このページの先頭です


妊孕性温存について、どのようなことができますか?(女性の場合)

 女性の妊孕性温存療法は、パートナーがいる場合は、胚(受精卵)凍結保存、パートナーがいない場合には、未授精卵子凍結保存が推奨されています。
 胚(受精卵)凍結保存は、卵巣機能障害をきたす治療開始前に卵子を採取し、体外受精または顕微授精によって受精させ、得られた胚(受精卵)を凍結する方法です。不妊治療において、胚(受精卵)凍結は、すでに確立した方法であり、凍結時の女性の年齢にもよりますが、凍結胚1個あたり30から35%の妊娠率が期待できます。
 未授精凍結保存は治療開始前に卵子を採取し、未受精の状態で凍結保存する方法です。この方法は、パートナーの有無にかかわらずできますが、融解卵子1個あたり妊娠率は、4.5から12%とされています。
 胚(受精卵)または未受精卵凍結保存を行うためには、経膣的に卵子を採取する必要があり、排卵に合わせて、採卵を行ったり、薬剤で排卵を誘発したりして採卵を行います。治療開始を急ぐ必要があり、卵子を採取する時間的余裕がない場合や、小児・思春期で採卵が困難な場合には、卵巣組織凍結保存も検討されます。卵巣組織凍結とは、治療開始前に腹腔鏡手術で卵巣を採取し、凍結保存し、がん治療終了後に組織片を体内に移植するという方法です。
 子宮がんや卵巣がんなど、がんが生殖器そのものにできた場合、治療によって直接妊孕性が損なわれる可能性が高いですが、病状によっては妊孕性温存が可能な場合があります。国内では、代理出産や第三者による卵子提供についての法整備が進んでいません。

お問い合わせ

このページの担当は 医療政策部 医療政策課 です。

本文ここまで


以下 奥付けです。