“生レバー”や“鶏さし”は、食べると食中毒になると聞きましたが、本当ですか?【食品安全FAQ】
- 新鮮なものをきちんと冷蔵すれば、生でも食べられますか?
- 牛、豚、鶏以外の肉は、生で食べても大丈夫ですか?
- お店で出される生肉料理なら安全ですか?
- 肉を安全に食べるためにはどうしたらよいですか?
回答
- 牛や豚、鶏などの肉や内臓肉(レバー、ハツなど)には、食中毒の原因となる菌やウイルス、寄生虫がついている場合があります。鮮度が良くても食中毒になることがあるため、中までしっかり加熱してから食べてください。
- 牛レバーについては、表面だけでなく、内部からも腸管出血性大腸菌O157が検出されることがあるため、生食用として販売・提供することが法律で禁止されています。 豚肉や豚レバー、その他の豚の内臓についても、生で食べるとE型肝炎ウイルスやサルモネラなどの食中毒菌、寄生虫による重い食中毒が発生する危険あるため、生食用として販売・提供することが法律で禁止されています。
- 豚肉や豚レバーなどの豚内臓は必ず十分加熱調理してから食べましょう。 牛肉を生で食べる場合は、生食用として加工されたものだけを食べてください。
- ただし、子供やお年寄り、食中毒に対する抵抗力の弱い方は、生食用の肉であっても、生では食べないようにしてください。生食用として加工しても、食中毒菌を完全になくすことはできません。食中毒のリスクは「0(ゼロ)」ではないからです。
- 鶏肉は、高い確率でカンピロバクターに汚染されています。カンピロバクターは鶏肉の中では増殖せず、少しの菌でも食中毒を起こすので、鮮度が良くても関係ありません。鶏肉も十分に加熱して食べましょう。
詳細
生肉や加熱不十分の肉には、食中毒の原因となる菌がついている可能性があります。牛や豚、鶏などの家畜は、健康な状態でも、腸内にカンピロバクターや腸管出血性大腸菌O157、サルモネラなどの食中毒菌をもっています。
- これらの菌は、少ない菌数で食中毒を起こすため、菌がついてしまっている肉では、新鮮であっても、生や、鶏わさ・たたきのような加熱不十分な状態で食べると食中毒になる可能性があります。冷蔵して菌を増やさないようにしても、少ない菌数で食中毒になるので、危険性は変わりません。
- 馬肉及び馬レバーを生で食べる場合も、必ず生食用として加工されたものを食べてください。生食用の馬肉及び馬レバーには、「生食用」であることと「と畜場名」、「食肉処理場名」の表示があります。 シカやイノシシなど野生動物の肉等にも食中毒菌や寄生虫、E型肝炎ウイルスなどがいることもありますので、よく焼いて食べてください。E型肝炎ウイルス感染については、以下のホームページをご覧ください。厚生労働省「E型肝炎ウイルスの感染事例・E型肝炎Q&A」
- 近年、飲食店で生・半生・加熱不足の鶏肉料理によるカンピロバクター食中毒が多発しています。店で出されているものだから安全というのは間違いです。生食用として加工された牛肉と馬肉以外に、生で食べられる肉はありません。飲食店ではよく加熱された肉料理を選んで、安全で楽しい食事にしましょう。
- 肉を食べる場合には、よく火を通すようにし、肉の中心部を 75 ℃で1分間以上(肉の中心部の色が変わるぐらいまで)加熱すれば、食中毒菌は死滅します。生肉用の調理器具と、サラダなど加熱しないで食べるもの用の調理器具ははっきり使い分けましょう。生肉に触れた調理器具は洗剤でよく洗い、熱湯や消毒用アルコールなどでしっかり消毒します。生肉に触れた手指も、石けんを使ってしっかり洗いましょう。
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参考ホームページ
政府広報オンライン「ご注意ください!お肉の生食・加熱不足による食中毒」
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このページの担当は 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 食品医薬品情報担当 です。