百日咳とは
- 更新日
お知らせ(令和7年6月11日更新)
令和7年6月に「東京都感染症マニュアル2018」の各論編「百日咳」の内容を更新いたしましたので、ご活用ください。
【主な更新箇所】
- 小児の感染者数の増加などの発生状況について
- 臨床的特徴について
- マクロライド耐性菌の出現と増加について
- ワクチンの定期接種時期や、定期接種外のワクチン接種について
(参考)東京都感染症マニュアルとは
医療従事者や保健衛生行政職員等が感染症に適切に対応できるよう、感染症の診断、治療、対策などをまとめたマニュアルです。
詳細は「東京都感染症マニュアル2018」のページをご覧ください。
百日咳とはどのような病気ですか?
- 百日咳は、主に飛沫感染を感染経路とした、百日咳菌による急性の気道感染症です。
- 風邪のような症状で始まり、その後激しい咳が長く続きます。
- 特に乳幼児から学童期の小児の感染が多く、同居家族(特に兄弟姉妹)が早期乳児の感染源となることが多いです。しかし、ワクチン接種から時間が経過し百日咳への免疫が低下した全年齢で感染する可能性があります。
どのような症状に注意すればよいですか?
- 初期症状は風邪様症状(咳、鼻汁、発熱など)で始まります。
- その後1~2週間して、発作性の連続性の咳(顔を真っ赤にしてコンコンと激しく発作性に咳き込む)、吸気性笛声(ヒューと音を立てて息を吸う)、咳嗽後の嘔吐、無呼吸発作といった特徴的な症状を呈します。
- 原因不明の長引く咳や、上記のような特徴的な症状があれば速やかに医療機関を受診してください。
治療法は?
- 抗菌薬で早期に治療することが症状改善に有効です。
- 治療開始が遅れてしまったとしても、周囲への感染拡大を防ぐために抗菌薬で治療を行うことがあります。
- 従来一般的に使用されてきたマクロライド系抗菌薬への耐性菌が報告されており、治療が難しい例があります。
感染の拡大を防ぐには?
- 抗菌薬治療が他者への感染性を抑えるのに有効です。
- 日本小児科学会からは、生後2カ月になったら速やかに定期接種の5種混合ワクチンを接種することが推奨されています。さらにワクチンの効果が低下してくる就学前に3種混合ワクチンを追加接種することや、11-12歳の定期接種である2種混合ワクチンに代えて3種混合ワクチンを接種することが奨められています。
- 感染者と接する場合は、飛沫感染予防策や標準予防策を行う必要があります(マスクの着用や手指衛生)。
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記事ID:115-001-20250529-015322