説明は割愛させていただきます。
また1ページおめくりいただきまして、16ページ、ウイルス性肝炎重症化予防推進事業、こちらは、初回精密検査費用と定期検査費用を助成するというものでして、第1回目、4月から9月までの実績というところでは、初回精密検査が68件、定期検査が9件というところでご報告をさせていただいておりますが、4月から12月までというところで、97件とそれぞれ13件というところになっています。
また1枚おめくりいただきまして、指針6、肝炎患者等に対する支援や情報提供の充実に関する実績の報告ですけれども、肝疾患相談センター、これは都内2カ所、武蔵野赤十字病院と虎の門病院のほうに委託させていただいている肝疾患相談センターの相談件数ですけれども、4月から9月までの実績が、虎の門が507、武蔵野赤十字が
368、計875ということでご報告したんですけれども、12月までの実績で、それぞれ807と506で、計1,313件となっております。
また、患者向け講演会につきましては、12月までそれぞれ1回ずつを行っておりまして、合計回数2回、人数としては261名という報告をいただいております。
また、患者サロンにつきましては、1回目の協議会では9月までの実績ということで、平成28年度については虎の門病院で3回、55人、武蔵野赤十字病院で3回、64人というところだったんですけれども、それぞれ4回、72人、4回、76人というご報告をいただいておりまして、12月までの実績ですと、計8回、148人ということをご報告いただいております。
また、ピア相談に関してですけれども、9月までの実績というところで、前回746件というご報告をさせていただいたんですが、12月までの実績ということで
1,123件という報告をいただいています。
肝炎対策の取り組み実績に関しましては、以上になります。
次に、こういった実績を踏まえまして、資料3-(2)、18ページになります。
肝炎対策の実施計画ということで、今年度、平成28年度の実施計画と、29年度の実施計画を新旧対照表で並べています。
まず、目的のところは変わりはありません。具体的な事業計画のところですけれども、指針のほうにも予防に関してB型肝炎ワクチンの定期接種が昨年10月から導入されたということで、項目をつけ足しておりますので、B型肝炎ワクチン定期接種について、国や医師会等関係団体との連絡調整等により、区市町村における円滑な実施を支援するというふうに追加をさせていただいております。
○笠松健康推進課長 それでは、肝炎対策実施計画の右側の平成29年度の実施計画2の普及啓発でございますが、(1)の感染予防に関する普及啓発で、白丸の二つ目ですね、日本肝炎デーを含む肝臓週間というところですが、世界肝炎デーが7月28日で、それを含む1週間ということで、そこの日程が平成29年度に合わせて書いてございます。
それから、昨年の平成28年度の計画では、日本肝炎デーというところの(1)の白丸のところで、ウイルス性肝炎早期発見・治療キャンペーンを実施するということが、記載がございますが、29年度はキャンペーンは実施いたしませんので、キャンペーンを実施するというところの部分を削除をしております。
ただ、普及啓発につきましては、28年度つくった啓発用の動画を今後も生かしていきたいというふうに考えております。
それから、普及啓発の(2)の肝炎ウイルス検査の受検勧奨のための普及啓発というところがございますが、こちらは、1枚めくって、19ページのほうの平成28年度の肝炎対策実施計画で、2の肝炎ウイルス検査の受診勧奨及び実施体制のところに記載しておりましたが、指針のほうでも検査の受検勧奨は、普及啓発のほうに含むということになっておりますので、平成29年度の実施計画においても、検査のための受検勧奨につきましては、四角の2番の普及啓発のほうに移しております。ほとんど文言のほうは同じですが、やはりここでも昨年度実施したウイルス性肝炎早期発見・治療キャンペーンの中で行われた受検勧奨ですね、19ページの平成28年度の2の肝炎ウイルス検査の受検勧奨及び実施体制の(1)受検勧奨の(1)の肝臓週間にちなんだ受検勧奨の白丸の上から2番目の「集客率の高いエリアや施設でのイベントやポスターの掲出・シネアド(映画館CM)の展開により、未受検者への確実な受検勧奨に取り組む」というのは、29年度は行わないということで、その部分を削除しております。平成29年度では、18ページの右下のほうに示した2(2)の肝炎ウイルス検査の受検勧奨のための普及啓発というところになっています。19ページの普及啓発のところで1点追加している部分がございます。それは、19ページの右上の(3)の職域に対する受検勧奨というところでございます。ここで「職域団体等に対し、職域向けの肝炎ウイルス検査普及啓発チラシを作成・配布し、職域における受検勧奨のための普及啓発を推進する。」それから、「職域団体等との連携の上、健康経営アドバイザーを活用し、職域における受検勧奨のための普及啓発を推進する。」というところが、29年度に追加している部分です。
