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食品衛生ミニ情報 2022 Vol.2 HACCPに沿った衛生管理でノロウイルス食中毒を防ごう

更新日

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例年、冬季にノロウイルスを原因とする食中毒が多発します。ノロウイルス食中毒の特徴を把握した上で、HACCPに沿った衛生管理を従業員に周知し、確実に実行しましょう。

ノロウイルス食中毒の特徴

特に冬季に流行

2017年から2021年までの月別発生件数平均(全国)の図、12月から3月が多い

一事件あたりの患者数が多い

2021年原因物質別食中毒発生状況(全国)の図、ノロウイルスは72件

感染経路

発生原因の約8割が調理従事者を介した食品の汚染!

調理従事者を介して食品を汚染

手洗いや器具の洗浄が不十分でノロウイルスが食品に付着し、それを食べた人が感染する経路が多くを占めます。

ノロウイルスを蓄積する二枚貝

ノロウイルスが蓄積された二枚貝を生又は加熱不十分で食べた人が感染する経路があります。

イラスト かき

特徴

  • 感染力が強く、ウイルス粒子10個から100個で感染・発症
  • 感染から発症までは平均1日から2日
  • 吐き気・おう吐、腹痛、下痢、微熱が1日から2日続く
  • 感染しても症状のない場合や軽い風邪のような症状の場合もある
  • 感染すると便やおう吐物中にウイルスが大量に排出される
  • 症状が無い場合や回復後も1週間程度、便中にウイルスが排出される
極めて微量で感染する

外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。 「おう吐物処理方法」は動画で確認

衛生管理のポイント

ノロウイルス食中毒の予防には、ノロウイルスを「食品につけない」ことが重要です。
調理従事者の健康管理手洗い調理器具の消毒を徹底しましょう。また、食品中のウイルスを「やっつける」ためには、加熱が有効です。ここでは、東京都食品衛生管理ファイルを例に、衛生管理のポイントを説明します。

1 一般的衛生管理のポイント

管理項目 衛生管理のポイント
交差汚染や二次汚染の防止
  • 二枚貝のドリップやはね水で他の食品を汚染しないようにする。
  • 二枚貝を冷蔵庫で保管する際には、しっかりと封をして、最下段で保管する。
器具などの洗浄・消毒
  • 器具類は洗浄後、次亜塩素酸ナトリウム(0.02パーセント希釈液)に10分以上ひたすか、熱湯中で5分間煮沸して消毒する。
トイレの洗浄・消毒
  • トイレ掃除用の作業着、手袋などを着用し、便器だけではなく手指が触れるペーパーホルダー、スイッチ、手洗器などトイレ全体を清掃する。
  • 消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.02パーセント希釈液)を使用し、ぞうきんなどにひたして拭く。
従事者の健康管理・
清潔な作業着の着用など
  • 体調不良時には、食品に直接触れる作業をしない。
  • 症状が無くなってからもしばらく便中にウイルスを排出するので、高感度の遺伝子検査で陰性を確認するなど対応を行う。
  • 1シーズンに複数回感染することもある。健康状態に注意すること。
衛生的な手洗いの実施
  • 症状が無く、感染に気付かない場合もある。常に「感染しているかも」の意識で石けんを使って丁寧に手洗いをする。

外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。 「正しい手洗い」は動画で確認

2 重要管理のポイント

分類 メニュー 衛生管理のポイント
非加熱のもの サラダ、冷奴、酢の物
  • 「食品につけない」ことが重要。盛り付け前には、手洗いを十分に行う。
加熱後直ちに提供するもの カキフライ
  • 「やっつける」ことが重要。中心部まで85度から90度で90秒以上加熱する。

参考資料

詳細な情報は、以下をご参照ください。

HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を行う、小規模な一般飲食店向けの食品衛生管理ファイルです。

食品事業者向けにノロウイルス食中毒を詳しく解説しています。

本文ここまで
記事ID:115-001-20240726-009295