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ノンシュガーや低カロリーの菓子や飲料を食べたり飲んだりすると下痢をしてしまうのですが、何故でしょうか?【食品安全FAQ】

  • 子供に与えても問題ないでしょうか?

回答

  • ノンシュガーや低カロリーの食品や飲料には、砂糖の代替として「還元水飴」や「キシリトール」などの「糖アルコール」を使用していることがあります。
  • 糖アルコールを摂取すると、体質によっては、一時的にお腹が緩くなることがあります。この場合の下痢は、病原性のある下痢ではなく、長期的に続くものでもありませんので、大きな心配は要りません。
  • ただし、体質には個人差がありますので、気になるときは摂取を控えることが望ましいと考えられます。不安を感じる際は、医師にご相談ください。
  • 虫歯予防や肥満防止の観点から、親が子供にノンシュガーや低カロリーの食品を積極的に与えることもあるようですが、成人と小さい子供では健康に対する影響が異なる場合があります。
  • まずは、バランスの良い食事を主体とし、子供の体調に合わせて摂取しましょう。

詳細

 糖アルコールは、糖質に水素を添加し、化学的に安定させたものです。リンゴなどの天然の食品中にも存在しますが、一般的には酵素反応などにより工業的に生産されています。加熱しても褐変しない性質を持つことから、加工食品に使用されることが多いです。
 糖アルコールには、食品に分類されるものと食品添加物に分類されるものがありますが、いずれも食品への使用が認められています。また、甘さだけでなく清涼感を感じるものもあるため、甘味づけ以外に、菓子類や清涼飲料水に清涼感を出すためにも使われています。さらに、カロリーがほとんどなく、虫歯予防にも効果があると言われていることから、ダイエット食品や虫歯予防をうたった食品にも広く使用されています。
 多量摂取した場合はお腹が緩くなる(下痢)作用がありますが、国内では、一度に多量摂取しない限り安全性に問題はないとされていることから、糖アルコールの多くが食品として扱われています。食品添加物とされているものでも使用量の制限が定められていませんので、一般食品素材的に使用されています。
 各食品メーカーでも、摂取する方に問題のない量を検討しながら食品に使用しており、食品の外装に「体質によりお腹が緩くなることがあります。」などの記載をしていることが一般的です。



国内で食品として扱われている糖アルコール
エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、還元水飴、還元パラチノース



国内で食品添加物として扱われている糖アルコール
キシリトール(キシリット)、D-ソルビトール(D-ソルビット)、D-マンニトール(D-マンニット) 



最大無作用量 ※参考値
一度に摂取した時の緩下作用を起こさない単位体重あたりの量
エリスリトール : 男0.66グラムパーキログラム体重 女0.8グラムパーキログラム体重
マルチトール : 男0.3グラムパーキログラム体重  女0.3グラムパーキログラム体重
ラクチトール : 男0.075グラムパーキログラム体重  女0.15グラムパーキログラム体重
キシリトール : 男0.3gグラムパーキログラム体重  女0.3グラムパーキログラム体重
ソルビトール : 男0.15グラムパーキログラム体重  女0.3グラムパーキログラム体重



主に甘味目的で使用される食品及び食品添加物
記載している物質のうち、※がついている物質が糖アルコール
食品
砂糖、ブドウ糖、麦芽糖、果糖、水飴、異性化糖、オリゴ糖、乳糖、ラフィノース、トレハロース、エリスリトール※、マルチトール※、ラクチトール※、還元水飴※、還元パラチノース※
食品添加物
・指定添加物(使用基準(使用対象、使用量及び使用制限)なし)
 アスパルテーム、キシリトール(キシリット)※、D-ソルビトール(D-ソルビット)※、ネオテーム
・指定添加物(使用基準(使用対象、使用量及び使用制限)あり)
 アセスルファムカリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、スクラロース(トリクロロガラクトスクロース)、D-マンニトール(D-マンニット)※
・主に甘味目的で使用される既存添加物
カンゾウ抽出物、カンゾウ油性抽出物、D-キシロース、ステビア抽出物、ステビア末、トレハロース
・エリスリトールについては、第35回企画専門調査会〔平成22年9月28日〕において、食品安全委員会による評価状況はなく、管理上は食品として扱われていると示されている。
・D-ソルビトール(食品添加物)については、食品中に多量に使用されたことにより、下痢症状を呈した健康食品の危害事例がある)。



海外情報
エリスリトールについて
・欧州食品安全機関(EFSA):再評価〔2010(平成22年)〕を行い、摂取量次第では安全性に懸念があると結論づけています。
・EUでは、世界中で食品や飲料に使用が認められているエリスリトールの最大無作用量の設定のため、飲料にエリスリトールを2.5パーセント使用した場合の推定一日摂取量と下痢の関係について、フランスの4歳から6歳の小児で研究が行われた。その結果、飲料に2.5パーセントのエリスリトール使用した場合は、他の食品からの摂取も考慮すると、小児に対して安全上の懸念があるとしています。
・米国食品医薬品庁(FDA)は添加物(除く、飲料用途)として認可。1グラムパーキログラム体重パー日の摂取で、消化管への有意な影響が見られないとしています〔2006(平成18年)〕。
・WHO/FAO合同食品添加物専門家会議(JECFA):再評価を実施し、ADIを特定しないと決定しています〔2009(平成21年)〕。



参考ホームページ

外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。東京都健康安全研究センター「都民を対象とした低カロリー系飲料等の摂取に係る調査結果(PDF)」

外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。東京都福祉保健局「東京都食品安全情報評価委員会(平成26年度第2回資料)」

資料2-1「一般流通食品中の糖アルコール含有量調査について」等

外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。東京都福祉保健局「東京都食品安全情報評価委員会(平成26年度第3回資料)」

資料2-3「エリスリトール等の糖アルコールが原因として疑われるアレルギー反応」等

お問い合わせ

このページの担当は 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 食品医薬品情報担当 です。

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