今回の国の指針の改正のポイントでも、やはり職域での肝炎ウイルス検査の促進に取り組むということを強調しておりましたので、計画のほうでもそれを反映し、記載しております。
そのほかの19ページの(3)の29年度の計画で、職域向けウイルス性肝炎研修会、それから(4)の健康管理手帳の作成・配布、それから(5)のかかりつけ医と連携した受診勧奨の推進については、昨年と同様の計画としております。
次に、平成29年度の計画の3の肝炎ウイルス検査の実施体制についてご説明いたします。
こちらについては、平成29年度の計画のほうで、普及啓発と受検勧奨がほかの項目のほうに移りましたので、20ページの左側の平成28年度の(2)の検査の実施体制というところの(1)、(2)、(3)を平成29年度は右のほうに移りますが、(1)、(2)、(3)といたしまして、計画のほうをして記載しております。こちらも、(3)の区市町村及び職域との連携というところで、平成28年度の計画では「職域向けの肝炎ウイルス検査普及啓発チラシを作成し、職域団体等に配布するとともに、職域向けウイルス性肝炎研修会等でも配布するなど」と記載しておりますが、ここは普及啓発のほうに含めましたので、平成29年度はその部分を除いた形としております。
○播磨疾病対策課長 続きまして21ページになります。4の肝炎医療の提供体制及び人材育成のところですけれども、まず肝炎診療ネットワークの充実というところの(1)に、地域連携パスの作成・運用というところを記載させていただいています。この地域連携パスですけれども、前回もご説明させていただいたとおりなんですけれども、C型肝炎ウイルスで陽性判定となったけれども、継続的な受診をしないままでいるキャリアを掘り起こして、かかりつけ医から肝臓専門医療機関につなげるということと、また専門医療機関による治療後も定期的な経過観察を続けて、治療後の肝がん発生等があれば、早期に治療につなげることを目的としたパスです。
これから作成・運用をしていきまして、連携強化を図っていきたいというところでございますので、計画については地域連携パスを作成・運用し、肝臓専門医療機関とかかりつけ医を含む地域の医療機関との連携強化を図るというふうに記載しています。
また、(2)の医療従事者研修の実施ですけれども、これは先ほど実績報告で申し上げましたとおり、今年度も同様に行いたいというところです。
また、(3)の肝疾患診療連携拠点病院等連絡協議会、これも今年度同様、来年度も1回開催します。こちらのほうの協議内容に関しましても、連携パスと新たな事業も開始になりますので、こういったアクティブな話題を取り入れて、拠点病院、あとは幹事医療機関の先生方と密に連携をとっていきたいというふうに思っています。
また、かかりつけ医と連携した受診勧奨の推進というのは、先ほど笠松のほうから申し上げたとおりです。
また、(2)のウイルス性肝炎重症化予防の推進というところで、今までは別立てしていたんですけれども、今回の指針の改定で、この重症化予防推進事業というのは、肝炎医療の提供体制及び人材育成の枠の中に入れておりますので、計画もそちらに合わせてこちらの項目に入れています。
また、(3)職場での肝炎対策の理解推進というところですけれども、先ほど申し上げた職域向けウイルス性肝炎研修会を実施するというところと、事業者向けのリーフレットを送付するというところになります。
まためくっていただきまして、22ページ、(3)職域向けウイルス性肝炎研修会(コーディネーター養成コース)先ほど申し上げた2日間かけてコーディネーターを養成していくというものですけれども、今年度の事業計画では30名規模というふうにさせていただいているんですけれども、来年度50名規模ということで、少し拡大をしていきたいというふうに考えています。
(4)の肝炎医療費助成の実施については、同様になっています。
(5)治療効果の研究ということで、先ほど実績報告につきまして、第1回目の協議会と記載内容が変わりないというふうに私申し上げてしまったんですが、15ページのところなんですが、今まではインターフェロンの治療にかかるデータを収集していたということなんですけれども、今年度からインターフェロンフリー治療の効果判定調査を実施中ということですので、来年度も引き続きまして、インターフェロンフリー治療の効果判定調査を実施するということにしていきたいというふうに思っています。
