コーヒーにはカフェインが含まれているので、飲むと胎児に影響があると聞きました。本当ですか?【食品安全FAQ】
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- どのような食品や飲料にカフェインが含まれていますか?
回答
- 食品のリスク評価を行っている内閣府食品安全委員会は、現段階では、食品からのカフェインの摂取についてのリスク評価を実施していません。
- しかし、海外では、健康影響を検討し、妊婦のカフェイン摂取目安量を示している国があります。妊娠されている方は、カフェインを摂り過ぎないように留意してください。
- また、海外では、子供のカフェイン摂取目安量を示している国があります。
- なお、市販の飲料等には、カフェイン量が記載されている製品もありますので、参考にしてください。
詳細
カフェインは、コーヒーや茶葉などの食品に天然に含まれている食品成分の一つです。また、コーヒーや茶葉から抽出されたカフェインが、苦味等を加える食品添加物として、コーラ等の清涼飲料水に使われています。
また、カフェインは、眠気防止、血管拡張性及び脳圧亢進性頭痛(片頭痛、高血圧性頭痛)のための医薬品の成分として使われており、その際には1回に100から300ミリグラム(一日当たりの服用回数は2から3回)のカフェインが使われます。
カフェインには、医薬品の効果を阻害したり、増強したりする作用があります。過剰摂取には注意を払うとともに、医薬品を服用するにあたり、御心配な方は医師や薬剤師にご相談ください。
体に何らかの影響が表れるカフェイン量は、個人差が大きく、国内、海外ともに、食品に含まれているカフェインについて、毎日ずっと摂取しても健康に影響が出ないと推定される量は設定されていません。しかし、海外では、食品に含まれるカフェインについて、摂取目安量を設定している国や国際機関があります。
世界保健機関(WHO)
一日のカフェイン摂取量が 300ミリグラムを超える妊婦に対しては、流産や新生児の低体重リスクを低減するために、妊娠中はカフェイン摂取量を制限するように注意喚起しています。
欧州食品安全機関(EFSA)
習慣的なカフェイン摂取に関しては、妊婦を除く健康な成人で400ミリグラムパー日以下であれば健康リスクへの懸念は生じないとしています。
また、妊婦については、習慣的なカフェイン摂取200ミリグラムパー日以下であれば、胎児に健康リスクは生じないとし、授乳中の女性については1回当たりのカフェイン摂取200ミリグラム以下、習慣的なカフェイン摂取200ミリグラムパー日以下であれば健康リスクは生じないとしています。
カナダ保健省
少量のカフェイン摂取はほとんどの人にとって懸念はないが、過剰摂取は不眠症、頭痛、イライラ感や緊張感を引き起こし、カフェインに対する感受性の高い人々は、少量の摂取でもこれらの有害作用を経験する場合があるとしています。
また、推奨されるカフェインの最大摂取量は、健康な成人では一日に400ミリグラム未満、妊婦又は授乳婦及び妊娠を計画している女性は一日に300ミリグラム未満、4歳から6歳児では一日に45 ミリグラム未満、7歳から9歳児では一日に62.5ミリグラム未満、10歳から12歳児では一日に85ミリグラム未満、13歳以上の青少年では一日に2.5ミリグラムパーキログラム体重未満としています。なお、子供及び青少年の推奨摂取量は、2.5ミリグラムパーキログラム体重パー日を基準とした体重に基づく値としています。
海外機関が設定した一日当たりの妊婦の摂取目安量(200ミリグラムパー日)を、以下の食品に換算すると次のようになります。
・コーヒー1.7杯(カップ)
・紅茶3.3杯(カップ)
・せん茶6.7杯(湯飲み)
・カカオ70パーセント台チョコレート3.6枚
※カップ1杯=200ミリリットル、湯飲み1杯=150ミリリットル、板チョコレート1枚=55グラムで換算しました。
※カフェイン量は、コーヒー=60ミリグラムパー100ミリリットル、紅茶=30ミリグラムパー100ミリリットル、せん茶=20ミリグラムパー100ミリリットル、カカオ分70パーセント台チョコレート=55ミリグラムパー枚(55グラム)として計算しました。