東京の火葬場について

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 火葬場は、地域住民にとって必要不可欠な公共インフラであり、その安定的かつ継続的な運営の確保は重要です。一方で、多死社会の進展を背景に、今後、都内全体で火葬需要が長期的に増え続けることが見込まれます。
 東京には、歴史的な経緯から23区を中心に民間事業者が運営する火葬場が多く存在するなど、他の自治体にはない特徴があります。そこで、東京の火葬場の現状などについて分かりやすくまとめたQ&Aを作成しました。

 
Q1
東京には火葬場がいくつあるの?
Q2
東京では1年間にどれくらい火葬が行われているの?
Q3
東京の火葬場の成り立ちは?
Q4
火葬場を経営するには?
Q5
火葬場への指導は誰がするの?(東京都と区市町村の役割)
Q6
東京の火葬場は将来足りるの?
Q7
都内の火葬場が不足する見込みを踏まえてどうするの?
Q8
火葬場の経営管理のあり方に関する課題は?
関連ページ
 

Q1 東京には火葬場がいくつあるの?

 

・都内の火葬場は26か所あり、23区に9か所多摩地域に9か所島しょ地域に8か所あります。
・そのうち8か所は民間事業者が運営する民間火葬場であり、うち7か所23区内にあります。
 ※民間火葬場は、全国に13か所あります(令和8年4月時点)。
・全国には1,300か所を超える火葬場があり、その97%が市町村又は区市町村の一部事務組合(地方公共団体が、その事務の一部を共同して処理するために設ける特別地方公共団体のことが運営する公営火葬場です。

23区・多摩地域の火葬場

 

Q2 東京では1年間にどれくらい火葬が行われているの?

 

・都が実施した調査では、令和6年度に都内の火葬場で行われた火葬の件数は約15万件、そのうち23区にある火葬場で11万件市町村(島しょ除く)にある火葬場で約4万件の火葬が行われました。
・また、23区で行われた火葬の件数のうち民間火葬場で行われたものが8割を占める一方、市町村(島しょ除く)においては公営火葬場で行われたものが7割を占めています。

    ※令和6年度火葬実績(一年当たりの火葬実施件数)  (単位:件)

公営火葬場

民間火葬場

合計

都内全体

49,061(32%)

102,275(68%)

151,336

23区

17,229(16%)

90,100(84%)

107,329

市町村(島しょ除く)

31,492(72%)

12,175(28%)

43,667

   (東京都保健医療局「火葬場の運営等に係る実態調査」(令和8年3月)より)
 

 

Q3 東京の火葬場の成り立ちは?

 

・江戸時代から、23区の地域では、人口集中等を背景に、寺院の境内などに設けた火葬場で火葬が行われていました。地域内には7か所の火葬場が存在し、その一部は、現在の民間火葬場の起源になっています。
・こうした経緯から、23区では、現在も主に民間施設で火葬が行われています
※なお、23区には2か所の公営火葬場があります。
 1か所は、江戸川区にある東京都瑞江葬儀所で、昭和13年に当時の東京市が開設した火葬場です。もう1か所は、大田区にある臨海斎場で、平成16年に港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区が共同で開設した火葬場です。
多摩地域では、昭和の前半まで土葬が存続していました。多摩地域の火葬場は、明治・大正期に設置された小規模な火葬場の一部が公営化した施設や、戦後に自治体により整備された施設が中心となっています。

 

 

Q4 火葬場を経営するには?

 

墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号、以下「墓埋法」という。)は昭和23年に施行されました。火葬場を経営しようとする者は、23区と多摩地域では区市町村長、島しょ地域では東京都知事の許可を受けることが必要となっています。
・火葬場の経営主体について、国は、火葬場の非営利性・永続性を確保する観点から、原則、市町村等の地方公共団体でなければならず、これにより難い事情がある場合であっても宗教法人、公益法人に限る、との考えを示しています。(昭和43年旧厚生省通知)
・ただし、昭和23年の墓埋法の施行時に既に開設していた民間火葬場については、法律の附則により経営の許可を受けたものとみなすこととされました。こうしたことから、都内では現在も23区を中心に多くの民間火葬場が運営されています。

➢参考
 第1回火葬場に係る検討会 参考資料2「火葬場の経営主体について」

 

Q5 火葬場への指導は誰がするの?(東京都と区市町村の役割)

 

・墓埋法では、火葬場の運営に関し、必要に応じて地方公共団体が火葬場の指導監督の権限として立入調査、報告の要求や行政処分として経営許可の取消しなどを行うことができると定められています。
・こうした火葬場の指導監督等の権限は、火葬場が所在する各区市町村(※)が有しており、各自治体が所在する火葬場に指導監督を行っています。なお、島しょの町村にある火葬場の指導監督等の権限東京都が有しています。
※墓埋法の条文では、火葬場の経営等の許可や指導監督などは都道府県知事の権限とされていますが、昭和50年の特別区への保健所設置、平成24年の地方分権一括法の施行、平成25年の市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の施行により、火葬場の運営に関する指導監督等の権限は、基礎自治体である23区(特別区)、市及び多摩地域の町村に移譲されています。
➢参考
 墓地、埋葬等に関する法律 | e-Gov 法令検索

 

Q6 東京の火葬場は将来足りるの?