次ですけれども、5の肝炎患者及びその家族等に対する支援や情報提供の充実というところになります。
(1)肝炎患者等に対する情報提供及び相談支援というところですけれども、これは先ほど申し上げたとおり、都内二つの拠点病院に設置していただいているんですが、こちらも相談支援を今年度と同様に実施していくという計画になっています。
また、患者向け講演会につきましても、今年度同様2回実施するという計画になっています。
また、(2)患者交流の支援ですけれども、これも今年度同様に患者サロンを12回実施するという計画になっています。
また、(3)肝機能障害による身体障害者手帳を交付された方への支援ということですけれども、これも今年度同様になりますが、肝機能障害による身体障害者手帳の交付、また医療費助成、これを今年度同様行いまして実施していくという実施計画になっています。
実施計画に関するご説明は以上になります。
○小池会長 ありがとうございました。ただいま事務局から、平成29年度の肝炎対策実施計画案について説明がありました。事業の実施に当たり、ご質問、ご意見はいかがでございましょうか。
どうぞ、大井委員。
○大井委員 まず、質問なんですけども、19ページの職域に対する受検勧奨の啓発チラシは、これは新しく次年度つくって配布するということだと思うんですけど、これと
21ページにある事業者向けリーフレットとは別のものと考えてよろしいでしょうか。もし別のものであるとすると、この事業者向けリーフレットというのは、すでにつくられているものなのか、それともまた新しくつくるものなのかというところ。
○笠松健康推進課長 チラシとリーフレットともに新しいものを来年度つくる予定でございます。
○大井委員 そうすればその際には、先ほど米澤委員や泉委員からのご指摘のあった職場での理解を促進するという部分のところもぜひ入れていただきたいというのが一つお願いです。
それから、もう一点は、この職域に対する受検勧奨や事業者向けリーフレットの送付という、こうした普及啓発や情報提供で、どのくらいの企業のところにそういったものが届くということを予定しているのか教えていただければと思います。例えば、東京都の企業の何割ぐらいとかというような粗々でも結構です。
○笠松健康推進課長 配布先といたしましては、直接企業に送付という形ではなくて、東京商工会議所や、東京都中小企業団体中央会ですとか、あと健康保険組合、それから一般社団法人東京法人会連合会など関係団体を通じて各企業のほうに配布という形で考えております。
実際に、どのぐらいの企業をカバーできるかということについては、こちらのほうでは今少し手元に資料がありませんが、7万4,000社に資料が届いております。
○小池会長 ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ。
○米澤委員 職域向けコーディネーターの件なんですけど、先ほど播磨課長のほうから、健康管理をつかさどる方がコーディネーターの対象であるというようなお話がありましたけれども、それは具体的にどういった方になるんでしょうか。
○播磨疾病対策課長 企業内の看護師、保健師であるとか、産業医の先生もいらっしゃったかなというぐらいだったんですけれども、あとは人事の担当者などもいらっしゃっていたと思います。
○米澤委員 人事の担当者もコーディネーターになっているということですね。
○播磨疾病対策課長 そうですね、はい。
○米澤委員 そうすると、先ほどの個人情報、プライバシー保護の問題ですけれども、そういった人事の方々が、肝炎である社員に対して、例えばフォローしていく、病院に行くように勧めるとか、治療を勧めるとかということになるわけですよね。
○播磨疾病対策課長 そうですね。そこはその会社がどうするかというところはあるかと思います。というのが、先ほどのアドバイザーというのが、中小企業、商工会議所向けなんですね。こちらの職域コーディネーターというのは、従業員が今年度は1,000人以上の企業、1,246カ所にお声をかけています。来年度は500人から1,000人というところで、交互にお声をかけさせていただいているので、企業の体制としては、産業医もいて保健師もいてというところが多いのかなというふうには思っています。職域のこの研修では、その担当者の方に、まず肝炎に関してご理解いただくということですね。肝炎とはどういうものなのかと。実際に拠点病院のほうで、電話対応、相談対応をされている看護師さんとか、そういった方から実際に、先ほど米澤委員がおっしゃったような具体的な事例ですね、こういった不利益をこうむったとか、あとは少し職域とはずれるんですけれども、歯医者に行って肝炎だというふうに言ったら、もう来ないでくれと言われたとか、そういった具体的な事例をお話ししていただいて、まず肝炎の患者さんがおかれている状況というのを理解していただくような研修にしていただいていると思います。そのあたり泉先生、拠点病院の先生方にもお願いしております。
