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第17回ウイルス肝炎対策協議会

開催概要

1 日時

平成31年3月27日(水曜日) 19時から20時30分まで

2 場所

東京都庁第二本庁舎31階南側 特別会議室21

3 議事

(1)東京都の肝炎対策の取組実績等について
(2)平成31年度肝炎対策実施計画(案)について

4 委員

以下の「東京都ウイルス肝炎協議会 委員名簿」のとおり

資料

次第

資料

参考資料

議事録

(午後 7時00分 開会)

○鈴木疾病対策課長 本日は大変お忙しい中ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 定刻となりましたので、第17回東京都ウイルス肝炎対策協議会を開催させていただきます。

 私は、東京都福祉保健局保健政策部疾病対策課長の鈴木でございます。どうぞ本日はよろしくお願いいたします。

 本協議会は公開ということで、本日は本協議会設置要綱第9項に基づき、傍聴の方がいらっしゃいます。

 初めに、東京都よりご挨拶を申し上げます。

 まことに申しわけありませんが、保健政策部長の成田は所用により欠席させていただいておりますので、私より挨拶を代読させていただきます。

 先生方におかれましては、日ごろより東京都の肝炎対策の推進についてさまざまなご指導、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 東京都では、中長期的な方向性を定めた、東京都肝炎対策指針及び具体的な事業計画を定めた実施計画に基づき、肝炎ウイルス検査の推進や肝炎診療ネットワークの充実などの取り組みを着実に進めているところでございます。

 昨年度からは、肝炎対策の一層の推進を図るため、健康経営アドバイザーを活用した職域に置ける普及啓発や、地域連携パスを活用した医療連携の推進などの取り組みを進めております。

 また、今年度は、新たに肝がん重度肝硬変の治療研究促進事業を開始しております。そして、来年度からは、重症化予防事業の拡大、肝硬変治療薬開発の推進を予定しているところでございます。

 本日は、このような今までの東京都の取り組み状況や来年度に向けた実施計画案を示しまして、先生方の忌憚のないご意見を賜りたいと存じます。東京都の肝炎対策について、引き続きのご指導を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 では、着座にて失礼いたします。

 議事に先立ちまして、まずお手元に配布した資料の確認をお願いいたします。

 座席表、委員名簿、会議の次第に続けて、本日の資料一式と参考資料の一式をまとめてございます。

 資料のほうは、1から4までございまして、全34ページとなっております。

 参考資料は、1から7までで、全18ページとなります。

 また、そのほか東京都が策定しております印刷物を机上に置いております。クリアファイルに入っているものでございます。「Check!肝臓」リーフレット、「ウイルス性肝炎について知っていますか?」のリーフレット。それから、東京都職域健康促進サポート事業のリーフレット。こちらは肝炎対策部分をコピーしたものとなっております。また、健康管理手帳のB型肝炎、C型肝炎のもの、また、肝臓手帳のC型肝炎、地域連携パスで使用している肝臓手帳。そして、「東京都の肝がん・重度肝硬変医療費助成制度のご案内」というリーフレット。

 以上、事務局が配布したものとなっております。

 もしそろっていないものがございましたら、事務局のほうにお申しつけいただければと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、本協議会はこの2月1日から期が改まりました。任期は2年間となります。どうぞよろしくお願いいたします。

 今期の委員の方々を名簿の順にご紹介させていただきます。

 武蔵野赤十字病院院長、泉委員でございます。

○泉委員 泉です。よろしくお願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 国家公務員共済組合連合会虎の門病院顧問、熊田委員でございます。

○熊田委員 熊田です。よろしくお願いします。

○鈴木疾病対策課長 東京大学大学院医学系研究科消化器内科学教授、小池委員でございます。

○小池委員 小池でございます。よろしくお願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 帝京大学医療技術学部長、滝川委員でございます。

○滝川委員 滝川です。よろしくお願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 公益財団法人東京都保健医療公社大久保病院院長、林委員でございます。

○林委員 林でございます。よろしくお願いします。

○鈴木疾病対策課長 特定非営利活動法人東京肝臓友の会事務局長、米澤委員でございます。

○米澤委員 米澤です。よろしくお願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 公益社団法人東京都医師会理事、鳥居委員でございます。

○鳥居委員 鳥居でございます。よろしくお願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 東京都南多摩保健所長、小林委員でございます。

○小林委員 小林でございます。よろしくお願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 東京都健康安全研究センター所長、大井委員でございます。

○大井委員 大井でございます。よろしくお願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 本日は、粕谷委員は所用によりご欠席とのご連絡をいただいております。

 また、佐藤委員、清水委員は遅れていらっしゃるとのご連絡をいただいております。

 次に、事務局の紹介をさせていただきます。

 保健政策部健康推進課長、中坪でございます。

○中坪健康推進課長 中坪でございます。よろしくお願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 総務部企画政策課課長代理の乙竹でございます。

○乙竹課長代理 乙竹でございます。よろしくお願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 私は、疾病対策課長の鈴木でございます。

 続きまして、会長の選出でございます。

 本協議会は、設置要綱第5条により、委員の互選により選任するということになっております。

 皆様いかがでしょうか。

○鳥居委員 東京都医師会の鳥居でございます。

 肝炎に関するご見識が大変深く、経験も豊富でいらっしゃいます小池委員を会長に推薦させていただきたいと存じます。

 以上であります。

○鈴木疾病対策課長 ただいま、小池委員を会長にとのご推薦をいただきました。皆様いかがでしょうか。

(異議なし)

○鈴木疾病対策課長 会長は小池委員にお願いいたします。

 小池会長、会長席にお移りください。

 それでは、ご挨拶をいただき、以降の議事進行をどうぞよろしくお願いいたします。

○小池会長 前期に引き続きまして、会長となりました小池でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 では、これより次第に沿いまして進めてまいりたいと思います。

