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薬物乱用防止高校生会議

薬物乱用防止高校生会議について

 東京都保健医療局では、平成11年度から薬物乱用防止について、高校生自らが講義や施設見学等を通じて学習を深め、その成果を同世代に向けたメッセージにまとめ、広く発信していくという標記事業を実施しています。

高校生会議の目的

(1) 高校生自らが薬物乱用を身近な問題としてとらえ、薬物の害悪性を理解するとともに薬物の誘惑を排除できる能力を習得する機会を設ける。
(2) 参加高校生が学習した内容を広く同世代の仲間に発信していくことによって、より効果的な啓発活動を展開する。
(3) 学校現場における薬物乱用防止に関する指導手法の構築を図る。

実施の背景

1 薬物乱用の状況

 現在の薬物乱用状況は、依然として覚醒剤事犯が薬物事犯の大半を占めており、全薬物事犯検挙者数は1万人を超え、高止まりの状況にあります。
 大麻事犯の検挙者数は平成25年以降増加が続き、令和3年は全国で5,400人を超え、過去最多を更新しました。特に10代・20代の検挙者数が全体の約7割を占めるなど、若年層による大麻の乱用が深刻化しています。  
 危険ドラッグを販売している街頭店舗は全滅したものの、取引が潜在化し、インターネットやSNS等を介して危険ドラッグが売買されています。
 以上の状況から、薬物乱用は遠い世界の話ではなく、一般市民・学生の日常生活に忍び寄っています。また、大麻は「無害である」「海外で合法化されているから安全だ」などといった誤った情報に基づき、特に中学生・高校生が乱用するといった、薬物乱用の低年齢化が進行しています。
 さらに、新たに乱用者となった青少年が仲間内で乱用を勧めたり、自らの薬物を購入する資金を得るため密売に加担するなど、深刻な事態が起こっています。

2 青少年を取り巻く社会環境の変化

 薬物乱用が青少年の間で増加した要因としては、スマートフォンが普及しインターネットやSNS等により容易に薬物に関する情報収集・交換ができるようになったことが挙げられます。

3 青少年の安易な乱用傾向

 薬物を乱用するきっかけは、薬物に対する好奇心や仲間意識といった軽い気持ちから安易に始める場合が多いです。例えば「覚醒剤は頭が冴えて成績が上がるよ」「大麻は海外で合法化されているから安全だ」などと誘われて、誤った認識を持ったり、覚醒剤を「S」「スピード」、大麻を「マリファナ」「クサ」などと呼んでファッション感覚で乱用する傾向があります。こうした認識が、薬物に対する警戒感や抵抗感、罪悪感を希薄化させ、薬物乱用に至る負の連鎖を招いています。

4 薬物に起因する犯罪

 薬物乱用は、個人の問題に止まらず凶悪事件を引き起こし社会的な悲劇を生む場合があります。薬物の影響による被害妄想で無差別に人に襲いかかるといった事件や薬物購入資金を得るために各種犯罪が引き起こされています。さらに、家庭内暴力等により家庭を崩壊させ、また、薬物の収益が暴力団等犯罪組織の資金源になるなど、健全な社会生活に深刻な影響を与えます。

5 薬物の依存性

 薬物乱用の恐ろしいところは、薬物の持つ依存性です。乱用を繰り返すうちに、やめたいと思っても次第に自分の意志でやめられなくなり、健全な心と体の成長が妨げられてしまうことです。

6 薬物乱用防止高校生会議

 このような現状と問題点について正しい認識を持ったうえで、高校生が自ら薬物乱用防止について考え、これをメッセージとしてまとめます。そして、同世代に向けたアピールを行うという、高校生による高校生のための薬物乱用防止活動として薬物乱用防止高校生会議を実施しています。