○米澤委員 そういった普及啓発、正しい情報を普及したり啓発したりという方向で、そちらに重きがあるのであれば、それは非常に有効であると思いますし、患者としてもありがたいと思いますけれども、やはり例えば人事の方が知るところになれば、患者からすると、やっぱり戦々恐々という感じになるわけですよね。一般社員のコーディネーターの方がとんとんと肝炎患者の肩をたたくような状況になると、それは逆に差別を助長するようなことにもなりかねませんので、その部分がどうしてもやっぱり少し気になるところではあります。
○泉委員 一つは、今米澤委員がおっしゃったような問題があるので、がんなどもそうですが、両立支援というのは非常に厚労省が推進していて、これは産業医の先生方に一役買っていただいて、主治医と産業医が意見を取り合って、それで仕事と疾患治療を両立していこうということが今年度の事業から始まると思います。ですから、今後は医師会の先生方を中心に産業医の先生方、両立支援ということで活躍していただくということで、確かに会社の人事担当がコーディネーターというのは少し無理があるので、やはり産業医の先生方が両立支援ということで活躍していただくほうが、より疾病対策が進むんじゃないかと思います。
○鳥居委員 東京都医師会の鳥居です。今の件に関しましては非常に今後病院と連携して、病院の中でそういうようなことをどうするかとか、あと療養支援だけではなくて、自立する場合にどうするかとか、そういう補助もしていければということは考えております。
先ほどのコーディネーターにした場合の問題点なんですけども、一般的には産業医は50人以上のところに一人いますし、1,000人以上に専属の産業医となります。そこには恐らく保健師さんも看護師さんも1,000人以上だといるわけですけども、これが情報を得た場合に問題があって、あくまでも医師としての守秘義務はあるんですけども、会社に雇われている場合の産業医は、どっちについていいかというのが非常に問題なんですね。知ったものを守秘義務だからといって会社に伝えないということはなかなか難しい状況があります。ですから、やっぱり会社でいろいろ検査をするというのはなかなか難しい面があると思うので、やはり啓蒙と受診の勧奨というのが一番の力になると思います。むしろ実際に受診するのは、そういう啓蒙をしておいて、かかりつけ医で診てもらうという方法と、あと病診連携、さらに社会復帰に向けての対応というような段階になるんじゃないかと思っております。
○小池会長 ほかにはいかがでしょうか。
(なし)
○小池会長 よろしいですかね。それでは、貴重なご意見をありがとうございました。
では、今の委員の皆様からのご意見を踏まえて、事務局のほうで計画に反映させるかどうか検討していただけたらと思います。
よろしいですか、今うんとうなずかれたんですね、わかりました。そのようにしてくださるということですね。
そうすると、その内容の確認は、事務局のほうで私のほうへ。
○播磨疾病対策課長 そうですね。内容の確認は会長のほうともご相談させていただきまして、決定後に皆様にご報告するということでよろしいでしょうか。
○小池会長 いかがでしょうか。委員の皆様、それでよろしゅうございますか。
(異議なし)
○小池会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
○鳥居委員 お聞きしたいんですけど、肝炎ウイルスの受検勧奨及び実施体制の整備で
11ページ目なんですけども、健康増進事業と特定感染症検査等事業というのが二つあって、B型とC型で多少陽性率その他が違ってきているみたいなんですけど、これは意味するところはどういうことか、少し教えていただければ。健康増進事業というのは、検診と一緒にやる形になるんですか。
○笠松健康推進課長 健康増進事業のほうは、検診の対象者が40歳以上で過去に検診を受けたことのない者ということで、各自治体が行っております。特定感染症検査等事業における肝炎ウイルス検診というのは、基本的には保健所政令市。東京都ですと23区と、保健所政令市、町田市、八王子市、それと東京都保健所のほうで実施しております。
○鳥居委員 いわゆる肝炎検診的な部分ですね。