 本日の議事は、一つ目が東京都の肝炎対策の取組実績等について、二つ目が平成31年度肝炎対策実施計画(案)についてとなっております。

 早速ですが、議事の(1)東京都の肝炎対策の取組実績等に入りたいと思います。

 東京都の肝炎対策は、肝炎対策指針と肝炎対策実施計画に基づいて進められています。

 まず、資料1、東京都の肝炎対策(全体像)についてと、資料2-マル1普及啓発、資料2-マル2肝炎ウイルス検査の実施体制の整備について、事務局から説明をお願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 では、まず資料1の2ページ目をご覧ください。東京都の肝炎対策の全体像についてご説明をさせていただきます。

 28年度の本協議会におきまして、東京都肝炎対策指針の改定についてご審議をいただきました。そして、29年3月に改定となり、この指針に基づきまして、毎年度、肝炎対策実施計画を策定し、総合的な肝炎対策の取り組みを進めているところでございます。

 肝炎対策は予防から普及啓発、肝炎ウイルス検査の実施体制の整備、そして肝炎医療の提供体制及び人材育成、肝炎患者等の支援の五つの取り組みがございまして、本協議会で進行管理・評価をするということになっております。

 それでは、今年度の取り組み実績について、普及啓発から順にご説明をさせていただきます。

○中坪健康推進課長 では、こちら資料2-マル1、4ページ以降をご覧ください。

 まず、めくっていただいて、5ページ横の資料になります。こちら肝炎に対する普及啓発についてでございます。

 まず、こちらの資料の上段に、世界(日本)肝炎デー及び肝臓週間における普及啓発。それから、資料下段のほうに、肝炎ウイルス検査受検勧奨等に関する印刷物等の作成・配布について、それぞれ、年度の実績を示させていただいております。

 右端が平成30年度の実績になっておりまして、上段の肝臓週間における普及啓発といたしましては、都庁舎内におけるパネル展の開催のほか、広報などへの記事の掲載。ラジオ、テレビ、ホームページ、多くの方の目に触れる掲示板やディスプレイなどを通じて、検査を受けることの呼びかけをしております。

 次に、資料の下に移りますけれども、印刷物の作成・配布につきましては、昨年と同様、都民向けにリーフレットを10万部作成し、引き続き医師会様等を通じまして、医療機関を中心に配布しております。

 それから、こちらお手元のカラーの配布資料です、こちらの資料を参考で見ていただけますでしょうか。こちら、三つ折りのリーフレットになっておりますけれども、これが職域向けのリーフレットになります。こちら開いていただきますと、中にウイルス性肝炎のことでありますとか、陽性になった場合のこと、医療機関であるとか、肝疾患相談センターのことも記載しております。

 こちらのリーフレットでは、職域向けにお伝えしたいのがこのリーフレットの裏になります。こちらの「事業主や医療保険者へのお願いです」に、職域におきましては、まず肝炎ウイルス検査を導入できますということを案内するために1番、2番に職場の健診項目に追加であるとか、健康保険組合が提供する健診等の同時実施を記載しています。

 ただ、やはり職域への健診というところはいろいろ課題もございますので、職域での肝炎ウイルス検査を実施するのが難しい場合はということで、3番で区市町村が実施する肝炎ウイルス検査の受検を勧めると記載して、このような選択肢もあるということで、そこについての情報提供を行ってくださいということを普及啓発するようなリーフレットになっております。

 こちらにつきましては10万部作成いたしまして、主に東京商工会議所を通じて、各事業所に配布をしているところでございます。

 次、資料に戻っていただきまして、6ページご覧ください。こちらは、昨年度より開始いたしました、東京都職域健康促進サポート事業の説明です。

 左上、東京都がこれまで蓄積してきました健康づくり、がん対策、肝炎対策、感染症対策につきまして、東京商工会議所が育成しております、健康経営アドバイザーにその知見を付与いたしまして、その健康経営アドバイザーが中小企業などの経営者層、福利担当者などを訪問いたしまして、職域全体での従業員の肝炎対策を含めて、健康に配慮した経営の推進を進めるものです。

 こちらにつきましては、配布資料の「東京都職域健康サポート事業」の上が肝炎対策になります。こちらのリーフレットにつきまして、健康経営アドバイザーが昨年度から開始して、年間1万社をめどに普及啓発を図っております。

 実績として、1万451社に対して普及啓発を行い、さらに個別支援につきましては31社に実施いたしました。今年度も1万社への普及啓発は行える見込みであり、来年度も1万社へ引き続き啓発を進めていきたいと考えるところでございます。

 普及啓発については以上でございます。

 続きまして、8ページが肝炎ウイルス検査についてでございます。

 こちらが、まず上の丸で(1)医療保健政策区市町村包括補助事業と(2)健康増進事業、(3)特定感染症検査等事業におきまして、いずれも東京都から財政的支援を行っております。それぞれの補助率は、右に記載のとおりでございます。

 検査の実績が下段になります。上のほうがB型肝炎、下のほうがC型肝炎の東京都の区市町村及び保健所の肝炎ウイルス検査の検査実績として、受診者数、陽性者数、陽性率を示させていただいております。

 今年度のウイルス検査の実績につきましては、現在まだ出ておりませんので、最新のものは29年度ということで、こちら掲載させていただいております。この詳細はお目通しいただければと思います。

 肝炎対策の普及啓発及びウイルス検査についての取り組みの実績についての説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○小池会長 ありがとうございました。

 資料1の全体像の説明の後は、資料2-マル1、資料2-マル2についての説明がありました。委員の皆様ご質問、ご意見がございましたらよろしくお願いします。

 どうぞ、米澤さん。

○米澤委員 資料2-マル1の2の東京都職域健康促進サポート事業の図です。東京商工会議所において健康経営アドバイザーを育成するという。ここでe-ラーニングを研修として実施するという内容ですが、これはどこかで私たちが内容を確認することはできるんでしょうか。

