食べもの暦 第1号(令和6年7月発行) はちみつ/赤ちゃんを迎える方が気をつけたい食品
- 更新日
はちみつ
花が咲く季節は、はちみつが採れる時期でもあります。
今号では、はちみつについてご紹介します。
今号では、はちみつについてご紹介します。
単花蜜と百花蜜
単花蜜は特定の花の蜜でつくられたはちみつで、その花の特徴的な風味を楽しむことができます。レンゲハチミツ、アカシアハチミツなど花の名前でもよばれます。養蜂に用いられるセイヨウミツバチには、沢山咲いている花を優先して蜜を集める性質(訪花の一定性)があり、この性質を利用して、様々な花の単花蜜が生産されています。特定の花が沢山咲いていないときは、色々な花から集めた蜜で、はちみつがつくられます。これが百花蜜です。様々な花の蜜が混じり合った複雑な風味を楽しむことが出来ます。はちみつの結晶化
はちみつを低温で保管すると、白く固まることがあります。砂糖を加えているのでは?カビが生えたのでは?と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、これは、はちみつの「結晶化」とよばれる自然の現象です。はちみつに含まれる「ブドウ糖」が15℃くらいの温度で固まりやすい性質があるからです。そのまま食べても大丈夫ですが、加温すると溶かすことができます。
とろりとした食感をそこなわないように、60℃くらいの温度で、ゆっくり溶かすのがお勧めです。
とろりとした食感をそこなわないように、60℃くらいの温度で、ゆっくり溶かすのがお勧めです。
注意
はちみつには、ボツリヌス菌が含まれることがあり、腸内環境が整っていない1歳未満の赤ちゃんが口にすると、乳児ボツリヌス症を発症することがあります。発症すると便秘、哺乳力の低下などが起き、重症化すると呼吸が困難になり、命にもかかわります。はちみつは、1歳までは与えないでください。ボツリヌス菌は熱に強いので、はちみつ入りのジュース、お菓子、パンなども与えないでください。たべものクイズ
日本で流通しているはちみつの9割以上が輸入品ですが、国産のはちみつも生産されています。生産量が一番多いのは次のどの都道府県でしょうか?
- 長野県
- 北海道
- 熊本県
赤ちゃんを迎える方が気をつけたい食品
お腹の中の赤ちゃんと、生まれたばかりの赤ちゃんのために、気をつけたい食品について、代表的なものをご紹介します。ママやパパになる方だけではなく、ママやパパを支える方、赤ちゃんのお世話をする方も、この機会にご確認ください。ナチュラルチーズ(加熱殺菌していないもの)・生ハムスモークサーモン・肉や魚のパテ
リステリア菌が含まれることがある食品です。この菌は、妊娠中に感染しやすくなり、流産・死産のリスクを高め、赤ちゃんにも悪い影響を与えることがあります。妊娠中は食べるのを避けてください。
加熱不十分な豚肉や豚レバー(妊娠中だけではありません)
トキソプラズマという寄生虫が含まれていることがあります。妊娠中に感染すると、流産・死産のリスクを高め、赤ちゃんに水頭症などの後遺症が生じる可能性があります。豚肉や豚レバーを中心部までしっかり加熱することで感染を予防できます。食中毒を予防するためにも、豚にかぎらず(牛や鶏も!)、お肉やレバーは、中心部までしっかり加熱することを習慣にしましょう。
ツチクジラ・クロマグロ・メカジキ・キンメダイなど一部の魚(注)
魚は栄養に富み妊娠中の食生活にも欠かせないものですが、一部の魚は胎児の中枢神経の発達に影響するメチル水銀を、比較的多く含んでいます。これらの魚を食べる際は、摂取しすぎないようにしましょう。上記の魚は1週間に80gまでが望ましいとされています。くわしくは、厚生労働省のホームページで公開中のリーフレットでご確認ください。(↓ここをクリック)
粉ミルク
粉ミルクは無菌ではなく、クロノバクタ―・サカザキという、赤ちゃんに髄膜炎や敗血症を起こす菌が含まれることがあります。
粉ミルクは、この菌を殺菌できる70℃以上のお湯で溶かしましょう。
火傷しないように注意してくださいね!
粉ミルクは、この菌を殺菌できる70℃以上のお湯で溶かしましょう。
火傷しないように注意してくださいね!
クイズの答え
正解は2の北海道です。
はちみつの国内生産量は、1位が北海道(378.5t)、2位が熊本県(239.4t)、3位が秋田県(221.1t)、以下4位が長野県、5位が青森県、6位が和歌山県となっています。(令和4年 農林水産省「養蜂をめぐる情勢」を参照)
はちみつの国内生産量は、1位が北海道(378.5t)、2位が熊本県(239.4t)、3位が秋田県(221.1t)、以下4位が長野県、5位が青森県、6位が和歌山県となっています。(令和4年 農林水産省「養蜂をめぐる情勢」を参照)
記事ID:115-001-20240926-012528