実施要領

実施状況

令和4年度 高校生会議

 令和4年度は、都立三田高等学校が選ばれ、生徒15名が参加しました。本年度は、校外学習として、警視庁本部で警察犬による薬物捜索の見学や薬物捜査を担当する警察官から講義を受講したほか、東京税関羽田税関支署において不正薬物の摘発概況についての講義を受講し、施設見学を行いました。さらに、弁護士を講師として高校に招き、弁護士の立場から見た薬物乱用防止について、理解を深めました。
 学習成果として、「令和4年度麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動都民大会」において、薬物の基本的な知識や現状に加え、大麻の運び屋になってしまった若者の話を演劇にして発表し、「薬物の害から身を守るためには、薬物問題を自分事としてとらえることが大切である」という強いメッセージを発信しました。
 さらに、高校生会議を通して学んだこと、感じたことをもとに薬物乱用防止のためのリーフレットを作成しました。このリーフレットには、自分自身が心の拠り所となることで、大切な人を薬物乱用から守ることができるという熱い思いが込められています。

薬物乱用防止高校生会議リーフレット

令和3年度 高校生会議

 令和3年度は、都立小平西高等学校が選ばれ、生徒15名が参加しました。本年度は、校外学習としては東京地方裁判所において薬物事犯の裁判を傍聴したほか、警視庁本部において警視庁見学を行った後、薬物捜査に従事する警察官から薬物事犯捜査の実際についての講義を聴講しました。これらの経験を踏まえ、生徒同士で会議を通じて意見交換を行い、薬物乱用防止について理解を深めました。
 学習成果として、「令和3年度麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動東京大会」において、高校生が薬物依存に陥り、友人達と苦しみながら回復の道を歩む姿を描いた演劇を発表しました。さらに高校生会議に参加した生徒の皆さんは、高校生会議を通して学んだこと、感じたことをもとに薬物乱用防止のためのリーフレットを作成しました。このリーフレットでは、薬物の種類や身体への影響、薬物を誘われたときの断り方などを紹介しています。生徒の皆さんは、薬物の恐ろしさやその対処法を同世代の皆さんに知ってもらい、薬物乱用を防ぎたいという熱い思いをこのリーフレットに込めました。

薬物乱用防止高校生会議リーフレット

令和2年度 高校生会議

  令和2年度は、都立松原高等学校、都立芦花高等学校の2校が選ばれ、両校の生徒16名が活動しました。本年度は、校外学習として東京都薬用植物園において規制植物の見分け方の実習を行ったり、各高校において薬物取締に携わる警視庁警察官からの講義を聴講したりしました。また、新型コロナウイルス感染拡大により集合形式の会議の開催が制限されるなか、オンライン会議方式によりグループディスカッションを行い、参加生徒が活発に意見を交わし互いに理解を深め合いました。
 これらの活動の成果として、参加した高校生の皆さんが中心となり、意見やアイディアを出し合い、薬物乱用防止のためのリーフレットを作成しました。このリーフレットの中では、若者の間で乱用拡大が懸念されている大麻の危険性や薬物の誘惑に負けないための対処法を取り上げています。生徒の皆さんは、薬物の危険性を同世代の皆さんに知ってもらい、これから待つ輝かしい未来を守りたいという熱い思いをこのリーフレットに込めました。

薬物乱用防止高校生会議リーフレット

令和元年度 高校生会議

 令和元年度は、都立葛飾野高等学校、都立葛飾商業高等学校の2校が選ばれ、両校の生徒16名が活動しました。本年度は、警視庁本部において、警視庁薬物捜査員による講義や東京地方裁判所での薬物事犯の裁判傍聴、依存症治療に携わる医師からの講義や元薬物乱用者からの講話など、薬物乱用の状況を実地で学習することで知識を深めました。
 これらの活動の成果として、麻薬・覚醒剤乱用防止運動都民大会において、葛飾野高校は校外学習で聴講した警視庁職員の経験談をもとに、薬物依存を乗り越え、社会復帰を目指した一人の女性の姿を描いた動画を作成しました。 また、葛飾商業高校は、高校生会議内で行われた講義や講演、校外学習で学んだことや自ら調べたことをスライドにまとめ発表し 、両校から同世代に向けて薬物乱用防止の強いメッセージを発信しました。さらに参加した高校生の皆さんが中心となって意見やアイディアをお互いに出し合い、薬物乱用防止の為のリーフレットの作成に取り組みました。このリーフレットは「勇気を出して断る・離れる」を合言葉とし、薬物乱用 が高校生の身近な問題であること、薬物の誘惑からの断り方・対処方法等をわかりやすく説明することで、薬物の恐ろしさを知ってもらい、薬物乱用を防ぎたいという生徒の熱い思いが込められたものとなっています。

