退院した後の生活において気をつけるべき生活習慣や再発時の兆候や緩和ケア、後遺症が出た場合の対応などのポイントを事例形式で解説しています。
高次脳機能障害は、病気や交通事故など、様々な原因によって脳に損傷をきたしたことにより生じる記憶障害や遂行機能障害、注意障害などの認知障害や社会的行動障害により、日常生活や社会生活が制約される障害です。
高次脳機能障害は見えない障害と言われており、外見からは分かりにくく、周囲の人たちの障害に関する理解が必要です。
脳卒中の後遺症には、麻痺のほか、外見からは分かりにくい失語症、てんかん、嚥下障害などがあります。
脳卒中・心臓病の後遺症について
各種相談窓口について
高次脳機能障害の主な治療はリハビリテーション治療です。
高次脳機能障害は、長い年月をかけてなだらかに回復するので、医療機関でのリハビリテーション治療が終了した後でも、家庭や地域社会、職場などへの適応を目的に地域の社会資源を活用した支援を進めていくことが大切です。
高次脳機能障害のリハビリテーション医療について
高次脳機能障害の人の就労支援には、個別のニーズに合わせた支援計画、職業訓練プログラム、職場環境の適応、教育や啓発、キャリア開発や進路支援などが重要な要素となります。
後遺症がある方の就労支援について
<監修>
安保 雅博(東京慈恵会医科大学附属病院副院長、リハビリテーション科 主任教授・診療部長)
虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)や不整脈、弁膜症あるいは先天性心疾患やウイルス感染などによる心筋炎など、さまざまな原因により心臓のポンプ機能が低下して、身体が必要とするのに十分な血液を送り出すことができなくなることを「心不全」といいます。
心不全について
心不全症状がよくなっても、心臓が元の状態に戻ったわけではありません。繰り返す心不全による再入院を防ぐためには、適切な薬物治療・非薬物治療に加えて運動や食事など日常の生活習慣の見直しが大切です。
退院後の生活について
息苦しい、体がだるい、むくんでいる、急に体重が増えた、などの症状があったら注意が必要です。
心不全の悪化の初期症状
心不全患者さんは、息切れやむくみ、倦怠感、不安、抑うつなどの様々な身体的、精神的症状を有しています。
適切なケアを受けることが、症状の緩和、QOLの向上につながります。
緩和ケアについて
アドバンス・ケア・プランニングとは、自分が病気になったり、介護が必要になったりしたときに、「自分はどう生きたいか」をあらかじめ考え、家族や大切な人、医療・介護ケアチームと繰り返し話し合い、自分の思いを共有することを言います。
「どのような暮らしをしていきたいか」「どんな医療・介護を受けたいか」考え、周囲の人と話し合ってみましょう。
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)について
<監修>
迫村 泰成(牛込台さこむら内科院長)