臨床検査技師としての勤務を希望する方へ
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東京都監察医務院検査科について
東京都監察医務院は、東京都23区内の不自然死の死因究明を行う国内最大の検案・剖検センターです。検査科は、病理組織・薬化学・CTの3部門を統括し、剖検例を通じて臨床医学や予防医学への寄与という社会貢献の一翼を担っています。
病理組織検査部門
病理組織検査部門は、監察医と共に解剖業務を担当し、組織の切り出しから薄切、染色までの全てを任され標本作製を行っています。解剖業務では、ご遺体に対して尊厳と礼意を持ち、丁寧に、そして迅速な対応を心掛けています。多い時には、1日に一人で5体の解剖を担当することもあり、相応の体力も必要となってきます。
標本作製においては、組織のどの部分を切り出すことが適切か、死因究明に必要な染色は何かなど、常に考え自ら判断し、標本作製を行っています。病理組織検査部門は、監察医と共に解剖業務を担当し、組織の切り出しから薄切、染色までの全てを任され標本作製を行っています。
薬化学検査部門
薬化学検査部門は、採取された胃内容、血液および尿などの検体から、死因となる薬毒物(向精神機能薬、アルコールおよび覚醒剤など)の有無を検査しています。検体から試料の抽出・精製作業を行い、ガスクロマトグラフ質量分析装置など数種類の分析装置を用いて薬毒物の定性・定量データの解析を行います。
同時に生前の服薬情報を始めとした種々の情報との照合を行い、死因となる薬毒物を特定し監察医へ報告します。検査技師の教育課程では習っていない薬毒物の知識や分析方法の習熟が必要となってきます。
検査科の研究活動
監察医務院では、公衆衛生の向上と臨床医学への還元に繋げるため、組織目標の一つとして研究活動の推進を掲げています。
検査科職員においても日本法医学会を始めとした各種学会に所属し、学会発表や論文執筆に取り組んでいます。現在では広く知られている肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)の血栓発生源がヒラメ筋静脈にあることを証明したのは、当院検査科職員の研究成果の一つです。