○中坪健康推進課長 e-ラーニングは、あくまで東京商工会議所の健康経営アドバイザーの方向けになっていますので、一般の方がそれを見れるようにはなっておりません。この四つについて、東京都が監修して作成したものを、健康経営アドバイザーの方が普及啓発するためということで作っていますので、一般には出ていないということです。

○米澤委員 今もおっしゃいましたけど、健康づくりとがん対策と肝炎対策と感染症対策とこの四つがその内容になるということで、この中の一つの肝炎対策については、大体どのぐらいのボリューム、割合的にはどんな感じになっているんでしょうか、そのe-ラーニングの中で。

○中坪健康推進課長 ざっくり言いますと、やはり健康づくりが多く、次ががん対策、肝炎、感染症という形で、実際はこういうリーフレットを作っていて、この中でも、いわゆる食事とか運動とか飲酒とかたばことか、そういうページで2ページとっていて、さらにがん検診が1ページで肝炎ウイルスと感染症が半ページというような形なので、2対1対0.5、0.5ぐらいなイメージとなっております。

○米澤委員 ボリュームがそんな感じで。わかりました。

 ありがとうございます。

○小池会長 ほかにいかがでしょうか。

 米澤委員、どうぞ。

○米澤委員 資料2-マル2の1、肝炎ウイルスの受検勧奨及び実施体制の整備というところで。B型肝炎なんですが、今日、データを持ち合わせていなくて申しわけないんですけれども、東京都はこのB型肝炎の陽性率が他県と比較して比較的多いのではないかというふうに私たちは把握しているんですが、この部分は何か分析等されておられますでしょうか。

○中坪健康推進課長 この資料からは多いというところは、見てとれないですが、東京都の肝炎ウイルス患者の罹患率が、西日本に比べて特に多いというところもなかったと思いますし、やはり東京はどうしても全国からいろんな方が集まるというところがあるので、特別、多いというようなところはないと思っております。

○小池会長 ほかはいかがでしょう。

 やっぱり毎年少しずつ下がってくるというのが全国に共通した傾向かなと思います。

 もしよろしければ、次に行きたいと思います。

(なし)

○小池会長 次に、議事の(1)東京都の肝炎対策の取組実績等についてのうち、資料2-マル3肝炎医療の提供体制及び人材育成と、資料2-マル4肝炎患者等への支援について、事務局から説明お願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 それでは、資料2-マル3、9ページ目をお開きください。

 まず、肝炎医療の提供体制及び人材育成について、鈴木よりご説明いたします。

 すみません。ただいま、佐藤委員がご到着いたしましたのでご紹介いたします。

○佐藤委員 遅くなりました。佐藤でございます。申しわけありません。

○鈴木疾病対策課長 それでは、資料1の10ページ目をお開きください。

 まず、肝炎診療ネットワークの充実でございますが、東京都では虎の門病院さんと武蔵野赤十字病院さんに拠点病院をお引き受けいただきまして、その二つの病院にネットワークの中心的な役割を担っていただいているところでございます。

 さらに、拠点病院のほかに地域における中核的な役割を担う医療機関を幹事医療機関として、11カ所指定しております。

 また、肝臓専門医療機関につきましては、肝臓専門医または指導医が在籍することを要件に、都内375カ所、都外238カ所の計613カ所を指定しまして、肝炎患者様が効果的で質の高い医療を受けることができる体制というところを確保しているところでございます。

 すみません、説明の途中ではございますが、ただいま奥多摩町の福祉保健課長でいらっしゃいます清水委員がご到着されましたので、ご紹介いたします。

○清水委員 清水でございます。遅れてすみません。

○鈴木疾病対策課長 それでは、11ページにお移りください。肝疾患診療連携拠点病院等連絡協議会でございます。こちらは都内の肝炎治療及び拠点病院の事業について協議をするものでございます。二つの拠点病院と全ての幹事医療機関で構成されております。

 平成29年度、30年度の実施内容を掲載しております。今年度はC型肝炎、地域連携パスへの一層の連携や職域向けウイルス性肝炎研修会、また肝がん重度肝硬変治療研究促進事業について情報共有をさせていただいたところでございます。

 では、12ページをお開きください。肝炎専門医療従事者研修でございます。こちらも拠点病院で実施していただいているものでございまして、肝炎治療の水準の向上に資するため、医療従事者を対象とした研修を実施していただいているところでございます。

 30年度の実績につきましては、12月分まででございまして、武蔵野赤十字病院さんはちょっと2回となってございますけれども、3回目も1月27日のほうに既に実施していただいておるところでございます。

 テーマのほうはご参照いただければと思います。

 13ページ目が、健康管理手帳の作成・配布でございます。こちら実物も本日机上にお配りしているものでございます。それぞれ2万6,000部を作成して、各医療機関を通じて配布をしていただいているところでございます。

 続いて、14ページ目、C型肝炎地域連携パスの運用でございます。この事業は、昨年の7月より開始させていただいておりまして、ことしの計画には数値目標も掲載している事業でございます。

 事業内容というところに目を移していただきますと、かかりつけ医がC型肝炎ウイルス検査陽性者などを肝臓専門医療機関につなぎまして、肝臓専門医療機関が地域連携パス、本日配布しておりますこちらのグリーンの肝臓手帳になりますが、これがパスになります。これを発行して登録するという内容となっております。

 その患者様がインターフェロンフリー治療を終了した後も地域連携パスを活用しまして、かかりつけ医、肝臓専門医療機関の双方で継続観察を行い、例えば、パスを通じてかかりつけ医の先生が患者さんが専門医療機関で半年に1回ぐらいはCTを撮っているというようなところがわかりましたら、そろそろ受診する時期じゃないかというようなことを働きかけていただくことも可能ではないかなといったものでございます。