薬物乱用防止高校生会議リーフレット

平成30年度 高校生会議

 平成30年度は、都立八王子拓真高等学校、都立富士森高等学校の2校が選ばれ、両校の生徒21名が活動しました。本年度は、警視庁本部において、警視庁薬物捜査員による講義や東京地方裁判所での薬物事犯の裁判傍聴、依存症治療に携わる医師からの講義受講、元薬物乱用者からの講話など、薬物乱用を取り巻く状況を実地で学習して知識を深めました。
 これらの活動の成果として、麻薬・覚醒剤乱用防止運動東京大会において、富士森高校は会議を通じて学んだ知識や想いを、スライドを使用して発表しました。また、八王子拓真高校は自ら台本などを作成し、一人の女性が薬物乱用から逮捕され裁判で有罪判決を受けるまでの流れを生徒自ら撮影した映像と舞台演劇で発表し、両校から同世代に向けて薬物乱用防止の強いメッセージを発信しました。さらに参加した高校生の皆さんが中心となって意見やアイディアをお互いに出し合い、薬物乱用防止の為のリーフレットの作成に取り組みました。このリーフレットは、薬物乱用が高校生の身近な問題であること、薬物の誘惑からの断り方・対処方法等をわかりやすく説明することで、薬物の恐ろしさを知ってもらい、薬物乱用を防ぎたいという生徒の熱い思いが込められたものとなっています。

 

薬物乱用防止高校生会議リーフレット

平成29年度 高校生会議

 平成29年度は、都立石神井高等学校、都立井草高等学校の2校が選ばれ、両校の生徒24名が活動しました。本年度は、東京地方裁判所での薬物事犯の裁判傍聴、薬物捜索犬の訓練見学、精神保健福祉士や依存症治療に携わる医師からの講義受講、元薬物乱用者からの講話など、薬物乱用を取り巻く状況を実地で学習して知識を深めました。
 これらの活動の成果として、麻薬・覚醒剤乱用防止運動都民大会において、台本の作成から小道具、音響、映写スライドなど全て両校の生徒で作り上げた「高校生による違法薬物の断り方~私は大丈夫って思っていませんか~」と題した劇を発表し、同世代に向けて薬物乱用防止の強いメッセージを発信しました。さらに参加した高校生の皆さんが中心となって意見や知恵をお互いに出し合い、リーフレットの作成に取り組みました。このリーフレットは、薬物乱用が高校生の身近な問題であることや誘惑に負けない対処方法等をわかりやすく説明し、薬物の恐ろしさを知ってもらい、薬物乱用を防ぎたいという生徒の熱い思いが込められたものとなっています。

薬物乱用防止高校生会議リーフレット

平成28年度 高校生会議

  平成28年度は都立足立高等学校と都立足立西高等学校の2校が選ばれ、両校の生徒27名が活動しました。本年度は、東京地方裁判所での薬物事犯の裁判傍聴、薬物捜索犬の取締訓練など警視庁本部の施設見学、元警視庁薬物捜査員や依存症治療に携わる医師からの講義受講、元薬物乱用者からの講話など、薬物乱用を取り巻く状況を実地で学習して知識を深めました。
  これらの活動の成果として、麻薬・覚醒剤乱用防止運動東京大会において、シナリオやセリフ、映写スライドなど全てを両校の生徒で考えた「危ない誘惑!断る勇気!Stop Drug!」と題した模擬授業を発表し、同世代に向けて薬物乱用防止の強いメッセージを発信しました。さらに参加した高校生の皆さんが中心となって意見や知恵をお互いに出し合い、リーフレットの作成に取り組みました。このリーフレットは、薬物乱用が高校生にとっても身近な問題であることを強く訴えるとともに、誘惑に負けない対処方法等もわかりやすく説明し、自分はもちろん周りの人からも薬物乱用を防ぎたいという生徒の熱い思いが込められたものとなっています。

薬物乱用防止高校生会議リーフレット

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お問い合わせ

このページの担当は 健康安全部 薬務課 麻薬対策担当(03-5320-4505) です。

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