授業風景(2年生)
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精神看護学
学校では、看護師や医師など現場で働く方から講義を受ける機会以外にも、患者さんから直接お話しを伺う授業があります。先日、2年生の授業に精神疾患を持つお二人からお話しを伺う講義がありました。看護学校に入る前の精神疾患をもつ方に対する私のイメージは、“どう接していいのか分からない”でした。しかし、看護学校1年生の心理学の授業で、統合失調症について調べる機会があり、とても興味がわき、今回を楽しみにしていました。
お二人は、最初緊張した様子でお話しを始めて下さいました。授業を通して、私が感じたのは、まず、症状の苦しさです。1年生の時に学習したことがありましたが、患者さんが語られる内容を実際に聞いて、そのつらさが心に突き刺さってくるようでした。また、身内や親しい人を亡くしたり、いじめや、突然悲しいことに見舞われた時に、誰でも精神に疾患をきたす可能性があるということがわかりました。
精神に疾患を持っている方々は、病と付き合いながらも、仕事に活かせる資格など、とても前向きに生活していることに驚かされました。自分の場所があり、家族からの愛情や、住んでいる地域の人たちの理解や支えがあり、相談にのってくれる人たちが周りにいるなかで生活することの大切さに気づかされました。
精神疾患の方の気持ちを、すべて理解することは難しいですが、お二人のお話を聞いて少しでも理解し寄り添えるようになりたいと思いました。
看護学校で、勉強することは、覚えることがたくさんあったりして苦しくなることもありますが、こうした授業の中で、充実した学びを得ると楽しくなります。
在宅看護論
在宅看護論の授業の一環として9月25日、佐々木公一さんと妻の節子さんによる公演が行われました。
佐々木さんは厚生労働省の難病に指定されているALS(筋委縮性側索硬化症)を49歳で患い、今年で24年になります。ALSとは全身の筋肉が徐々に低下していき、人工呼吸器を付けなければ自力で呼吸することさえ困難になる神経の難病です。 呼吸器をつけているため話すことはできません。
学生の質問には文字盤(写真参照)を使用し、答えていただきました。
佐々木さんはNPO法人、患者会の役割や、本の出版など幅広い活動を行い、難病を抱えながらもそのことに悲観せず前を向いて歩み続けています。そんな佐々木さんの言葉には一言一言に重みがあり、座学での講義では決して感じることのできない現実の姿から多くのことを学ばせていただく機会となりました。
介護、介助の世界では強さや競争ではなく「やさしさ」の価値観が優先され、やさしさの連鎖は広がっていくと佐々木さんはおっしゃられています。
このことを聴き、看護師となる身として相手の立場に立ち、やさしさを持って病める人を支えることのできるように、日々の学習を妥協せず行っていこうと思いました。
さらに在宅看護論の授業では、校内実習も行います。学内の実習室を使用し、在宅での胃瘻や痰の吸引の援助をモデル人形を使用し練習したり、在宅酸素療法(HOT)や非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の取り扱いや装着体験を行ったりすることができます。
病院とは異なる在宅ならではのコスト面を考えた援助を知ることができます。また自ら体験することで患者さんの気持ちを体感することができ、座学だけでは得ることのできないとても学びの多い実習となっています。
看護学校での授業では、このように充実した学びを得ることができます。沢山の知識を吸収することは時に大変なこともありますがその分、成長することができます。入学を考えている皆さん、当校で私たちと一緒に楽しみながら成長し、学びを深めてみませんか?