 この連携パスを運用することで、今まで検査で陽性とわかっていたけれども、なかなか専門医療機関につながっていなかった人や、既に治療を終わってしまって定期的な観察が中断されていた方も専門医療機関に再度着実につながるというところも期待しているところでございます。

 先ほども申し上げましたが、この事業に登録者数730名という数値目標がございまして、登録の結果のほうを少しご説明させていただければと思います。

 まず、29年度というところなんですが、こちらは昨年度の途中の7月から開始しておりまして、11月までの5カ月間をまず一度打ち切って、そちらのほうで登録者数を数えております。その5カ月間で573名の新規登録者がございました。また、そのうちかかりつけ医から肝臓専門医療機関につながった患者様が64名ということでございました。

 さらに、12月1日付で登録者の追跡調査を実施した結果、ウイルスが排除されているという患者様が422名、そのうち肝がんが発生したという患者様が15名いたというのが昨年度までの状況でございます。

 平成30年度のほうに目を移していただきまして、今年度の取組状況をご報告したいと思います。今年度は29年12月から30年11月の12カ月間の実績でございまして、新規登録者は314人、そのうちかかりつけ医から肝臓専門医療機関につながれた方が80名となっております。

 それを昨年度から足し上げますと、累計の登録者が885人というふうになっておりまして、さらに12月1日付で追跡調査を行った結果、ウイルス排除された方は750人、そのうち発がんが確認された方が47人という状況でございます。

 ネットワークの各医療機関の皆様や本協議会の皆様にもこの事業にご協力をいただきまして、本当にありがとうございました。累計登録者数が885人ということで、数値目標は上回っているというところでございます。引き続き、地域医師会の先生方向けには、地域パスの協議会のほうを開催させていただいて、ご協力を呼びかけさせていただきまして、肝臓専門医療機関、幹事医療機関の先生方には、個別通知や連絡協議会で協力をお願いしていきたいと思っております。

 また、毎年度末にこの事業の報告書もつくっておりまして、ウイルスが排除された後にも肝がんが確認されているということや、やはり継続的な観察が非常に重要であるというところをそれぞれの医療機関にも周知を重ねて図っていきたいと思っております。

 数値目標につきましては、また計画案のところでご説明させていただきたいと思っております。

 続いて、15ページ目をお開きください。ウイルス性肝炎の重症化予防の推進でございます。こちらは初回精密検査費用の助成と定期検査費用の助成の2種類がございます。

 30年度の実績でございますが、こちらは4月から12月までの実績ではございますが、それぞれ、初回精密検査は85件で、定期検査が43件という状況になっております。

 こちらの事業に関連しまして、次のページをお開きください。16ページ目でございます。こちらは国の資料から抜粋したものですが、重症化予防事業の初回精密検査費用ですが、対象範囲が自治体検査で陽性となった者、東京都でいいますと区市町村や都の保健所の検査で陽性になった者というふうになっておりまして、その後の精密検査費用について助成するという事業でございますが、職域で実施したウイルス検査で陽性と判定された後の精密検査費用についても拡大するという方針が示されております。

 続いて、17ページ目、肝炎医療費助成の実施でございます。一番右のインターフェロンフリー治療のほうをごらんください。インターフェロンフリー治療が出てきた26年度の後半から27年、28年と非常に患者様が多くなった状況ではございますが、近年少し落ちついてまいりまして、30年度12月までの実績で、インターフェロンフリーですけれども、1,846人という状況でございます。こちらは実績のご報告とさせていただきます。

 続いて、18ページ目でございます。治療効果の研究というところでございますが、こちらは厚生労働省が助成している研究に、東京都も拠点病院等の先生方のご協力をいただいて、結果的にご協力をしているというものでございます。

 一番下の参考のところは21年~27年度のインターフェロンの治療に関しての実績ではございますが、全国で3万弱の事例を収集して、うち東京都は2,025例を占めているというところでございます。

 続きまして、19ページ目をご覧ください。こちらが今年度から開始しました、肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業でございます。こちらにつきましては、B・C型肝炎ウイルスに起因する肝がん・重度肝硬変患者様の医療費の負担の軽減を図りつつ、臨床データを収集して、肝がん・重度肝硬変の治療研究を促進するというものでございます。

 実施主体が都道府県ということでございまして、また、医療費助成の対象となるには、B・C型肝炎ウイルスに起因する肝がん・重度肝硬変であることや所得が年収370万円未満であること、また、対象はあくまでも入院医療で、かつ過去1年間の間で高額療養費という、これは各種、医療保険で年収に応じて限度額というものが決まっているのですが、その高額療養費の限度額を超えた月が4月目になった場合に助成が受けられるという、さまざまな条件がございます。

 対象となった場合ですけれども、その4カ月目以降から、高額療養費の月額負担が1万円まで下がるというもので、財政負担は国と都道府県で2分の1ずつということになっております。

 東京都における事業の特徴というところでございますが、国では全員一律1万円までは自己負担があるということですけれども、東京都では、住民税非課税世帯に対しましては自己負担がないというようにさせていただいております。

 また、こちらは指定医療機関制でございまして、現在都内の指定医療機関が最新の状況で64カ所というふうになっております。

 続いて、20ページ目、職場での肝炎対策の理解推進というところでございます。これまでも東京都では昼間人口、また事業者数が多いというところから、職域に特化してコーディネーターを養成してまいりました。昨年度もご説明させていただいたのですが、今年度からコーディネーター養成コースについて組みかえを行っております。

 まず、コーディネーター養成コース1といたしましては、医療系の資格を持たない方を中心としたコースでして、4時間だったものを8時間の講義として、昨年の協議会でもご意見をいただきましたように、ウイルス性肝炎について治療が進歩しているというところをきちんとご理解いただけるように、そして個人情報保護についてもカリキュラムに組み込んだ研修会となっております。

