向精神薬処方箋応需の際の留意事項

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 都内の薬局において、偽造又は変造した処方箋により向精神薬を不正に入手しようとする事例が報告されています。

 次のような場合には、処方箋を持参した者だけでなく、処方医師に疑義照会するなど慎重に対応する必要があります。

留意事項 偽造又は変造処方箋の例
(1)処方箋の外観
 ・カラーコピーされた処方箋ではないか。
・なじみの処方医発行の処方箋とインクの色合いや紙質が
 異なる。
・用紙の裏に印鑑のにじみが見られない。朱肉の色が異なる。
・枠が傾いている。印刷の一部が不鮮明又は消えている。
・用紙の端を不自然に切断した跡がある。四辺の歪みがある。
(2)交付医療機関 ・不自然に遠方の、なじみのない医療機関からの処方箋である。
・架空の医療機関名、所在地が記載されている。
(3)患者情報
 ・初めての患者ではないか。
・患者氏名、年齢等に疑問がある。
・本人以外が処方箋を持参し、身分確認を嫌がる。
・待ち時間に落ち着きがない、何度も薬局を出入りする。
・事前に電話で医薬品(向精神薬)の在庫状況を何度も確認している。
・「マイナ保険証(資格確認書)を忘れた」「処方された医薬品(向
 精神薬)を紛失したため処方箋を再発行してもらった」等の理由
 により、自費診療による処方箋である。
(4)処方欄記載内容
 ・異なる文字で加筆されていないか。
・医薬品(向精神薬)の規格の記載がない。
・「毎食後」等、用法の記載がない。
・規格、一日量、処方日数等の数字や処方箋交付日を改ざん
 した形跡がある。
・手書きの処方箋に筆跡を似せて処方を追加している。
・訂正印のない訂正がある。
  • 初めての患者で、自費診療による向精神薬の処方箋を持参された場合は、必要に応じて処方箋交付医療機関への疑義照会を御検討ください。
  • 偽造又は変造した処方箋を持参する者は、電話で調剤可否を確認してくる場合がありますので、電話による問い合わせについても慎重な対応が必要です。
  • 偽造又は変造した処方箋により向精神薬が不正入手(詐取)された場合、管轄の保健所に向精神薬事故届(麻薬及び向精神薬取締法第50条の22)を提出してください。なお、詐取量が少量であっても届け出てください。
  • 詳細は向精神薬取扱いの手引(薬局用)(III 偽造・変造処方箋) を御確認ください。
  • 処方箋の偽造又は変造に係る注意喚起のため、ポスターを作成しましたので、薬局内での掲示用等に御活用ください。 
     
ポスター見本
ポスター左下部の余白欄に薬局名等を記載いただくことが可能です。
ポスターをクリックしていただくことで、ファイルをダウンロードできます。

 

記事ID:115-001-20240726-006437