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栄養強調表示

 食品表示基準では、その欠乏や過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えている栄養成分について、補給ができる旨や適切な摂取ができる旨の表示をする際の基準を定めています(一般用加工食品及び一般用生鮮食品のみ該当)。
 栄養強調表示は、下記3つに分類されます。このような表示をする場合は、定められた条件を満たす必要があります。

①補給ができる旨の表示(食品表示基準第7条、第21条、別表第12)
 ~栄養成分の量が多いことを強調~

強調表示
の種類
高い旨 含む旨 強化された旨
絶対表示 相対表示
表現例  高○○
 △△豊富
 □□たっぷり 
 ○○含有
 △△源
 □□入り
 ○○30%アップ
 △△2倍 
該当する
栄養成分等
たんぱく質、食物繊維、亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、
ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB
ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸

②適切な摂取ができる旨の表示(食品表示基準第7条、第21条、別表第13)
 ~栄養成分の量又は熱量が少ないことを強調~

強調表示
の種類
含まない旨 低い旨 低減された旨
絶対表示 相対表示
表現例  無○○
 △△ゼロ
 ノン□□ 
 低○○
 △△ひかえめ
 □□ライト
 ○○30%カット
 △△10gオフ
 □□ハーフ 
該当する
栄養成分等
 熱量、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、ナトリウム

③添加していない旨の表示(食品表示基準第7条)
 ~無添加を強調~

強調表示
の種類
無添加強調表示
表現例  ○○無添加
 △△不使用
該当する
栄養成分等
 糖類、ナトリウム塩

※ 栄養強調表示を行う際の留意事項(絶対表示・相対表示・無添加強調表示共通)

  1. 栄養成分の量及び熱量は、当該食品の100g若しくは100ml又は一食分、1包装その他の1単位当たりの量を表示します。この場合、補給ができる旨(又は適切な摂取ができる旨)を強調する栄養成分の量及び熱量は、別表第9第3欄に規定された測定及び算出の方法によって得られた値を表示します。
  2. 栄養強調表示を行う際は、「合理的な推定により得られた一定の値」の表示はできません(一般用生鮮食品では例外あり)。
  3. 食品表示基準が適用される栄養表示とは、邦文によるものとなります。ただし、全体として邦文表示を行っていて、食品表示基準に適合しない栄養強調表示のみを邦文以外で行うこと等は適切ではありません。
  4. 食品表示基準を満たしていないにも関わらず、文字の色や大きさ等によって目立たせた表示をすることは望ましくありません。
  5. 高い、低いに言及せずに栄養成分名のみ目立たせて表示するものについては、強調表示基準は適用されませんが、消費者に誤認を与えないような表示をする必要があります。
  6. 塩、シュガー、脂肪、糖といった表現でも強調表示基準が適用されます。(例:低脂肪、無糖)
  7. 強調表示基準を満たしているか否かは、販売時に判断しますが、販売時に基準を満たすものであっても、摂取時に基準を満たさなくなる食品に強調表示することは望ましくありません。
  8. 強調表示基準が定められていない栄養成分について栄養強調表示を行う場合は、科学的根拠に基づき、販売者の責任において表示します。
  9. 少なくとも、栄養強調表示を行う栄養成分については、消費者の商品選択に資するため、栄養素等表示基準値(別表第10)に占める割合を併せて表示することが望ましいとされています。

1 絶対表示(高い旨、含む旨)
  ~栄養成分の量(絶対量)が多いことを強調する表示~

(1)高い旨の表示を行う場合(「高」「多」「豊富」等)

必要条件
  • 強調したい栄養成分の含有量が「高い旨の表示の基準値」以上であること。
    別表第12第1欄(栄養成分)の量がそれぞれ同表第2欄「高い旨の表示の基準値」の食品100g当たり(括弧内は一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合)又は100kcal当たりのいずれかに定める基準値以上であること。)

