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食べもの暦 令和3年9月号 オリーブ/真空パック食品と食中毒

更新日

オリーブ

イタリア料理や地中海料理でよく使われるオリーブオイルやオリーブの塩漬け。日本では小豆島のオリーブオイルが有名ですね。

オリーブの歴史

オリーブは、モクセイ科の常緑樹で、地中海沿岸の国々ではたくさん栽培されているほか、野生種も自生しています。ギリシャやローマでは古代から食用、灯火、医療、祭祀に利用され、生活に欠かすことのできない大切な植物でした。
日本では、江戸時代の終わりに、医師の 林洞海 (はやしどうかい)がフランスから輸入した苗木を横須賀に植え、それが日本のオリーブ植樹1号とされています。今では、日本で初めてオリーブの栽培に成功した、温暖な気候の香川県を中心に栽培が行われています。

イラスト オリーブ

オリーブの特性

オリーブは、生長が早く、生命力の強い木です。花はブドウの花に似ていて白い花が咲きます。開花後に育った実は、緑色から黄緑色、赤紫色、黒紫色に変化して最後に落果します。オリーブの品種は世界に1000種類以上あり、実を食べるのに向いた品種、油を搾るのに向いた品種があります。

塩漬けとオリーブオイル

実は苦み成分であるオレウロペインを含んでいて、生で食べることができないため、重曹などで渋抜き処理をしてから塩漬けをします。緑色から黄緑色になり始めた頃の実は、色が美しくさわやかな香りの漬物となります。黒く色づいた実は、果肉が柔らかくマイルドな味の漬物になります。
オリーブの実の果肉部分には大量の油が含まれ、加熱処理や化学処理を行わずに実を潰して絞るだけで油を取り出すことができます。オイルも塩漬け同様に、品種や色づき具合によって色や味が違ってきます。お好みのオリーブオイルを探してみるのも良いですね。

食べものクイズ

クイズ

オリーブオイルには動脈硬化を促すコレステロールの酸化を防ぐ作用を持つ脂肪酸を多く含みます。それは次のうちどの脂肪酸でしょうか。

  1. オレイン酸
  2. パルミチン酸
  3. ステアリン酸

 

真空パック食品と食中毒

不思議に思っている男性のイラスト

真空パック食品のうち「要冷蔵」と表示されているものは、 常温放置するとボツリヌス菌が増殖し、命にかかわる食中毒になることがあります。

  • ボツリヌス菌は酸素が少ない密封状態で増殖します。
  • ボツリヌス菌の毒素は自然界の中でも毒性が強く、命に関わる場合もあります。

食中毒予防のポイント=購入品の冷蔵保管

要冷蔵」「10度以下で保存してください」の表示があれば、食品を購入後すぐに冷蔵保管しましょう。

要冷蔵、保存方法10度以下とかかれた食品の例

注意

真空パック食品に膨張や異臭がある場合は、菌が増殖している可能性があります。
絶対に食べないでください。

クイズの答え

こたえ

正解は1.「オレイン酸」です。
オレイン酸は、動脈硬化を促す悪玉コレステロールの酸化を抑え、 コレステロールが血管壁に沈着するのを防ぐ働きがあります。パルミチン酸、ステアリン酸は、動物性脂肪に多く含まれる脂肪酸で食べすぎは健康にあまりよくないとされています。

記事ID:115-001-20240726-009282