 一方、産業医、保健師などの医療資格を持つ方のほうですけれども、こちらはコーディネーター養成コースの2として組ませていただいておりまして、昨年までは基礎コースで少し簡単な内容が多かったというようなお声もありましたので、医療系資格を持っている方について特化したような形で、別途8時間カリキュラムを組ませて、研修を行いました。

 どちらのコースを修了した場合も、東京都肝疾患職域コーディネーターとして認定させていただいておりまして、その結果、今年度は110名の養成をいたしました。

 「肝炎医療の提供体制及び人材育成」の説明は以上になります。

 続いて、21ページ、肝炎患者等の支援についてでございます。

 1枚おめくりいただきまして、22ページをごらんください。肝疾患相談センターの運営でございますが、こちら虎の門病院さんと武蔵野赤十字病院さんにお願いしております。

 こちらの30年度の実績は12月までの9カ月分のまとめとなっておりまして、現在のところは1,268件のご相談をいただいているところでございます。

 相談者別の実績というところですと、次のページ、直近のもの、30年度分の詳細がございます。

 中を見てまいりますと、やはり患者ご本人からご相談をいただくというようなケースが一番多くなっております。そのほか、拠点病院さんのほうでは24ページの患者向け講演会や25ページの患者サロン等についても開催させていただいておりまして、いずれも今年、30年12月までの実績ではございますが、詳しい内容も掲載してございますので、ぜひご参照いただければと思います。

 資料2-3と4については、説明は以上でございます。

○小池会長 どうもありがとうございました。

 資料2-マル3、2-マル4について説明がございました。委員の皆様、ご質問あるいはご意見がありましたら、お願いいたします。

 どうぞ。

○小林委員 南多摩保健所の小林と申します。

 1点質問させていただきたいのが、10ページにあります、肝炎診療ネットワークの充実ということで、拠点病院、幹事医療機関、専門医療機関というご説明をいただきました。この中でも肝臓専門、一番下にあります専門医療機関と申しますのは、肝炎診療ネットワークの中では実際の診療を担う、いわば最前線というような重要な役割だというふうに思っております。

 ここにありますように、肝臓専門医、肝臓学会が認定しました肝臓専門医や指導医が在籍しているということを要件にされておりますが、ここに関しましては定期的にこの要件を満たしているかというようなことを確認、把握というようなことはしておられるのでしょうか。お聞かせください。

○小池会長 事務局お願いします。

○鈴木疾病対策課長 事務局より回答させていただきます。

 東京都では、学会が認定する肝臓専門医、指導医が在籍していれば肝臓専門医療機関として指定をさせていただいておりまして、2年に1度、定期調査をして、要件の確認を行わせていただいております。

 全国の状況などを見ますと、県主催の研修会を受講すれば指定している県ですとか、専門医がいるだけではなくて、例えば県が実施する調査や会議への参加等を要件にしているなども、独自に基準をつくっている県もあるというふうにも聞いております。肝臓専門医療機関はネットワークの中で、非常に重要な役割を担っていると思っておりますので、ぜひ、地域のかかりつけ医の先生方とも連携していただいて、効果的で質の高い医療を提供していっていただきたいと思っております。

○小池会長 2年に1回、毎年やってほしいですよね。専門医が増えていくのですよね。これは、専門医または指導医ですよね。

○鈴木疾病対策課長 はい。

○小池会長 指導医の数、実は可能な限り今増やしているといいますか、指導医というのがもともと病院についていた資格だったのを改めて個人の資格にしたものですから、以前、指導医だったけれども、病院移ったら指導医じゃなくなった先生がやっぱり結構いらっしゃるんですね、今まで。そういう人たちはみんなまた指導医になってもらうということで見直しをしているのですけれども。あと専門医は特に、要件を緩めるといろいろ文句言われるので、厳しくやっていますが。

 年々増えていますので、2年1回か、やっぱり毎年調査していただいてもいい。更新していただいても、更新というのですかね、調査していただいてもいいのかなという気はしていますけれども。

 それから、ほかに質問いかがでしょう。

 米澤委員。

○米澤委員 15ページ、重症化予防事業ですが、冒頭で陽性者数がBとC、Bは632名、Cは362名、これは平成29年度の数字で、合わせて大体1,000人くらいになると思うのですが、フォローアップ事業に進んだ数が、これは29年度で見るのか30年度で見るのかちょっとわからないのですが、94、85と非常に少ない。1,000人に対して恐らくこの数だというふうに受け取れると思うのですけれども。

 これがなかなか増えていかない要因は、都としてはどのようにお考えかなと伺いたいです。

○小池会長 どうぞ、事務局お願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 ご質問ありがとうございます。

 年度末には駆け込みの申請等もあって、もう少し件数は伸びてくるのかなとは思うのですが、確かに、いろいろ周知はさせてはいただいているのですけれども、まだやはり制度をご存じでない方というのもいらっしゃるのではないかなというところは、こちらとしても考えてはいるところでございます。

 制度の周知につきましては、患者会の皆様ですとか、弁護団や原告団の方でもわかりやすいリーフレットをつくっていただいておりまして、私どもにも中身のご相談なども密にいただいているところでございます。

 厚生労働省のほうからも、そういった配布物についても積極的に病院とか自治体のほうに配布するところを通知も出されているところでございまして、私どもも引き続き、肝臓専門医療機関向けにも、こういうリーフレットがありますよ、活用してくださいというような形ではぜひ、周知のほうを引き続き一緒にさせていただいているというところでございまして、また徐々に数が増えているというところは期待したいと思っているところでございます。

○小池会長 どうぞ。

○米澤委員 他県の例なのですがご紹介します。最初の検査のときにフォローアップに同意する、同意書をもう提示してしまうということをやっています。要はフォローアップに同意しないと検査できないというようなやり方をとっている県が実は幾つかあって、そういうところは非常にフォローアップ数が多い。陽性者の数、イコール、フォローアップの数という形に進んでいるということも聞いております。もしできましたら、そういった方法もお考えいただきたいかなというふうに思います。

