PFOS・PFOAに関するQ&A集~よくあるご質問と回答~
令和7年8月1日 更新
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水道水におけるPFOS等については、国の定める暫定目標値を大幅に下回っており、 水道水の安全性を確保しています。安心してお飲みください。▶水道局では、PFOS・PFOAについて、年4回検査を行っており、給水栓(蛇口)において暫定目標値を超過するおそれのある場合には、PFOS・PFOAの濃度が高い井戸を停止する等の対応を行っています。
▶暫定目標値の50ng/Lは、人(平均体重50kg)が生涯にわたり、毎日2L飲用したとしても健康に影響がない値(TDI)として設定されています。
出典: PFOS、PFOAに関するQ&A集(環境省、R6年8月)
厚生労働省ホームページ(令和元年度第2回水質基準逐次改正検討会 資料1)
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令和7年6月30日に「水質基準に関する省令」が改正され、PFOS・PFOAを「水質基準項目」とし基準値としてPFOS・PFOAの合計として50ng/L以下であることと規定し、令和8年4月1日から施行されることになりました。
※水質基準は0.00005mg/Lですが、このQ&Aでは50ng/Lと表記しています。
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水道局では、水質基準への引き上げで求められる水質検査や水質基準への適合に関する対応を既に実施しています。▶水道局では、国が水道水の暫定目標値を設定する以前から、PFOS等の検査を実施しており、局HPで検査結果を公表しています。
▶R8年4月1日から適用される水質基準値は、現在の暫定目標値50ng/Lと同じ値です。水道局では、水質基準と同様に年4回の検査を実施しており、給水栓における値は50ng/Lを大幅に下回っています。
▶引き続き、水質基準等を遵守して、安全な水道水を供給していきます。
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都は、都内全域(島しょを除く)の260ブロックにおいて、地下水中のPFOS、PFOA、PFHxSの調査を順次行っています。暫定指針値※を超過した地点については、井戸水を飲まないようにしましょう。※令和7年6月末から指針値に変更▶測定結果は以下のページでご確認いただけます。
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/water/groundwater/sonota
▶暫定目標値の50ng/Lは、人(平均体重を50kg)が生涯にわたり、毎日2L飲用したとしても健康に影響がない値(TDI)として設定されています。
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・専用水道は、寄宿舎等の施設で導入されている場合がある私営の水道です。
・都では地下水等を利用している専用水道の設置者に対して、これまでも暫定目標値に基づき助言を行っており、現在は令和8年4月1日から施行される「基準値」を遵守できるよう指導しています。
・PFOS・PFOAの低減が必要な施設に対しては、公営水道を使用することや処理装置を導入することなどの対策を講じるよう技術的助言をしています。
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国は、最新の科学的知見に基づき、健康に悪影響が生じないと考えられる値として水道の水質基準値を50ng/L以下であることとしました。
国・機関 目標値等 PFOS 目標値等 PFOA 備考 日本(2025) 50 ng/L
(PFOS、PFOAの合算)2026年4月1日から「水質基準項目」に引き上げ WHO – – 2022年に暫定ガイドライン値としてPFOS 100 ng/L、PFOA 100 ng/Lを提案。総PFASは500 ng/Lを提案 米国(2024) 4 ng/L 4 ng/L 2024年4月に飲料水規制を公表
2027年までに飲料水中のPFAS値のモニタリングと測定値の情報公開を実施し、基準を超過した場合は2029年までに削減措置を実施
PFHxS、PFNA、GenX化合物、PFBSの混合物としてのハザード指数(1.0)を設定
※ただし、2025年5月にPFOS、PFOA以外の基準化を撤回するとともに、PFOS、PFOAの削減措置の期限を2031年とする方針を表明英国(2024) 100ng/L 48種類のPFAS合計 ドイツ(2017) 100 ng/L 100 ng/L 2023年に飲料水に係る法令が改正され、20種類のPFAS合計(C=4~13の各PFSA及びPFCA)100 ng/Lは2026年、4種類のPFAS(PFOS、PFOA、PFNA、PFHxS)合計20 ng/Lは2028年に適用予定 カナダ(2024) 30ng/L 25種類のPFAS合計
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食品安全委員会の食品健康影響評価書では、「通常の一般的な国民の食生活(飲水を含む) から食品を通じて摂取される程度のPFOS及びPFOAでは、著しい健康影響が生じる状況にないものと考える。」としています。▶ 食品安全委員会は、人が生涯にわたって毎日摂取し続けたとしても、健康への影響がないと推定される1日当たりの摂取量(TDI)を、PFOS 20ng/kg 体重/日、PFOA 20ng/kg 体重/日に定めました。