○笠松健康推進課長 肝炎ウイルスの検査ということですね。特に対象年齢の制限は設けてはいないところでございます。
○鳥居委員 多少、B型に関しては、やっぱり特定感染症検査等事業のほうが陽性率が高い。家族歴とかその他も関与しているんでしょうか。
○笠松健康推進課長 基本的に保健所のほうの検査なので、匿名の方もいらっしゃいますし、陽性率がそちらのほうが高いというところは、少し分析ができていないところがあります。
○鳥居委員 ありがとうございます。
○小池会長 よろしゅうございますか。
(なし)
○小池会長 それでは、本日の協議会が今年度の最後になります。最後に全体を通して、何かご意見がありましたらお願いいたします。
(なし)
○播磨疾病対策課長 今年度3回と、しかもタイトなスケジュールということで、委員の先生方々には本当にお世話になったと思います。
もし可能でしたら、まだ時間がございますので、お一人の委員の方、何かご意見とかあるいはご感想とかいただければありがたいなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○小池会長 感想でもいいので、順番でいいですか。森田委員から順に一言ずつだそうです。
○森田委員 今年度、私はこちらの部門のほうに異動してきまして、初めて参加をさせていただきました。いろいろお世話になりました。
日ごろ、役所に入ってはいたんですけれども、ウイルス肝炎という言葉自体、私聞きなれない言葉で最初迷っておりましたけれども、数回出席をさせていただきまして、こういうものだというものを理解させていただきました。これから知り得た知識というか、ものを生かして仕事のほうに役立てていきたいと思います。
本当にお世話になりました。ありがとうございました。
○鳥居委員 東京都医師会の鳥居です。この会、非常に重要な会だと思いまして、特に感染症とがんの問題というのは、今ピロリ菌の問題、それから子宮頸がんの問題、やはり感染症を駆逐することによって、がんが防げるかもしれないという大きな命題があります。
それから、C型肝炎もB型肝炎も、昔はもう治らない病気だったのが、今は非常にインターフェロンを使わずとも治る状況になってきていますので、早く見つけて早く駆逐するというのは、一番の命題だと思います。しかもそれがかかりつけ医からうまく病診連携につなげられるというのは、今後必要だと思いますので、今後ともぜひご協力していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○林委員 大久保病院の林でございます。
2009年から私参加させていただいていますけれど、年々いいものができていると感じ、きょうはこれを見ながら、どんどんよくなるなというふうに思っています。
またよろしくお願いします。
○米澤委員 東京肝臓友の会の米澤です。
ここのところ数値目標、数値目標というふうに口を酸っぱくして言うことが多く、また米澤が言ったというような状況だったんですけれども、今回も資料を読ませていただいて、やはりこういう状況かと落胆したところではあります。ですが、きょうのお話の中で泉先生がご提案いただいた診療連携について数値目標を設定していきましょうという、それは鳥居先生の多大なご尽力がこれから必要になってくるのかもしれませんけれども、このことは感動するほどうれしくて、これをしっかりと今後も見守っていきたいと。何か患者ができること、あるいは患者団体ができることがあれば、私たちも積極的に協力していきたいというふうに思っています。
ありがとうございました。
○粕谷委員 市の代表という形で参加させていただいたわけですけども、私も保健衛生の部門に7年ぶりに戻ってきたというような状況でございまして、その間に肝炎に関しかなり進んだなというような部分は改めて認識したところでございます。しかし現場のほうでは、なかなか受診件数というのは伸びていない。7年間離れていたときに、少し産業担当にいたもので、職域の方もやはりそういう面での受診体制というのは余り進んでいないんだなというのも自覚しているところでございますので、そうした両部門を経験してきたところを今後生かしていければなと思っております。いい勉強になりました。ありがとうございました。
○渡部委員 多摩府中保健所の渡部です。お世話になりました。
今回の指針ですとか、それから来年度の実施計画については、職域の取り組みというのが非常に大きく取り上げられていて、ただインフルエンザですとか、麻疹の職域での取り組みというのとは違った難しさがあるんだなというところを実感しているところで、保健所の館内でも商工会議所とのおつき合いというのがありますので、その辺も踏まえた上で対策を進めていきたいというふうに感じたところです。ありがとうございました。
