1 室内の空気にはどんな化学物質が含まれていますか
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私たちの身の回りには、5万種を超える化学物質が製品や食品などに含まれて流通しているといわれています。これらの化学物質は、私たちに豊かで快適な生活の恩恵を与えていますが、環境汚染や健康への影響などの問題が生じることがあります。
揮発して室内空気に含まれる化学物質(揮発性有機化学物質 VOC)は、建築材料や家具などの種類・数、生活スタイルによって様々ですが、一般に数十種類、ときには百種類を超える物質が検出されます。(採取方法や分析精度が向上すればもっと多く検出されると考えられます。)
ほとんどは、ごく微量(空気1立方メートルあたりマイクログラム、ナノグラム)で臭ったり刺激を感じたりしないので、私たちはその存在に気付かずに呼吸して生活しています。また、それぞれの健康影響(微量の急性影響)もよくわかっていません。室内の化学物質を吸着したり分解する製品が市場に多く現れています。様々な原理で化学物質の低減化ができるようですが、その効き目や効果がどのくらい続くかなどの公的な規格規準がありません。窓を開けて換気すれば、1から2分で室内の空気は外気と入れ替わるので、このような製品は、押入れや家具の中などの換気が困難な場所で補助的に使用するのが良いと思います。
平成10年度に厚生省(当時)が44の化学物質について、全国の住宅の室内空気を調査しました。平均値が高かった10物質は次のとおりです。
物質名 | 主な用途 |
---|---|
ノナン デカン テトラデカン(注釈1) トルエン(注釈1) エチルベンゼン(注釈1) キシレン(注釈1) ノナナール |
塗料、接着剤などの溶剤 |
パラジクロロベンゼン(注釈1) | 衣類用防虫剤 |
リモネン α-ピネン |
香料成分、植物の天然成分 |
(注釈1)はその後、室内濃度指針値が示された化学物質
記事ID:115-001-20240726-006641