▶ 2012年~2014年の農林水産省調査では、日本人の食生活において、一日当たりの平均的な推定摂取量は、PFOS 0.60~1.1ng/kg 体重/日、PFOA 0.066~0.75ng/kg体重/日でした。
出典:評価書 有機フッ素化合物(PFAS)(食品安全委員会、R6年6月)
トータルダイエットスタディ (農林水産省、2012-2014年)
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農林水産省では、令和3~4年度に水産物中のPFOS・PFOAの含有実態調査を実施したほか、令和6年度には国産の農畜水産物を対象に食品中のPFASの含有実態調査を実施しています。このほか、令和5~9年度に農地土壌や農業用水、食品中のPFASの一斉分析法の開発、農業環境から農産物への移行、蓄積等に関する研究を進めています。
出典:食品中のPFASに関するQ&A(農林水産省)
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農林水産省では、下水汚泥等の国内資源を原料とする汚泥肥料のPFOS・PFOAの分析法を令和3年に開発するとともに、その過程で得られたデータを活用することで、PFOS・PFOAを含む汚泥肥料に対する現時点の考え方を整理しました。
仮に、分析に用いた汚泥肥料のうち最も高い濃度を示したもの(250 ㎍/kg)を⾧期間使ったほ場で生産した農作物を毎日食べ続けたとしても、試算上、耐容一日摂取量(TDI)を超過しないと公表しています(令和6年6月)。
出典:汚泥肥料中の PFOS 及び PFOA について(農林水産省)▶ 東京都では、下水汚泥から「下水再生りん」を生産しており、既存の肥料原料と混合され、複合肥料として使われます。「下水再生りん」におけるPFOS・PFOA含有量の合算値は最大2.4 ㎍/kg (令和6年5月~12月に4回測定)であり、上記の濃度(250 ㎍/kg)を大きく下回っています。
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身の回りの製品について、特段心配するようなことはありません。PFOS・PFOAは既に製造・輸入等が禁止されており、PFOS・PFOAを使用した製品が新たに流通することは想定されません。▶フライパンや撥水スプレー等の身の回りの製品には、フッ素コートされたものやフッ素系撥水剤を用いたものがありますが、これらに用いられるフッ素樹脂はPFOS・PFOAとは別の物質です。
▶かつてはフッ素コート剤の製造過程でPFOAが使用されていましたが、日本国内でPFOAの使用等が禁止される(2021年)前の2013年末に、企業の自主的な取組としてこのような使用は全廃されています。
▶なお、歯磨き粉・洗口剤等のむし歯予防のために使用するフッ素は無機フッ素化合物であり、有機フッ素化合物であるPFASとは全く異なる物質です。
出典:PFOS、PFOAに関するQ&A集(環境省、R6年8月)
PFASと歯科で使用する無機フッ素化合物について
(公益社団法人 日本小児歯科学会 小児保健委員会 R5年3月)
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通常家庭で使われている住宅用消火器にはPFOS・PFOAを含んでいるものはありません。▶消火器には住宅用消火器と業務用消火器の2種類がありますが、住宅用消火器にはPFOS・PFOAを含んでいるものはありません。
▶業務用消火器の一部(機械泡消火器と強化液(中性)消火器の一部)にはPFOS・PFOAが含まれているものがありましたが、ホームセンター等の店頭で販売されている業務用消火器はPFOS・PFOAを含んでいない粉末消火器が大半ですので、家庭にPFOS・PFOA含有消火器が置かれている可能性はほとんどありません。
出典:PFOS、PFOAに関するQ&A集(環境省、R6年8月)
▶東京都では、都内における新たなPFOS排出リスクを低減していくため、PFOSを含有する泡消火薬剤を装備したままのものがあれば、PFOS非含有泡消火薬剤への交換や処理に関する費用を補助しています。
【対象】都内の駐車場の中で、所定の消火設備を所有する事業者(民間の企業、マンション管理組合等)
【補助率】大企業:補助対象経費の1/2の額(上限500万円)
中小企業等:補助対象経費の2/3の額(上限700万円)
【問い合わせ先】公益財団法人東京都環境公社技術支援部技術課
電話:03-3633-2282
HP: https://www.tokyokankyo.jp/apply/pfos/
【受付時間】月曜日から金曜日(国民の祝日及び年末年始を除く)
午前9時から午後5時まで(午後0時から午後1時を除く)
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PFOS・PFOAはいずれも既に製造・輸入が原則禁止されており、環境省の調査によると、2009年以降、同一の測定点において水質(河川等)、底質、大気中の濃度が全体的な傾向として年々減少傾向にあります。▶PFOS・PFOA・PFHxSはいずれも「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」に基づき、既に製造・輸入等が原則禁止されています(PFOSは2010年、PFOAは2021年、PFHxSは2024年)。
