東京都通知により措置が定められた魚介類(厚生労働省通知により措置が定められた魚介類を除く)
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ナガヅカ(タウエガジ科)
毒成分 | 卵巣のリン脂質(ディノグネリン) |
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特徴 | ・体は細長く、側線ははっきりしている。 ・口裂は大きく、後端は眼の後縁をはるかに越える。 |
大きさ | 体長60センチメートル程度 |
分布 | 北日本からオホーツク海ほか |
措置 | 卵巣を除去して販売するよう指導 |
その他 | 魚肉練り製品の材料として、頭部、卵巣等の内臓を除去したものが入荷することがある。 |
ヒメエゾボラ、チヂミエゾボラガイ等(通称「ツブ」)(エゾバイ科)
毒成分 | 唾液腺に含まれるテトラミン |
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特徴 | ヒメエゾボラは小型で殻表は暗褐色で濃淡があり、なめらかである。 |
大きさ | 中・小型の巻貝で、比較的大きな種類であるチヂミエゾボラは体長15センチメートル程度 |
分布 | 本州北部から北海道以北にかけて分布するものがほとんど。ヒメエゾボラモドキは本州中部太平洋岸に分布する。 |
措置 | 唾液腺を完全に除去してから喫食するよう指導 |
その他 | ・殻付で市場に入荷してる通称「ツブ」と呼ばれているものには、ヒメエゾボラ、エゾボラ、エゾボラモドキ、ヒメエゾボラモドキ、チヂミエゾボラ等がある。 ・ヒメエゾボラは青ツブ、エゾボラモドキは赤バイとして入荷事例がある。 ・底引き網で漁獲されるため、市場での販売時に数種類のツブが混在していることがある。 |
バラハタ(ハタ科)
毒成分 | シガテラ毒 |
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特徴 | ・尾びれは三日月状で後縁は黄色。 ・体色は通常橙赤色だが、黒っぽい個体もある。 ・体側に縁取りされた小桃斑が散在する。 |
大きさ | 体長60センチメートル程度 |
分布 | 南日本、インド-太平洋ほか |
措置 | 販売自粛するよう指導 |
その他 | 他のハタ類への混入、または単独で入荷する。中毒事故例も多い。 |
オジロバラハタ(ハタ科)
毒成分 | シガテラ毒 |
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特徴 | ・尾びれは、三日月状で後縁は白色。 ・バラハタに似ているが、バラハタの幼魚は体に黒色縦帯があるが本種にはない。 |
大きさ | 体長30センチメートル程度 |
分布 | 南日本、インド-太平洋ほか |
措置 | 販売自粛をするよう指導 |
その他 | バラハタ同様、他のハタ類への混入により、または単独で入荷する。 |
マダラハタ(ハタ科)
毒成分 | シガテラ毒 |
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特徴 | ・体色は褐色 ・尾びれの付け根背部(背びれの少し後ろ)に黒斑がある。 ・背面を中心にまだら模様があり、体側全体に細かい斑点が密に(網の目状)に存在する。 ・胸びれ全体に斑点がある。 |
大きさ | 体長60センチメートル程度 |
分布 | 八丈島・小笠原諸島から琉球列島、インド-太平洋ほか |
措置 | 販売自粛するよう指導 |
その他 | ・鮮魚のみならず、活魚として入荷することもある。 ・国内外からの入荷例がある。 |
アカマダラハタ(ハタ科)
毒成分 | シガテラ毒 |
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特徴 | ・体側全体に細かい斑点が密に(網目状)に存在する。 ・尾びれの付け根上部に黒斑がある。 ・胸びれ全体に斑点がある。 ・額(目の後ろ)がへこんでいる。 |
大きさ | 体長80センチメートル程度 |
分布 | 沖縄諸島、インド-太平洋ほか |
措置 | 販売自粛するよう指導 |
その他 | 国内外からの入荷例がある。 |
バラフエダイ(フエダイ科)
毒成分 | シガテラ毒 |
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特徴 | ・各ひれは、暗色を呈する。 ・両眼の前部に溝が走り、その中に鼻腔がある ・大型魚では、犬歯が特に発達する。 ・尾びれはVカット |
大きさ | 体長1メートル程度 |
分布 | 南日本、インド-太平洋ほか |
措置 | 販売自粛するよう指導 |
その他 | 産卵期には比較的大きな群れをつくって回遊するため、大型魚が「タイ」として10数本まとまって入荷した事例がある。 |
イッテンフエダイ(フエダイ科)