 

・今後数十年間、都内の死亡者数は増え続け、2065年頃には年間約20万人となり、2025年の約1.4倍になる見込みです。
・そのため、火葬の件数も今後増えていくと考えられます。東京都が実施した調査に基づく試算では、既存の火葬場を現在と同程度に稼働させた場合(約16万件/年)、2035年頃には需給がひっ迫し、その後、火葬能力が不足する状況が続いていく見通しです。

  

死亡者数の長期推計に基づく火葬需給の試算①

 

 

・また、各火葬場で受け入れが可能な火葬枠を最大限に活用し、全ての火葬場が年間を通じて最大限稼働した場合でも、将来的には都内全体の火葬能力は限界に近づく見通しです。
※実際には、火葬場を運営する人員の確保や機器のメンテナンス等が必要なため、年間を通じて最大限稼働し続けることは困難です。

  

死亡者数の長期推計に基づく火葬需給の試算②

 

・しかし、亡くなる方が多い冬季については、全ての火葬場が最大限稼働した場合でも、2040年頃には需給がひっ迫し、その後、火葬能力の不足する状況が続くことも想定されます。
 需給がひっ迫し火葬場の空きがない状況が都内全体で続くことになれば、今よりも火葬までの待ち日数が長くなる可能性があります。
※都の調査では、火葬場の稼働率が高くなる冬場において、申込みから火葬までにかかる日数は平均で約8日でした。(令和6年度)

 

死亡者数の長期推計に基づく火葬需給の試算③

 

➢参考
 第1回火葬場に係る検討会 資料2「東京の火葬の現状と将来需給」
 東京都保健医療局「火葬場の運営等に係る実態調査の結果について」(令和8年3月)
 

 

Q7 都内の火葬場が不足する見込みを踏まえてどうするの?

 

・火葬場は、地域住民にとって必要不可欠な公共インフラであり、その安定的かつ継続的な運営の確保は、公衆衛生及び公共の福祉の観点から重要です。
・東京においては、今後増え続ける火葬需要に対応するため、火葬能力の増加に向けた対応が必須となる状況です。
・また、民間火葬場が多く存在する東京の実情を踏まえ、民間火葬場の料金設定や運営に対する行政の関与など、火葬場の適切な経営管理のあり方についても考えていく必要があります。
・こうしたことから、東京都は、都内自治体関係者及び有識者で構成された「火葬場に係る検討会」を令和8年6月に設置し、今後の死亡者数の増加を踏まえた火葬能力の確保や民間火葬場への行政関与のあり方などについて議論を開始しました。
・この検討会では、令和8年度末を目途に検討結果を取りまとめることとしており、今後、火葬行政を担う区市町村と連携して、議論を深めながら必要な対応を検討し、将来にわたる安定的な火葬体制の確保に向けた取組を進めていきます。
➢参考
 東京都保健医療局「火葬場に係る検討委員会について」

 

Q8 火葬場の経営管理のあり方に関する課題は?

 

・東京においては、歴史的経緯から、23区を中心に民間火葬場が多数存在しています。
・しかし、現在の墓埋法は、区市町村などの公的団体が経営することを前提としたつくりとなっており、民間火葬場を指導監督するための規定が整っていない状況(※)です。
・例えば、近年、燃料費の高騰等を背景に、民間火葬場を中心に火葬料金の値上げが相次いでいますが、法律上、火葬料金の設定やその変更にあたり、指導監督権限を有する自治体がどこまで関与できるのか、明らかになっていません
火葬場は公共性の高い施設であり、運営主体が公であるか民間であるかに関わらず、指導監督権限を持つ自治体が、安定性・継続性の観点から適切に関わっていくことが重要です。
・このため東京都は、火葬場に対する指導監督権限を持つ特別区とともに、民間火葬場の経営管理に行政が適切に関与できるようにするため、必要な法整備を行うよう国に要望しています
・また、東京都が設置した「火葬場に係る検討会」では、民間火葬場の料金設定など火葬場の経営管理等のあり方について検討していくこととしています

※民間火葬場への指導を根拠づける明確な条文上の文言が無く、具体的な指導の方法に関する考え方等も示されておりません。

 

関連ページ

 

○火葬場の運営実態に関する調査
 東京都は、将来にわたり安心して火葬を行える体制を確保するため、都内外の火葬場の運営実態を精緻に把握し、今後の取組の方向性を検討するため調査を実施しました。(令和8年3月)
 ➢https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/kaso/kasochosa
○火葬場に係る検討会
 東京都は、将来にわたり安心して火葬を行える体制を確保するため、指導監督権限を有する区市町村の関係者や有識者で構成された火葬場に係る検討会を設置しました。(令和8年6月~)
 ➢https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/kaso/kento
○国への要望
 指導監督権限を有する特別区(23区)と東京都は共同で国に対し、民間火葬場の経営管理に係る法改正を要望しています。
 ・民間火葬場の経営管理に関する共同要請(令和7年11月25日)
  ➢https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/11/2025112503
 ・民間火葬場の経営権変更に対する行政の関与に関する要望(令和8年6月3日)
  ➢https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/06/2026060419
○厚生労働省ホームページ(墓地・埋葬等のページ)
 ➢https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000123872.html

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