▶環境省による調査によると、全体的な傾向として、水質、底質及び大気については、経年的な濃度の減少傾向が統計的に有意であること、また、生物については、おおむね検出率が経年的に減少していることが統計的に明らかとみられており、一般環境中におけるPFOS・PFOA濃度の減少傾向が示唆されています。
出典:PFOS、PFOAに関するQ&A集(環境省、R6年8月)
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徐々に、体外に排泄されていきます。▶PFOS・PFOAは身体に残り続けるものではなく、摂取量が減れば体内濃度は下がります。
▶PFOS・PFOAは代謝されにくいものですが、消化管から体内に吸収され、その後ゆっくりではありますが、体内から排泄されていくと考えられています。
▶例えば、欧州食品安全機関によると、新たな摂取がない場合に人の体内の濃度が半分になるまでの、時間(半減期)はPFOSで平均5.7年、PFOAで平均3.2年とされています。
出典:PFOS、PFOAに関するQ&A集(環境省、R6年8月)
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国の専門家会議は、「動物実験では、肝臓の機能や仔動物の体重減少等に影響を及ぼすことが指摘されています。また、人においてはコレステロール値の上昇、発がん、免疫系等との関連が報告されています。しかし、どの程度の量が身体に入ると影響が出るのかについては十分な知見はありません。」としています。▶国の食品安全委員会は、「現時点の科学的知見に基づくと、動物試験の結果から算出した健康影響に関する指標値として、TDIをPFOS20ng/kg体重/日、PFOA 20ng/kg体重/日とすることが妥当」としています。
出典:PFOS、PFOAに関するQ&A集(環境省、R6年8月)
食品安全委員会「有機フッ素化合物(PFAS)」評価書(R6年6月)
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国の専門家会議は、「現時点での知見では、どの程度の血中濃度でどのような健康影響が個人に生じるかについては明らかとなっていない。このため、血中濃度に関する基準を定めることも、血液検査の結果のみをもって健康影響を把握することも困難である。」としています。▶国の食品安全委員会が発表した健康影響評価書では「血中濃度については、ドイツのHBM委員会及び米国科学・工学・医学アカデミーが血清/血漿PFAS濃度の指標値を示しているものの、指標値を超過しても必ずしも健康影響を及ぼすものではないとしている。」とされています。
出典:PFOS、PFOAに関するQ&A集(環境省、R6年8月)
食品安全委員会「有機フッ素化合物(PFAS)」評価書(R6年6月)
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国の食品安全委員会が発表した健康影響評価書では「ヒトにおけるPFOS及びPFOAの体内動態については不確実な点が多いため、測定された血中濃度の結果から、PFASの摂取量やばく露量、時期、期間等を推測することは、現時点の知見では困難である。」としています。
出典:食品安全委員会「有機フッ素化合物(PFAS)」評価書に関するQ&A(R6年6月)
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都は、泡消火薬剤等の漏出による地下水等への影響について、国の責任において調査・分析・評価を行い、その結果を公表するとともに、必要な対応を行うことなどを要請しました。▶都は、横田飛行場内において泡消火薬剤に関する事案が発生した際や、基地対策に関する要請活動の際に、詳細な情報提供や国の責任による対応を繰り返し要請してきました。
▶横田飛行場内において、PFOS等を含む泡消火薬剤の漏出があったが、場外へ流出したと認識していないなどとの情報が、国を経由して都に報告されています(令和5年7月、令和7年6月)。
・平成22年1月(約19~38L)、平成24年10月(約97L未満)、平成24年11月(約3,030L)、令和5年1月(PFOS等を含む水約950L)
・なお、国からは、横田飛行場においては、令和6年5月末までに旧式の泡消火薬剤の廃棄を完了し、置き換えられた泡消火薬剤には、原料にPFOS、PFOA及びPFHxSのいずれも含まれていないと米側から説明を受けたとの回答がありました。
▶横田飛行場内において、令和6年8月にPFOS等を含む泡消火薬剤の残留を含む水が、豪雨により、施設外へ出た蓋然性が高いとの情報が、国を経由して都に報告されています(令和6年10月)。
・国と都は、周辺の河川等において水質調査を行い、暫定指針値※を下回っていることを確認しました。(令和6年10月、11月)
※令和7年6月末から指針値に変更
・貯水池等に残っていたPFOS等を含む水は、粒状活性炭フィルターにより浄化し、雨水排水路に放流されました(令和7年6月)。国と都は、周辺の河川等において水質調査を行い、放流中を含めすべて指針値を下回っていることを確認しました(令和7年7月)。
記事ID:115-001-20250730-015726