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◆2.特別区における国民健康保険事業

特別区での国保事業の開始

 国民皆保険の達成には、大都市の実施が鍵と言われていました。
 東京都特別区では、新国民健康保険法の施行に伴い、実施時期の目標を昭和34年10月1日として、都や特別区において準備が進められました。
 国民健康保険事業の実施は、個々の市町村及び特別区が行うこととされていましたが、当時の特別区は、その成立の沿革、地理的、経済的関連の緊密性、住民感情等から一体性が極めて強く、特別区相互間の行政事務にも内容の統一が要求されていました。
 国民健康保険事業の内容の多くは、国民健康保険法等で規定されてはいるものの、保険者が任意に定めるべき事項が少なくなく、各特別区がそれぞれ国民健康保険事業を行うものとすると、給付内容や保険料率等について、多くの格差が生じることが予想されました。そのため、国民健康保険事業の内容や運営が各区で異なることは、特別区の一体性等を踏まえると、避けることが適切であると考えられました。 
 こうしたことから、国民健康保険法には、東京都が、条例で特別区相互間の調整について必要な措置を講じる義務を課す規定が設けられました。
 具体的には、都の条例において、被保険者の方々が医療機関等の窓口でお支払いただく一部負担金の割合、出産育児一時金など保険給付の種類及び内容、保険料の賦課額や納期限などについて、特別区相互間の調整上必要な規定を設けることとされたほか、特別区相互間によって財政力に開きがあることから、特別区の行う事業に要する経費の財源についても、都が調整上必要な措置を講じなければならないこととされました。
 こうして、昭和34年12月から、都が事業調整及び財源調整を行う仕組みのもとで、特別区を保険者とする国保事業がスタートしました。

都区制度改革

 都区制度については、特別区内における行政の一体性及び統一性の確保の観点から、一体的処理が必要な事務を都が行うものですが、東京都と特別区の役割分担や行政責任が不明確になっていることや、特別区の自主性が阻害されているといった問題点も指摘されていました。
 これらの問題を解決するため、都と特別区は、特別区の性格を基礎的な地方公共団体に位置付け、区民に身近な事務事業をできるだけ特別区に移管するとともに、財政自主権を強化することを柱とした都区制度改革を進めることとしました。
 そして、平成10年には都区制度改革の一環として、特別区の国民健康保険に関する都の調整義務を規定した国民健康保険法の条文の削除を含む「地方自治法等の一部を改正する法律」が成立しました。これにより、特別区は「基礎的な地方公共団体」として位置付けられ、各区は、他の市町村と同様、財政的にも独立した保険者として、自主的な事業運営を行なうこととなりました。
 都による事業調整等の仕組みが廃止されたことから、これまで都の条例で定めていた給付内容や保険料率等は、各区が自主的に定めることとなりました。また、財政面についても、これまでは、都が、事業に伴う財源不足額を補てんする方式により行ってきましたが、都と特別区との間で協議を重ね、今後のそれぞれの責任と役割を明確にし、都の役割である事業項目に対して補助を行う方式に見直しを行いました。こうして、特別区による自主的な国民健康保険事業の運営が、平成12年4月からスタートしました。
 なお、制度改正に伴って、都の補助金が大幅に削減されたように見えますが、そもそも財政支援の内容自体が大幅に変更になっているため、制度改正の前後で補助金の額を単純に比較することはできません。

お問い合わせ

このページの担当は 保健政策部 国民健康保険課 調整担当(03-5320-4164) です。

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国民健康保険制度の創設の経緯と現状

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