1. 東京都市場衛生検査所
  2. 百貝万魚 市場の水産物情報
  3. 厚生省通達により措置が定められた魚介類

厚生省通達により措置が定められた魚介類

更新日

食品衛生法第6条第2号違反の魚種

オニカマス(カマス科)

オニカマス

 
毒成分 シガテラ毒
特徴 ・体側の上半分に横縞がある。
・尾びれの形が特徴的で上下葉の先端はとがり、中央部に切れ込みがある。
・背びれ及びしりびれ後方に離鰭(りき)は無く、それによって大型のサワラ類と区別できる。
大きさ 体長1.7メートル程度
分布 本州中部以南、インド-太平洋、大西洋の熱帯域ほか
措置 販売等禁止
その他 ・別名 毒カマス、沖カマス
・産卵期には、比較的大きな群れをつくるため、複数がまとまって入荷する可能性もある。

イシナギ(スズキ科) Stereolepis doederleini

イシナギ
イシナギ(肝臓)
 
毒成分 肝臓に含まれる多量のビタミンA
特徴 ・若魚には黒褐色の体に5本の白色縦線があり、成長に伴って薄れる。
・えら蓋下部に棘がない。
・尾びれの縁は直線状である。
大きさ 体長2メートル程度
分布 北海道から屋久島の沿岸部ほか
措置 肝臓を除去して販売
その他 ・産卵期の初夏には、大型も浅い海域に現れ漁獲される。
・小型は活魚での入荷も多い。

※参考

外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。 自然毒のリスクプロファイル:魚類:ビタミンA|厚生労働省

バラムツ(クロタチカマス科)

バラムツ

 
毒成分 ワックスエステル
特徴 ・鱗に「おろしがね」のような骨性の刺状物があり、逆なですると痛い。
・第2背びれとしりびれ後方には離鰭(りき)がある。
大きさ 体長1.5メートル程度(3メートルに達するものもある)
分布 世界中の温帯~熱帯域、日本では北海道及び福島県から高知県までの太平洋沖ほか
措置 販売等禁止
その他 イワシ定置網で混獲された魚の入荷事例がある。

アブラソコムツ(クロタチカマス科)

アブラソコムツ

 
毒成分 ワックスエステル
特徴 ・体側を走る側線が著しく波状に曲がっている。
・肌は滑らかで、大きな鱗のまわりを小さい円形の鱗(有孔管状鱗)が取り巻いており、全体として網状の模様をなしている。
・第2背びれ及びしりびれ後方には4から6個の離鰭(りき)がある。
・尾柄(びへい)側面には大きな隆起線がある。
大きさ 体長1.5メートル程度
分布 世界中の温帯~熱帯域、日本では本州中部以南太平洋沿岸ほか
措置 販売等禁止
その他 ・世界中に分布し、マグロの延縄等で混獲される。
・冷凍魚(ドレス)として、「メダイ」の名称で輸入された事例がある。

有毒成分を含むため、販売を自粛するよう厚生労働省から通知が出ている魚種

アオブダイ(ブダイ科)

アオブダイ

 
毒成分 パリトキシン様毒
特徴 ・体色は青みが強い。
・歯は完全に癒合して、鳥のくしばし状である。
・頭部は大きく、大型ではコブがある。
・ヒレの縁が青い。
大きさ 成魚は体長70センチメートル程度
分布 東京都以南、沖縄県までの太平洋沿岸ほか
措置 販売自粛するよう指導
その他 ・有毒成分は、肝臓の他、筋肉にも存在すると考えられる。毒性は強く、喫食により死亡例が7件ある。
・大型(5キログラム以上)の発見事例が多い。大型は中毒の恐れがあると敬遠され、地元で値がつかず出荷されるとの話もある。

ホシゴマシズ、ゴマシズ(マナガツオ科)

 
毒成分 油脂
特徴 ・体側に小黒斑があるのが特徴。ホシゴマシズの斑点は、瞳と同じ大きさで、ゴマシズでは、それより小さい。
・腹鰭の有無でイボダイと区別できる。
大きさ ホシゴマシズは体長25センチメートル程度
ゴマシズは体長40センチメートル程度
分布 ホシゴマシズは南米の太平洋岸
ゴマシズは南米の大西洋岸(ブラジルからアルゼンチンにかけて)
措置 販売自粛するよう指導
その他 冷凍魚として輸入され、国内ではそれを原料に開き等が作られることがある。

参考文献

・中坊徹次編:日本産魚類検索 全種の同定 第三版(2013年)
・多紀保彦、河野博、坂本一男、細谷和海監修:新訂 原色魚類大図鑑(2005年)
・奥谷喬司編著:日本近海産貝類図鑑(2000年)
・野口玉雄/阿部宗明/橋本周久:―食品衛生に関係する―有毒魚介類携帯図鑑(1997年)

本文ここまで
記事ID:115-001-20240726-009692