○小池会長 事務局、よろしいですか。

○鈴木疾病対策課長 貴重なご意見、ありがとうございます。参考にさせていただきます。

○小池会長 ほかにはいかがですか。

 どうぞ。

○清水委員 8ページ、ちょっと私聞いていなかったのですけれども、肝炎ウイルスの受検勧奨及び実施体制の整備というところで、これ25年からの検査実績がほとんど延びていないというように見受けられるんですけれども、実際の潜在的な患者さんというかそれは。これは受けたからだんだん少なくなってきているという意味合いで減ってきていると。若干の、減ってきていますよね。パーセント、陽性率なんかも減ってきているということは、ということになるのでしょうか。

○中坪健康推進課長 推測ベースなのですけれども、一生のうちに40歳以上になったら1回受けましょうというところがありますので、どんどんそういう方が受ければ、検査する方が減ってもいいのかなというふうには思っているのですけれども、やはり、この肝炎ウイルス検査の全体像を把握する中での課題というのは、前々から言われているんですけれども、やはり区市町村、自治体で受ける以外のところ、職域で検査できるところというのは把握するすべがないので、そこの実態がわからない中で、これが多いからいい、少ないからいいという議論はなかなかできないというところは言われております。

 なので、ご指摘は減ってきているから、危機意識を持っているかとか、いろいろ考え方があるというところで、我々もこれをよしと思っているわけでもないですが、現状としてはこういう状況であるというところです。

 やはり普及啓発などを東京都もいろいろやっている中で、5年に1回くらい公共放送で肝炎ウイルス検査は区市町村や、保健所で無料で受けられますと取り上げていただき、、実は平成30年夏ごろに、「ガッテン」という番組で、また肝炎ウイルス検査について取り上げていただいたので、30年度は上がるのではないかと期待はしている中で、やはり公共放送はすごく効果があり、25年度の受診者数はすごく高いんですけれども、このあたりは、ちょうど公共放送をした年で、この24年度の受診者数は低いんですね。

 なので、多い少ないは我々もいろいろ見ている中で、決してこれに満足しているわけではないというところでございます。

○清水委員 私ども現場でやっているものとしては、やはり非常に認知度がまだまだ少ないというのが本音といいますか、実態だと思っています。

 私ども広報ですとかいろんな媒体で無料で受けられるということは言ってはいるんですけれども、まだまだその危機感といいますか、そういう意味で受けなきゃいけないという、実際にそこまではなかなかいっていないのかなというところで。どうしたらいいのかなというのは、前々から肝炎ウイルスの検査といいますか、これの必要性がどうしてそこまでなかなか受け入れられないのかというのがわからないのですけれども。

 今、課長がおっしゃったように、マスメディアで取り上げられれば非常にふえるんだけれども、それが収束してしまうとまた減ってしまうというのが、なかなかそれが結びついていかないというのか、継続していかないというのが、私どもも非常に懸念をしているといいますか、どうしたらいいか、ちょっとまだわからないというところが非常にあるところでございます。これは、今、現場の意見ということでお願いいたします。

 以上です。

○小池会長 貴重なご意見をいただけたと思います。

 ほかはいかがでしょうか。

 どうぞ、米澤委員。

○米澤委員 16ページ、重症化予防事業に関してなんですけれども。厚労省から出ている資料が掲載されています。下のほうに職域健診からの初回精密検査請求手続きについて(案)ということで、厚労省からの提示があるのですが、真ん中辺に[請求の手続きにおける留意点]ということで、助成の条件となるフォローアップ事業参加同意については、マル1費用の請求時に合わせて同意書を提出する、マル2検診機関が職域健診での陽性者に事業案内を行って、陽性者がフォローアップ参加申込みを行う、マル3検診機関が職域健診での陽性者を都道府県等に情報提供し、都道府県等からフォローアップ同意取得を行う、の方法から任意に採用したものにより実施することを検討とあるのですけれども、東京都はこの三つの中のうちに、どの方法をとるということになっているのでしょうか。

○中坪健康推進課長 今、こういうふうに記載があるのですけれども、国からそこについて具体的に、また指示のようなものがあるということなので、今、東京都としては、検討中ということで、これのどれにするかというのは、まだ決めていないという状況です。

○小池会長 ほかはいかがでしょう。

 どうぞ、鳥居委員。

○鳥居委員 東京都医師会の鳥居ですけれども。

 先ほど肝炎ウイルスの受診の勧奨の件がちょっとあったのですけれども、どうしても一般の方々は肝機能が正常であれば、自分は肝臓の病気ではないということを感じることが多いみたいであります。

 今、NASH等との脂肪肝性の肝障害も出ていますけれども、特定健診の受診率というのは非常に高いのですね。ただ、肝炎だけとなるとまた別になってしまうので。例えば世田谷区なんかでは、同時にできるようにしておく。そうすることによって多少、特定健診のときに一緒に肝炎検診もやるというようにすると、一生に1回ですけれども、率は少し上がるのではないかと考えております。

 ただ、部署がちょっといろいろ、縦割りだと違うところもあると思うんですけど、同時にやるというのは一つの方法じゃないかと思っております。

○小池会長 その辺も事務局でご検討していただけるんですか、そもそも難しいんですか、その特定健診と一緒に行うというのは。

○中坪健康推進課長 比較的多くの自治体が特定健診と同時実施をしているかと思います。

○小池会長 わかりました。

 どうぞ。

○清水委員 今の件なんですけど、40歳以上で一生に1回ということなんですけれども、特定健診を毎年受けている中で、この検査を受けたかどうかというのをちょっと失念してしまって、もう一度受けるという方は中にはいらっしゃると思います。ただ、必要ないよという方も当然いらっしゃるということなので。