○大井委員 健康安全研究センターの大井でございます。肝炎の治療がすごく進んでいて、実際に早く見つけて早く治すことができたら、がんや肝硬変になることを防ぐことができるという状況が生まれてきた中で、場合によってはこれから先は各区市町村や都道府県がきちんとやっているところは数字ではっきりと出てきてしまうということがあるのかなというのを非常に少し心配しているんですけど、東京都がそういうふうにならないように頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします。
○原田委員 保健所から今年初めて参加させていただきました。
以前、開業医の先生が肝炎で陽性になって受診するように言ったんだけど、本当に受診してるかどうか心配だから保健所でちゃんとそれをフォローしてくれないかと言われて、直接担当してなかったんですけども、これを全部追いかけるのはしんどいかな、どうすればいいんだろうと思った記憶があります。まさにその辺が今出てきているのかなという気がいたします。ちなみに先ほど、笠松課長のほうからもおっしゃってくださったんですけども、健康増進事業でのB型肝炎と、特定感染症検査等事業でのB型肝炎の陽性率が違うというのは、やっぱり年齢層が大分違うような気がします。特定感染症検査等事業はやっぱり心配なことがあって、保健所に申し込んで受ける方が多いので、こんな感じで出るかもしれない、逆に、C型肝炎のほうはこれは低いですもんね。そういうことかなという気がしております。職域については、実際にこれは問題だからちゃんとやらなきゃと思っていただけるかどうかが、やっぱり勝負かなという気がしております。
以上です。
○小池会長 どうもありがとうございました。
それでは、本日の議事はこれまでといたします。事務局から連絡事項がございましたらお願いいたします。
○播磨疾病対策課長 それでは、資料はおつくりしていないんですけれども、今後のスケジュールです。決定した指針につきましては、内部の手続が終わり次第プレスをする予定です。時期は、3月もしくは4月になるかと思います。指針のプレス前には、委員の皆様方にはご連絡をさせていただきます。
また、決定した実施計画につきましても、委員の皆様方にはお知らせをしたいと存じます。
また本日、保健政策部長、上田、議会対応で欠席となりまして、まことに申しわけございませんでした。上田にかわりまして、私のほうから一言ご挨拶をさせていただきます。
今年度は、この肝炎対策の指針の見直しに当たりまして、本当にこの3回にわたって本協議会を開催させていただいて、委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところ、特にきょうなどは年度末で、本当に皆様方お忙しかったことだと思いますけれども、毎回参加、あるいは熱心にご議論いただきまして厚く感謝申し上げます。
今、一言ずつ委員の皆様方から、一つ一つ、そうだな、そうだなと思いながらご意見を伺っていました。こういったことも踏まえまして、また来年度につなげていきたいなと思っているところではありますけれども、今後、小池会長のもと、肝炎対策指針を公表する運びとなります。東京都では、本指針に基づきまして、肝炎ウイルス検査の受検促進や、肝炎医療の提供体制の整備、肝炎患者への支援など、肝炎の総合対策を推進してまいります。
また、来年度から、職域健康経営アドバイザーを活用した、職域における受検勧奨、地域連携パスを活用した医療連携の推進など、新たな事業を開始いたします。これら新規事業につきましても、本当にたくさんの皆様方のご協力をいただきながら、着実に推進していきたいという所存でございます。
委員の皆様方におかれましては、東京都の肝炎対策につきまして、引き続きご指導、ご協力、ご審議を賜りますように、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。本当にどうもありがとうございました。
○小池会長 3回にわたる議論、大変お疲れさまでございました。日程調整等、大変でしたが、委員の皆様方もおそらく3回行ったことで非常に理解が深まったのではないかなというふうに思っております。
ということで、以上をもちまして閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
(午後 8時20分 閉会)
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このページの担当は 保健政策部 疾病対策課 疾病対策推進担当(03-5320-4476) です。