8「化学物質過敏症」とは

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 厚生省(当時)の厚生科学研究「化学物質過敏症に関する研究(主任研究者:石川哲北里大学医学部長(当時))」(平成8年度)において、「最初にある程度の量の化学物質に曝露されるか、あるいは低濃度の化学物質に長期間反復曝露されて、一旦過敏状態になると、その後極めて微量の同系統の化学物質に対しても過敏症状を来たす者があり、化学物質過敏症と呼ばれている。化学物質との因果関係や発生機序については未解明な部分が多く、今後の研究の進展が期待される。」との見解が示されています。

 なお、最近の厚生労働省室内空気質健康影響研究会報告書では、「化学物質過敏症」の呼称について、「MCS(多種化学物質過敏状態)に相当する病態として示す医学用語として必ずしも適当であるとは考えられない」との見解を示しています。

 現在のところ、空気中に微量(空気1立方メートルにマイクログラムの量程度)に含まれる化学物質がヒトにどのような影響を与えるか、また、そのメカニズムなどについては未解明です。また、診断方法や治療方法なども確立していません。 医学領域での今後の研究の進展が期待されます。

※環境省は、「化学物質過敏症」を本態性多種化学物質過敏状態と称しています。

記事ID:115-001-20240726-006648