 その辺のところどうしたら、自分はもう受けたからいいよというのがわかればいいんですけど、その辺のところが記録として残っている。ちょっと私はその辺は定かではないのですけれども。そうすれば、ある程度、対象者は、その市町村の中で減っていくと思うんですね。多少、40歳になる方がふえるのと、受けることで減るというのは。

 ですから、世田谷さんのように大きな自治体であるとなかなか難しいかもしれない、私ども小さい自治体だとその辺は可能かと思います。

 以上です。

○小池会長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでございましょう。

 どうぞ。

○米澤委員 19ページの肝がん・重度肝硬変治療研究の促進に関してですが、この制度は非常に複雑で難しいということがあって、なかなか患者に対しても周知が行き渡っていないなというふうに感じています。国はその指定医療機関に患者に説明できる担当者を置くということを推進しているのですが、現在60くらいある都の指定医療機関の状況を教えていただきたいのですが。

○鈴木疾病対策課長 ありがとうございます。

 東京都では、19ページにありますように、都内、今、指定医療機関64カ所ございます。確かに国のほうが都道府県のほうに2月にそのように、医療機関に事業の周知や説明を行う担当者を設置するというようなご案内をいただいたのが2月でして、ちょっと直近のご案内ということもありまして、東京都ではまだ着手できていない状況ではございますが、今後は実施したいと思っております。

○小池会長 ほかはよろしゅうございますか。

(なし)

○小池会長 それでは、次に議事の(2)平成31年度肝炎対策実施計画(案)についてに移りたいと思います。

 31年度からの新たな取り組みが資料4にございますので、資料3と4をあわせて事務局から説明をお願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 それでは28ページ、肝炎対策実施計画の平成31年度の(案)のほうをご説明申し上げます。右側が平成31年度の案となっております。

 今年度は先ほどご説明した中身を引き続き計画案に反映させていただくというところで、大幅な変更ではございませんが、変更点を中心にご説明をさしあげたいと思います。

 単純な文言修正や通知の時点更新等は今回の説明からは割愛させていただきます。

 まず、30ページまでお進みください。4番の肝炎医療の提供体制及び人材育成の(1)肝炎診療ネットワークの充実、マル1地域連携パスの運用の数値目標のところでございます。今年は730とさせていただいたところなんですが、来年度の計画では970に増やしたいと思っております。

 資料が前後して大変申しわけないのですが、先ほどの地域連携パスの資料の14ページまで一度お戻りいただけますでしょうか。先ほども詳しく説明させていただいた実績をベースにしております。考え方でございますが、今年度の集計分は12カ月間で314人の新規の登録があって、このうち新たにかかりつけ医から専門医療機関へ紹介された数というのが80でございます。

 事業はまだ開始したばかりでございますので、今まで治療を受けて状況は落ちついていらっしゃるという方も、かなり多く登録していただいていると思います。そのため、今後登録していただく方というのは、恐らく新たにかかりつけ医から肝臓専門医療機関につないだ陽性者の方となってくるかと思いますが、来年度はまだ新しい事業ではございますので、今年度と同様に80人は登録ができるというところを目指しまして、現在の登録数の885に80を足して、少し切り上げさせていただいて、970という数字にさせていただきたいと考えているところでございます。

 また、計画案のほうに戻っていただきまして、30ページ目にお戻りください。こちらの下のほうに、(2)ウイルス性肝炎重症化予防の推進というところがございます。こちらも先ほどご説明しましたとおり、米澤委員からのご質問あった部分でございますが、国の方針に伴いまして、職域での検査の受検者も対象とするというところを記載させていただいております。

 続いて31ページ目になります。少し下のほうにまいりまして、(7)の肝硬変治療薬開発の推進というところでございます。こちらは東京都医学総合研究所が実施する研究について、本計画に記載をさせていただきたいと考えておりまして、本日はその研究の内容を乙竹課長代理よりご説明をさせていただきます。

 それでは、課長代理よろしくお願いいたします。

○乙竹課長代理 それでは、すみません。乙竹と申します。よろしくお願いいたします。

 肝硬変の治療薬開発の推進ということでご説明させていただきます。資料4の33ページのほうからになります。

 1枚おめくりいただきまして、次のページの34ページをご覧ください。まず、事業の概要になりますけれども、B型・C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する治療薬候補である低分子化合物PRI-724をヒト肝細胞モデルマウス等に投与し、肝機能回復のメカニズムを解明することにより、早期の実用化を図るものでございまして、東京都医学総合研究所にて実施いたします。

 下のポンチ絵のほうをご覧ください。肝炎ウイルスに感染し、肝炎となり、肝炎が進行することにより、肝臓の線維化が進み肝硬変になりますと、肝機能の著しい低下を招きますが、現在、肝硬変の原因である線維化に対する効果的な治療薬はないことから、その開発が喫緊の課題となっております。

 現在開発中の低分子化合物PRI-724は、もともとはアメリカにおいてがんの治療薬として開発が進められていましたが、東京都医学総合研究所において独自に開発した肝硬変モデルマウスを用いて、PRI-724が肝硬変の原因である線維を分解し、肝機能を改善することが明らかとなっております。

 これをもとに平成26年より、都立駒込病院においてC型肝硬変の患者さんに対する医師主導治験Phase1を行っておりまして、効果が確認されております。現在、都立駒込病院など複数の医療機関において医師主導治験を進めており、B型肝硬変の患者さんにはPhase1を、C型肝硬変の患者さんにはPhase2を行っております。

 PRI-724の特徴についてなんですけれども、主に三つありまして、一つ目は肝線維がつくられるのを阻害する効果、二つ目はつくられた肝線維を短期間で消失させる効果、三つ目は肝細胞の機能を短期間で再生させるという効果があり、肝硬変の治療だけではなくて、肝がんへの移行を防ぐことも期待されております。

 さて、今回の事業の説明のほうに移らせていただきますが、右下のほうにある研究概要の部分をご覧ください。これまでの研究で、東京都医学総合研究所が独自に開発した肝硬変モデルマウスを用いて、PRI-724が肝硬変の原因である肝線維を分解することは明らかになっております。

