高齢者の肺炎球菌感染症の定期予防接種について
今年度(2023年度)が特例措置の最終年度です。
高齢者の肺炎球菌感染症(厚生労働省リーフレット)
高齢者の肺炎球菌感染症(厚生労働省リーフレット)(PDF:668KB)
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肺炎球菌とは
肺炎球菌は主に気道の分泌物に含まれる細菌で、唾液などを通じて飛沫感染し、気管支炎や肺炎、敗血症などの重い合併症を引き起こすことがあります。
肺炎はわが国の死亡原因の第 5 位となっています。また、日常的に生じる成人の肺炎のうち1/4 ~ 1/3は肺炎球菌が原因と考えられています。
定期接種の対象者
2023年度までは、該当する年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる方と、60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方は定期接種の対象となります。
さらに、2021年度においては、2020年度末に100歳以上の方は定期接種の対象となります。
※過去に高齢者を対象にした肺炎球菌ワクチン〔23価肺炎球菌ワクチン(一般名:23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン、商品名:ニューモバックスNP)〕の接種を受けたことがある方は定期接種の対象となりません。
東京都の補助事業の概要(令和5年度まで)
区市町村長が行う、高齢者肺炎球菌ワクチン接種にかかる被接種者の実費負担額の軽減を図る事業に要する経費のうち、定期接種に要する経費及び本事業の周知等のために要する経費を、都が補助しています。
定期接種に要する経費に対する都の補助は2,500円を上限額としています。
よくある質問
Q1.肺炎球菌感染症をワクチンで予防することは可能ですか?
A1.肺炎球菌には 93 種類の血清型があり、平成26年10月からの定期接種で使用される「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」は、そのうちの23種類の血清型に効果があります。また、この23種類の血清型は成人の重症の肺炎球菌感染症の原因の64%を占めるという研究結果があります。
(病原微生物検出情報IASR2018年7月号 「成人侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)症例の臨床像の特徴と原因菌の血清型分布の解析」を参照)
Q2.高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期接種はいつから受けられますか?
A2.平成26年10月1日から開始されています。
Q3.高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期接種で使用できるワクチンは何ですか?
A3.「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を1回接種します。
Q4.既に「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種したことがありますが、定期接種を受けられますか?
A4.既に「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種したことがある方は、定期接種の対象とはなりません。
Q5.過去に肺炎になったり、肺炎球菌感染症にかかったりしたことがあるのですが、定期接種の対象者になりますか?
A5.肺炎の原因は様々な原因でおこり、また肺炎球菌には多くの血清型がありますので、過去に肺炎や肺炎球菌感染症にかかっていても、定期接種の対象になります。
Q6.肺炎球菌ワクチンの接種対象年齢において、病気にかかって長く療養していたために、接種を受けられずに対象年齢が終わってしまった場合、どうすればいいですか。?
A6.免疫機能の異常など、長期にわたり療養を必要とする疾患等により、接種対象年齢の間に定期接種を受けられなかった方が、当該事由が消滅してから1年以内に接種をすれば、定期接種として接種を受けることができるよう、予防接種法施行令に特例措置が設けられています。
詳しくは、お住まいの区市町村の担当部署へお問合せください。
Q7.「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種することにより、どのような副反応の発生が想定されますか?
A7.稀に報告される重い副反応としては、アナフィラキシー様反応、血小板減少、ギランバレー症候群、蜂巣炎様反応等が報告されています。その他、以下のような副反応の報告があります。
報告頻度 | 5%以上 | 1~5% | 1%未満 | 頻度不明 注) |
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全身症状 | 倦怠感、違和感、 悪寒、発熱 |
ほてり | 無力症 | |
筋・骨格系 | 筋肉痛 | 関節痛、 関節炎CK(CPK)上昇 |
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注射部位 | 疼痛、熱感、 腫脹、発赤 |
硬結 | 掻痒感 | 可動性の低下 |
精神神経系 | 頭痛 | 感覚異常、熱性痙攣、 浮動性めまい |
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呼吸器 | 咽頭炎、鼻炎 | |||
消化器 | 悪心 | 嘔吐、食欲減退 | ||
血液 | リンパ節症・リンパ節炎、 白血球数増加 |
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皮膚 | 皮疹 | 蕁麻疹、多形紅斑 | ||
その他 | ALT(GPT)上昇 | 腋窩痛 | 血清病、CRP上昇 |
注)自発報告あるいは海外において認められている
※ 新製剤及び旧製剤で認められた副反応を記載
Q8.「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」の接種歴があるのに、誤って再接種してしまいました。健康被害が発生する可能性はありますか?
A8.過去5年以内に、「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種されたことのある方が、再度接種された場合、注射部位の疼痛、紅斑、硬結等の副反応が、初回接種よりも頻度が高く、程度が強く発現するとの報告がありますので、接種歴を必ず確認して接種を受けてください。
Q9.もし肺炎球菌ワクチンの定期接種により、重い副反応が起きてしまった時はどうすればいいですか?
A9.定期接種を受けたことにより、健康被害が発生した場合には、救済給付を行うための制度があります。詳細についてはお住まいの市町村にご相談ください。
健康被害救済制度についてはこちらもご参照ください。
Q10.高齢者に使用することが承認されている「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」は、定期接種として使用することができますか?
A10. 「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」は平成26年6月20日付けで、65歳以上の者に対する肺炎球菌による感染症の予防の効能・効果が承認されておりますが、科学的知見に基づいた専門家の検討結果を踏まえて、肺炎球菌感染症(高齢者がかかるものに限る。)の定期接種においては「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」を使用しないこととしております。
Q11.過去に「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」を接種したことがありますが、定期接種を受けられますか?
A11.過去に「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」を接種したことがある場合でも、「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を定期接種として受けることができます。
Q12.高齢者の肺炎球菌の定期接種はどこで受けられますか?
A12.定期接種の実施主体は区市町村になります。お住まいの区市町村にお問い合わせください。
各区市町村の担当部署について
「高齢者の肺炎球菌感染症定期予防接種担当部署一覧(2023年4月時点)」(PDF:124KB)
外部リンク
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お問い合わせ
このページの担当は 感染症対策部 防疫課 防疫担当(03-5320-5892) です。
