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家庭用品による健康被害を防ぐには

A:

1.小児の手の届くところに、危険なものを置かない。

小児はいろいろなものに興味が旺盛であると同時に、危険に対する認識が全くと言ってよいほどありません。保護者が近くにいても乳幼児はちょっとした隙に身の回りのものを口に入れてしまいます(「平成11年度家庭用品健康被害病院モニター報告」によれば、事故例中約40%で保護者がそばにいた。)。このことからも誤飲をする可能性があるものを極力子供の手にする可能性がある場所におかないことが最も有効な対策です。

2.衣類の場合

衣服のイラスト

皮膚がチクチクしたり、かぶれや、かゆみを覚えたときは、着るのをやめましょう。
そのまま着ていると症状がひどくなることがあります。一般に皮膚障害の原因には、物理的な刺激によるものと、化学的な刺激によるものとの2つがあります。

物理的な刺激は、繊維や糸の形状や構造によるもので、毛のセーターなどを直接着たりするとチクチクしたりするものです。

化学的な刺激は、繊維製品に、防しわ・防縮などの加工をするために使用している薬剤に含まれる、ホルムアルデヒドなどの化学物質によるものです。
また、ホルムアルデヒドには、空気や水蒸気を通して、他のものに付着・吸収されやすい性質(これをホルムアルデヒドの移染といいます。)がありますから、ホルムアルデヒドが入っていない衣類でも、他にホルムアルデヒドを放散するものがあれば移染してしまうことがあります。

ホルムアルデヒドを拡散するものには、新しいタンスや戸棚などのベニヤ板、合成樹脂板、ペイント、段ボールなどがあります。下着など直接肌に触れる衣類は、こうしたホルムアルデヒドの移染に気をつけてください。特に皮膚のデリケートな赤ちゃんの衣類は、他のものと区別して保管し、さらにポリ袋に入れておけば、移染を防ぐことができます。

3.洗浄剤の場合

トイレ、タイル、排水パイプなどに使用される洗浄剤には、塩酸、硫酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムといった化学物質が含まれているものがあります。これらの化学物質は、体についた場合、刺激性皮膚炎等を起こす性質があります。症状の発現には、化学物質である洗浄成分と様々な人側の要因(皮膚の状態、洗剤の使用法・濃度・頻度、使用時の気温・水温等)が複合的に関与しているものと考えられます。
基本的な障害防止策としては、使用上の注意・表示をよく読み、希釈倍率に注意する等、正しい使用方法を守ることが第一です。
 
必要に応じて、保護手袋を着用することや、使用後、保護クリームを塗るなどの工夫も有効な対策です。

4.エアゾル製品・塗料の場合

エアゾル製品(スプレー製品)は、霧状で使用するため、内容物を吸い込む可能性があります。また、塗料には有機溶剤が入っていることが多いので、有機溶剤中毒を起こすことがあります。これらを使うときは、換気に注意し、長時間の連続使用は避けてください。

5.装飾品

イヤリングや指輪等、装飾品金属が原因となる健康障害には、金属アレルギー等が知られており、金属が装飾品より溶け出して症状が発現すると考えられています。金属アレルギーの原因となる金属は、ニッケルやクロムなどが知られています。
夏場や、運動時等、汗を大量にかく可能性があるときには装飾品類をはずす等、気を配ることが大切です。
初めて装着したり、種類を変えたりした際には、アレルギー症状に対して特に注意を払ってください。

症状が発現した場合には、原因物質の装着をさけ、装飾品を使用する場合には別の素材のものに変更し、さらに早急に専門医の診察を受けてください。

6.ゴム・ビニール手袋

既往歴があり、ゴム・ビニール手袋による皮膚障害が心配される場合には、以前問題が生じたものとは別の素材を使用するなど等の対策が必要です。
また、はじめは軽度な障害であっても当該製品の使用を続けているうちにさらに悪化してしまうこともあります。何らかの障害が認められた場合、原因と思われる製品の使用を中止し、早急に専門医の診察を受けてください。

7.時計バンド

時計バンドによる障害の大半はアレルギー性皮膚炎が大半を占めています。
症状が発現した場合には、速やかに原因と思われる製品の使用を中止し、早急に専門医の診察を受けてください。

日頃から使用前には、必ず注意書をよく読み正しい使用方法を守るようにし、自己の体質について認識し、製品の素材について注意を払ってください。

お問い合わせ

このページの担当は 健康安全部 薬務課 監視指導担当(03-5320-4512) です。

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