大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例

公  布 昭和47年10月26日条例第117号
最終改正 令和7年10月17日条例第126号
施  行 令和8年10月1日

目的

第1条 この条例は、大気汚染の影響を受けると推定される疾病にかかった者に対し、医療費を助成することにより、その者の健康障害の救済を図ることを目的とする。

疾病の範囲

第2条 医療費の助成の対象となる疾病は、次の各号のいずれかに該当するもの及びその続発症とする。

一 慢性気管支炎
二 気管支ぜん息
三 ぜん息性気管支炎
四 肺気しゅ

対象者

第3条 医療費の助成の対象となる者は、次に掲げる要件を備えている者とする。

一 現に前条に規定する疾病にかかっている者
二 東京都の区域内に引き続き1年(3歳に満たない者にあっては、6月)以上住所を有する者
三 喫煙していない者
四 18歳未満の者(18歳の誕生日から同日の属する月の末日までの期間にある者を含む。)
五 前条に規定する疾病について国民健康保険法(昭和33年法律第192号)その他東京都規則(以下「規則」という。)で定める法令(以下「医療保険各法」 という。)の規定により医療に関する給付が行われる者

認定申請

第4条 医療費の助成を受けようとする者は、規則で定めるところにより、知事に申請しなければならない。

認定

第5条 知事は、前条の規定による申請があったときは、大気汚染障害者認定審査会(以下「審査会」という。)の意見を聞いて、当該申請に係る疾病が大気汚染の影響を受けると推定される疾病である旨の認定(以下「認定」という。)を行う。

2 認定の有効期間は、前条の規定による申請を受理した日から起算して2年を経過した日以降の直近の誕生日の属する月の末日までを限度とする。

認定期間の更新

第6条 認定を受けた者が、前条第2項の規定による認定の有効期間の満了後も引き続き医療費の助成を受けようとするときは、規則で定めるところにより知事に申請しなければならない。

2 知事は、前項の規定による申請があった場合において、必要と認めるときは、審査会の意見を聞いて、2年を限度として、認定の有効期間を更新することができる。

医療券及び通知書の交付等

第7条 知事は、認定又は前条第2項の規定による認定の有効期間の更新を受けた者(以下「被認定者」という。)に対し医療券を、認定又は認定の有効期間の更新を受けなかった者に対しその旨を記載した通知書を規則で定めるところにより交付する。

2 被認定者が認定に係る疾病について病院若しくは診療所で医療を受け、又は薬局で投薬を受ける際は、病院、診療所又は薬局(以下「医療機関等」という。)に医療券又は個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)第2条第7項に規定する個人番号カードをいう。)(医療機関等が、医療券と同一の内容を含む情報の提供を受けられる場合に限る。)を提示するものとする。

助成の範囲

第8条 東京都は、被認定者の認定に係る疾病について医療保険各法の規定により医療に関する給付が行われた場合における医療費(健康保険の療養に要する費用の額の算定方法によって算定された額(当該法令の規定に基づきこれと異なる算定方法によることとされている場合においては、その算定方法によって算定された額)を超える額を除く。)のうち、当該法令の規定によって被認定者又は被認定者に係る国民健康保険法による世帯主若しくは健康保険法(大正11年法律第70号)による被保険者その他これに準ずる者(以下「被保険者等」という。)が負担すべき額から当該法令の規定によって被保険者等が負担すべき入院時食事療養費に係る食事療養標準負担額又は入院時生活療養費に係る生活療養標準負担額を控除した額を助成する。

2 前項の規定にかかわらず、医療保険各法以外の法令、条例又は規則(以下「法令等」という。)の規定により国又は地方公共団体の負担による医療に関する給付が行われたときは、同項の医療費の助成の額から当該法令等の規定によって行われた当該医療に関する給付の額を控除した額を助成する。

助成の方法

第9条 医療費の助成は、助成する額を被認定者に代わり医療機関等に支払うことによって行う。

2 前項の規定にかかわらず、知事が特別の理由があると認めるときは、被認定者に支払うことにより医療費の助成を行うことができる。

届出義務

第10条 被認定者は、氏名又は住所を変更したときは、規則で定めるところにより、その旨を速やかに知事に届け出なければならない。

医療券の返還

第11条 知事は、偽りその他不正の手段により医療費の助成を受けた者があるとき、又は助成後に過誤額その他第8条に該当しない助成を受けた者があるときは、その者から当該助成を受けた額の全部又は一部を返還させることができる。

委任

第12条 この条例に規定するもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

附則(平成26年条例第123号)

(施行期日)

1 この条例は、平成27年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、附則第4項及び第5項の規定は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 施行日前になされたこの条例による改正前の大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例(以下「旧条例」という。)第4条の規定による申請に対する認定については、この条例による改正後の大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例(以下「新条例」という。)第2条及び第3条の規定は適用せず、旧条例第2条及び第3条の規定は、なおその効力を有する。

3 施行日前になされた旧条例第6条第1項の規定による更新の申請(附則第6項に該当する者からの更新の申請を除く。以下「旧条例による更新の申請」という。)のうち、更新を受けようとする有効期間が施行日前に開始するものに対する認定の有効期間の更新については、新条例第2条及び第3条の規定は適用せず、旧条例第2条及び第3条の規定は、なおその効力を有する。

4 旧条例による更新の申請のうち、更新を受けようとする有効期間が施行日以後に開始するものについては、新条例第6条第1項の規定によってなされたものとみなす。

5 前項の規定による申請を行った者に対する新条例第6条第2項の規定による認定の有効期間の更新、新条例第7条第1項の規定による医療券及び通知書の交付並びにこれらに関し必要な手続その他の行為は、これらの規定の例により、施行日前においても行うことができる。

6 この条例の施行の際、現に旧条例第2条第1項に規定する気管支ぜん息及びその続発症により医療費の助成に係る認定を受けている者(附則第2項の規定により認定を受けた者を含む。)のうち、施行日の前日において満18歳以上のものに対する医療費の助成については、当該者が施行日前から継続して助成を受ける間は、新条例第2条及び第3条の規定は適用せず、旧条例第2条及び第3条の規定はなおその効力を有する。この場合において、平成30年4月1日以後における新条例第8条第1項の規定の適用については、同項中「生活療養標準負担額」とあるのは、「生活療養標準負担額及び規則で定める自己負担額」とする。

7 この条例の施行の際、現に旧条例第2条第1項に規定する気管支ぜん息及びその続発症により医療費の助成に係る認定を受け、その有効期間内にある者(附則第2項の規定により認定を受けた者及び附則第3項の規定により認定の有効期間の更新を受けた者を含む。)のうち、施行日の前日において満18歳に達しないものであって、当該有効期間内に満18歳に達するものに対する医療費の助成については、当該有効期間の満了日までとする。

附則(令和7年条例第126号)

 この条例は、令和8年10月1日から施行する。

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