八丈保健所だより(春号 令和5年4・5・6月号)
春号 令和5年4・5・6月号の記事
1、SFTS(重症熱性血小板減少症)をご存知ですか?
2、感染症から身を守るための基本的な知識 ~感染成立の3要素とは~
3、島しょ保健所八丈出張所の業務を紹介します
4、野菜をおいしく食べよう!
5、これから紫外線が増え始める時期です!
6、編集後記
SFTS(重症熱性血小板減少症)をご存知ですか?
マダニを介して猫や犬、人に感染するウイルスによる感染症で、人では発熱、消化器症状等を起こし死亡するケースもあります。
発生状況について
西日本での発生が多いですが、年々、感染症発生の届出地域が東に拡大しています。東京都でも都外への旅行で感染し、帰宅後に発症した事例があります。SFTSの発生が少ないもしくはない地域でも、旅行の際などは注意が必要です。
感染経路について
(1)ダニから人への感染経路
ウイルスを保有しているマダニに刺される。
(2)動物や人から人への感染経路
SFTSを発症した人・動物の体液等を介して感染する
予防対策について
SFTSの治療薬はなく、対症療法のみとなるため予防が重要です。
(1)登山などマダニが生息する場所に行く際は露出の少ない服装を心がけましょう。
(2)動物に触れた後は必ず手洗いを行いましょう。
飼い犬に狂犬病予防注射を受けさせましょう!
飼っている犬に狂犬病予防注射は済ませましたか?集合注射等の機会を利用して打ち忘れることがないようにしましょう!集合注射の詳細は、役場広報誌等でご確認ください。
感染症から身を守るための基本的な知識 ~感染成立の3要素とは~
感染症は、病気を引き起こす「病原体(感染源)」、感染を受ける対象である「感受性のある宿主(ヒト)」、およびその両者を仲介する「感染経路」の3つの要素がそろうことで感染します。
病原体(感染源)とは
感染症の原因となる細菌、ウイルスなどの生物のことです。結核菌、ノロウイルス、新型コロナウイルスなど
感染経路とは
病原体が宿主に侵入する経路のことです。接触感染、飛沫感染、空気感染 など
感受性のある宿主(ヒト)とは
感染症になりやすい人のことです。病原体の免疫がない人、抵抗力が落ちている人
☆3つの要素のうち、どれか1つでも取り除くことができれば、感染症を予防することができます。
感染症から身を守るために必要なことは?
(1)病原体(感染源)の排除
・毎日の体調確認により、感染・発症を早期発見・治療する。
・症状がある場合は、学校・仕事を休み、個室で療養する。
・病原体が潜んでいる物(血液、嘔吐物、排泄物など)を取り除いてから、汚染されたところを消毒する。
・次亜塩素酸ナトリウムは手指には使えません。消毒液の空中噴霧は絶対にしないでください。
(2)感染経路の遮断
・接触感染予防
こまめに手を洗う、アルコール消毒する(食事・調理の前、トイレの後、外から帰ってきた時など)。
むやみに顔(目、鼻、口)を触らない。
よく触る場所、モノを消毒する(ドアノブ、照明スイッチ、トイレなど)。
・飛沫感染予防
咳、くしゃみがあるとき、近距離で会話をするときは、マスクを着用する。
・空気感染予防
換気をする(30分に1回以上、二方向の窓を開ける)。
(3)宿主(ヒト)の抵抗力の向上
・予防接種を受ける。
・規則正しい生活(十分な栄養、運動、睡眠)を心がける。
島しょ保健所八丈出張所の業務を紹介します。
地域保健推進に関すること
1.広報普及及び啓発
保健所だよりの発行(年4回、全戸配布)
感染症・精神保健・難病・健康診断などに関すること
1.感染症・エイズ対策
感染症予防の普及啓発、感染症発生時の調査や保健指導を行っています。
HIV検査・性感染症検査、ウィルス肝炎検査
2.結核対策
結核と診断された方への療養・服薬支援、服薬終了後の経過観察を行っています。