毒成分 | シガテラ毒 |
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特徴 | ・体側(側線上)に小さい黒斑がある。 ・口腔内上面の葉帯(上顎歯の更に奥)は三日月状に並んでいる。 ・若魚ではひれが黄色く、成長すると体色は赤みを増す。 |
大きさ | 体長60センチメートル程度 |
分布 | 八丈島・小笠原諸島~琉球列島、インド-太平洋ほか |
措置 | 販売自粛するよう指導 |
その他 | 類似魚であるクロホシフエダイは黒斑が大きく、口腔内の葉帯がT字型である。 |
ヒメフエダイ(フエダイ科)
毒成分 | シガテラ毒 |
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特徴 | ・全身は赤色だが、尾びれは、上側の縁が丸く、後縁が白く縁どられる。 ・前部のえら蓋に欠刻があり、その下部はのこぎり状である。 |
大きさ | 体長50センチメートル程度 |
分布 | 本州以南、インド-太平洋ほか |
措置 | 販売自粛するよう指導 |
その他 | 入荷例がある。 |
イトヒキフエダイ(フエダイ科)
毒成分 | シガテラ毒 |
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特徴 | ・頭は丸みを帯びる。 ・幼魚の体色は鮮紅色で8から9条の青色の縦線があるが、成長と共に縦線は消失する。 |
大きさ | 幼魚は体長25センチメートル程度 成魚は体長1メートル程度 |
分布 | 和歌山県~沖縄、西部太平洋ほか |
措置 | 販売自粛するよう指導 |
キツネフエフキ(フエフキダイ科)
毒成分 | シガテラ毒 |
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特徴 | ・体色は青緑色 ・口腔内は鮮紅色 ・吻部が長い。 ・頬及び胸びれ付け根の裏側には鱗がない。 |
大きさ | 体長80センチメートル程度 |
分布 | 鹿児島以南中西部太平洋、インド洋ほか |
措置 | 販売自粛するよう指導 |
その他 | 他のフエフキダイ類に混入している場合もある。 |
ドクウツボ(ウツボ科)
毒成分 | シガテラ毒 |
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特徴 | ・体側に不規則な黒斑が3列程度あるが、成長に伴い不明瞭になる。 ・えら穴が黒い。 |
大きさ | 全長1.8メートル程度 |
分布 | 沖縄県以南、インド-太平洋ほか |
措置 | 販売自粛するよう指導 |
ソウシハギ(カワハギ科)
毒成分 | 肝臓等の内臓に含まれるパリトキシン |
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特徴 | ・尾びれは長く、後端が丸い。 ・体側に黒斑と青い波状紋がある。 |
大きさ | 体長50センチメートル程度(成魚は70センチメートルを超えるものもある) |
分布 | 全世界の温帯~熱帯海域、日本では津軽海峡~九州南岸の太平洋沿岸ほか |
措置 | 販売自粛するよう指導 |
その他 | 「ウスバハギ」などどと称して稀に入荷される。 |
オオメマトウダイ(オオメマトウダイ科)
毒成分 | ワックスエステル |
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特徴 | ・体色は灰褐色から黒褐色 ・体は長卵形で強く側偏。 ・眼が大きい。 ・背びれと臀びれの軟条部基底には縁辺に小棘をもった鱗が1列に並ぶ。 ・胸びれと腹びれの間に2列の骨質板がある。 |
大きさ | 体長30センチメートル程度 |
分布 | 北海道~茨城県の太平洋沿岸ほか |
措置 | 加工用(魚肉ねり製品、乾燥、塩漬等)として販売するよう指導 |
その他 | ・干物としての入荷が多く、活魚・鮮魚での入荷は滅多にない。 ・マトウダイと比べて眼が大きく、背びれが短い。 |
ボウシュウボラ(フジツガイ科)
毒成分 | 中腸腺にテトロドトキシンを持つことがある。 |
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特徴 | ・殻は大きく太い螺肋と縦張肋がある。 ・厚い樹皮状の殻皮をかぶる。軟体部は豹のような班がある。 ・殻口に褐色斑がある。 |
大きさ | 殻長は20センチメートル程度 |
分布 | 房総半島、山口県以南ほか |
措置 | 中腸腺を含む内臓を除去して販売するよう指導 |
参考文献
・中坊徹次編:日本産魚類検索 全種の同定 第三版(2013年)
・多紀保彦、河野博、坂本一男、細谷和海監修:新訂 原色魚類大図鑑(2005年)
・奥谷喬司編著:日本近海産貝類図鑑(2000年)
・野口玉雄/阿部宗明/橋本周久:―食品衛生に関係する―有毒魚介類携帯図鑑(1997年)