魚に寄生するアニサキスは、どのような食中毒を起こすのですか?【食品安全FAQ】
回答
サバ、サンマ、サケ・マス、イカ等、魚介類の内臓や筋肉には、アニサキスという寄生虫がいる場合があります。アニサキスが寄生した魚介類を、生や生に近い状態で食べると、ヒトの胃や腸壁に侵入し胃腸炎を起こす原因となります。
予防のためには、生で食べないことが一番です。もし生で食べる場合は、内臓や筋肉に移行しているアニサキスを取り除く必要がありますが、発見しづらいため、注意が必要です。アニサキスが死滅する温度(マイナス20度24時間以上)で、中まで完全に冷凍することも効果的です。
詳細
アニサキスの特徴
魚に寄生しているアニサキスは、長さ2から3センチメートルほどの半透明白色です。渦巻き状になっていることが多く、半透明粘膜の袋(シスト)に入っているものもあります。アニサキスは、クジラ等の海洋哺乳類の体内で成虫になる寄生虫で、サバ等の魚介類に寄生しているのは、アニサキスの幼虫です。魚介類では主に内臓にいますが、筋肉部に移行している場合もあります。
アニサキス食中毒は増えている?
鮮魚・活魚の広域流通システムの発達に伴い、様々な魚種が生食されるようになり、アニサキス食中毒事例は増加傾向にあります。
どんな症状?
アニサキスが寄生した魚介類を、生や生に近い状態で食べてから概ね8時間以内に、激しい腹痛が生じます。吐き気、おう吐などを伴うこともあります。アニサキス食中毒を疑った場合は、医師や保健所へ相談しましょう。
どんな魚にいるの?
近年、都内で発生したアニサキス食中毒は、サバ、サケ・マス類、サンマ、カツオ、イナダ等が原因食品(推定含む)となっていますが、生で食べる場合は幅広い魚種に注意が必要です。
予防方法は?
「加熱」「冷凍」「取り除く」のいずれかです。
加 熱:60度 1分 以上(中心部まで加熱する)
冷 凍:マイナス20度 24時間 以上(中心部まで完全に凍結する)
取り除く:アニサキスは内臓に多く寄生していますが、筋肉内にも移行していることがあり、発見しづらいため、完全に取り除くのは困難です。そのため、十分に注意が必要です。
「加熱」「冷凍」「取り除く」が不完全だったため、食中毒になった事例があります。通常用いる程度の酢、醤油、ワサビでは、アニサキスは死にませんので、注意が必要です。
参考ホームページ
お問い合わせ
このページの担当は 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 食品医薬品情報担当 です。