必要に応じて、接触した方の健診等も行っています。
3.精神保健福祉対策
心の健康に関する相談、障害のあるお子さんの相談等を行っています。
4.特殊疾病対策 (難病対策)
在宅療養中の方が安心して療養生活を送るために、療養上のご相談等を行っています。
5.母子保健
障害のあるお子さんの相談等を行っています。
6.健康相談事業
労働安全衛生法などに定められた小規模事業所を対象とした健康診断を実施しています。
食品衛生・栄養・環境衛生・動物愛護などに関すること
1.食品衛生
飲食によって発生する危害の発生を防止し、地域住民の健康の保護を図ることを目的に業務を行っています。
・食品関係事業所(飲食店・食品製造施設・食品販売施設等)の営業許可に関する業務
・食中毒の調査及び検査など
2.保健栄養
給食施設等に対する栄養管理・給食管理に関する指導・助言や、健康に関する個別相談等を行っています。
3.環境衛生
生活に係る衛生管理が必要な施設に関する届出・許認可(開設・変更・廃止等)、衛生管理指導(監視)、相談対応、健康危機対応等を行うと共に、環境衛生に関する一般相談等も行っています。
・理美容所、クリーニング所、公衆浴場、旅館業(民宿、旅館、ホテルなど人を宿泊させる施設)、貯水槽、水道施設等
4.獣医衛生
と畜場における検査と施設の衛生管理に対する監視・指導、動物の適正な飼養や動物由来感染症に関する普及啓発や苦情・相談への対応等の動物愛護管理業務及び化製場法の許可施設に対する監視指導業務を行っています。
(注意) 飼い犬の登録及び狂犬病予防注射に関する業務は各町村の業務になっています。
医事・薬事などに関すること
1.医事衛生
・診療所・施術所等の許可・諸届の事務及び立入検査
・医師・歯科医師・薬剤師・看護師などの医療資格者の免許申請及び諸届の事務などを行っています。
2.薬事衛生
・薬局・医薬品販売業・医療機器販売業等の許可・諸届の事務及び立入検査
・毒物劇物販売業等の登録・諸届の事務及び立入検査 などを行っています。
野菜をおいしく食べよう!
東京都民の成人1日当たりの野菜類の平均摂取量は299.9gで、健康日本21で目標として掲げている350gを下回っています。(令和元年東京都民の健康・栄養状況より)
東京都福祉保健局では、野菜を簡単においしく食べるために、中国料理・日本料理・西洋料理のプロが考案したレシピをホームページで公開しています。料理の参考に、是非ご覧ください!
これから紫外線が増え始める時期です!
紫外線(UV-B)は皮膚や眼に有害で、日焼けを起こしたり、皮膚がんの原因になります。
薄曇りの日でも、UV-Bの80%以上が透過し、地表に到達しますので、弱い紫外線でも長時間浴びた場合は、夏の強い紫外線と同じ体のダメージになることもあります。
必要に応じて上着や帽子、サングラスの着用で紫外線暴露から眼や皮膚を保護しましょう。
編集後記
春と聞くとみなさまはどのようなイメージをお持ちでしょうか。暖かく、とても過ごしやすい季節ですが、花粉症持ちの私にとっては辛い時期でもあります。目のかゆみや鼻のムズムズが始まると、今年も春が来たなと感じます。中でもスギ花粉の影響が大きく、子どもの頃から苦しめられてきました。そんなスギの名前の由来をご存知でしょうか。一説には、成長が早くまっすぐに延びるため「進木(ススキ)」から取ったとされています。また、スギの花言葉は「雄大」だそうです。スギの名前の由来や花言葉を知っても花粉症はおさまりませんが、スギへの印象は少し変わりました。社会人生活2年目を迎える春、今年はスギのように真っ直ぐと成長していきたいです。
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このページの担当は 島しょ保健所八丈出張所 です。