 しかしながら、薬剤開発において重要なポイントでもある、どのような機能を有する細胞群が働いて肝臓組織の正常化を図るのか、そのメカニズムが明らかになっていないことが課題となっているため、今回は一つ一つの細胞の働きを解析する、1細胞遺伝子発現解析などの最新の技術を用いて、肝機能が回復するメカニズムを解明することを目指しております。これにより医師主導治験の推進や企業治験への橋渡しにつなげまして、肝硬変の治療薬の早期の実用化を図ってまいります。

 私からの説明は以上になります。

○鈴木疾病対策課長 ありがとうございました。

 それでは、計画案についての説明は以上となります。よろしくお願いいたします。

○小池会長 資料3、4の説明がございました。事業の実施に当たり、ご意見あるいはご質問はいかがでしょうか。

 今の31ページの(7)の肝硬変治療薬開発の推進をここに載せるのは、これは東京都からこの研究に対して研究費が出ているので載せているという理解でよろしいですか。

○鈴木疾病対策課長 はい。

○小池会長 これがうまくいくかどうかは別としてね。

 すみません。私こういうのが専門なものですから、必ずしも、会長としての発言ではないので。興味深く見守っておりますが。

 これに載っているという理由は、東京都から研究費が出ていると、そういう理由だと理解しております。

 いかがでしょうか。

 どうぞ。

○清水委員 ありがとうございます。

 ただいまの説明なんですけど、これは民間企業等との連携等はしていないということなんですか。

○乙竹課長代理 すみません、もともとのこの物質のPRI-724というのは、民間企業が創製したものになっております。

 創薬ベンチャー企業である、株式会社PRISM BioLabというところが開発したものになっておりまして、そこと東京都医学総合研究所、また駒込病院と共同研究を行ってきたという過去の経緯がございます。

 そこで、東京都医学総合研究所において独自に開発したモデルマウスを用いて効果が確認できましたので、駒込病院にて臨床の治験を行ってきたということになっております。

○清水委員 そうすると、一般の患者さんに対してのこれからは、将来的な話なんですけれども、それに向かって、もしかすると新薬ができる可能性があるという意味ですね。

○乙竹課長代理 そうですね。新薬ができるように進めていくというところで、東京都としても、そこの肝炎対策の一環として進めていきたいということで今回予算のほうを配分させていただいております。

○小池会長 つまり、そのPhaseの結果次第だと、当然そういうことになりますよね。

 いかがでしょうか、ほかには。よろしゅうございますか。

 鳥居委員、どうぞ。

○鳥居委員 東京都医師会の鳥居ですけれども。

 今の(7)番の肝硬変治療薬開発の推進というのは、非常に患者さんたちには希望を与えるものだと思うのですけれども、ベンチャー企業である1社が東京都の肝炎対策に入っているということで違和感を感じております。それ以外にも多くのいろいろ研究があると思うのですね。細胞培養を利用しての人工肝の研究などもあると思います。

 これだけを東京都の肝炎対策の計画に入れるというのは、ちょっと違和感があるように感じるんですけれども、補助が出ていて、都がやっている公のものだということであれば、これはいたし方ないのですが。そうするとほかのいろいろな企業等々も、あれ、と思う気持ちがちょっと出るのではないかと危惧するのですが、その辺はいかがでしょうか。

○乙竹課長代理 今回、東京都医学総合研究所において開発していた、モデルマウスというところがもともとの発端になっておりまして、今回の基礎研究もその部分をデータをとるという、補強する部分でのものになりますので、東京都として事業を推進していくというような部分で書かせていただいているところでございます。

○鳥居委員 これが今後、臨床治験等になった場合には、患者を集める等々にも、これはつながることになるんでしょうか。

○乙竹課長代理 そうですね。今現在、駒込病院ですとか、あとほかの病院ですね、2カ所の病院で臨床試験のほうを実施しておりまして、Phase1、2というところなのですけれども。その後は、医師主導治験の後は、次に民間企業による治験というのが予定をされているところでございます。

○鳥居委員 そこに入ったときにも、こういうような計画の中に乗ってくる形になるのですか。

○乙竹課長代理 こちらについては、あくまでも基礎研究のところになりますので、計画としましては、今、3年間の研究の計画としております。ですので、その研究が終わりましたら、都のほうの予算というところがないということになれば、ここの計画のほうには入ってこないようになるのかなというふうに考えております。

○小池会長 よろしいでしょうか。

(なし)

○小池会長 あと特にございませんでしたら、今日用意した議題については以上なんですが、いろいろ貴重なご意見をいただきましたが、今いただいたことに留意して事業を進めていただくということで、事業計画は事務局のほうで事務的に手続を進めるということにしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

(異議なし)

○小池会長 ありがとうございます。

 最後に、全体を通して何かご意見等ございましたら、委員の皆様お願いしたいと思いますけれども。よろしいですか。

(なし)

○小池会長 それでは、時間もまいりましたので、本日の議事はここまでといたします。

 肝炎対策事業について、引き続き着実に事業を実施していきたいと思います。

 それでは、事務局より今後の予定等、連絡事項をお願いいたします。

○鈴木疾病対策課長 本日は貴重なご意見をいただきまして、本当にありがとうございました。

 今後の予定でございますが、平成31年度肝炎対策実施計画について正式に決定しましたものを委員の皆様にご連絡いたします。また、後日、東京都のホームページにも公表することにしております。

 委員の皆様には今後ともお力添えをいただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日はありがとうございました。

 以上をもちまして閉会とさせていただきます。

(午後 8時12分 閉会)

※ 本ページにおいて、「マル1」、「マル2」・・・とあるのは、正しくは丸囲い数字の1、2・・・です。

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このページの担当は 保健政策部 疾病対策課 疾病対策推進担当(03-5320-4476) です。

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