注意事項

(2)含む旨の表示を行う場合(「源」「供給」「含有」「入り」「使用」「添加」等)

必要条件
  • 強調したい栄養成分の含有量が「含む旨の表示の基準値」以上であること。
    別表第12第1欄(栄養成分)の量がそれぞれ同表第3欄「含む旨の表示の基準値」の食品100g当たり(括弧内は一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合)又は100kcal当たりのいずれかに定める基準値以上であること。)

注意事項

※「高い旨」・「含む旨」の表示における留意事項

  1. 「高い旨」の表示は、当該栄養成分を強化していなくても、その食品本来の性質として基準を満たしていれば行うことができますが、例えば、単に「高たんぱく質チーズ」と表示するなど、当該チーズが他のチーズに比べて、たんぱく質が多いという誤解を招くような表示は適当ではありません。この場合、「チーズは、高たんぱく質食品です。」等の表示をするようにします。
  2. 「ビタミンを含む」「ミネラルたっぷり」のように、ビタミンやミネラルの総称について栄養強調表示を行う場合、食品表示基準で規定する全てのビタミン又はミネラルについて栄養強調表示の基準が適用されます。一部のビタミンやミネラルについてのみ栄養強調表示の基準を満たしている場合は、「ビタミン」や「ミネラル」といった総称を用いるのではなく、その栄養成分名を表示するようにします。
  3. 「ビタミンB群を含みます」との表示は、ビタミンB群全てを指すことから、食品表示基準で規定するビタミンB群(ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、葉酸)全てにおいて、栄養強調表示の基準を満たす必要があります。
  4. 原材料について栄養強調表示をする場合、最終製品についても栄養強調表示の基準を満たしていることが望ましいとされています。すなわち、最終製品中の含有量があまりに低いにも関わらず、原材料についてのみ高い旨又は含む旨の表示をすることは適当ではありません。

2 絶対表示(含まない旨、低い旨)
  ~栄養成分の量(絶対値)が少ないことを強調する表示~

(1)含まない旨の表示を行う場合(「無」「ゼロ」「ノン」等)

必要条件
  • 強調したい栄養成分又は熱量の含有量が「含まない旨の表示の基準値」未満であること。
    別表第13第1欄(栄養成分及び熱量)の量がそれぞれ同表第2欄「含まない旨の表示の基準値」の食品100g当たり(括弧内は一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合)に定める基準値に満たないこと。)

注意事項

(2)低い旨の表示を行う場合(「低」「ひかえめ」「少」「ライト」等)

必要条件
  • 強調したい栄養成分又は熱量の含有量が「低い旨の表示の基準値」以下であること。
    別表第13第1欄(栄養成分及び熱量)の量がそれぞれ同表第3欄「低い旨の表示の基準値」の食品100g当たり(括弧内は一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合)に定める基準値以下であること。)

注意事項

※「含まない旨」・「低い旨」の表示における留意事項

  1. 「含まない旨」の表示には、「不使用」、「無添加」は該当しません。
    ただし、糖類及びナトリウム塩については、「無添加強調表示」の基準が適用になります。
  2. 「ノンシュガー」、「シュガーレス」のような表示は、糖類に係る含まない旨の表示の基準が適用となります。
  3. 熱量等の低い旨の基準を満たしていない場合、単に「ライト」等と表示することは消費者に誤認を与える可能性があることから、望ましくありません。
  4. 原材料について栄養強調表示をする場合、最終製品についても栄養強調表示の基準を満たしていることが望ましいとされています。すなわち、最終製品中の含有量が極めて高いにもかかわらず、原材料についてのみ栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨を表示することは適当ではありません。

3 相対表示(強化された旨、低減された旨)
  ~他の食品と比べ栄養成分の量や熱量が多い(少ない)ことを強調する表示~

(1)強化された旨の表示を行う場合(「○g強化」「○○g増」「○○%アップ」「2倍」等)

必要条件
  • 強調したい栄養成分の「増加量」が「強化された旨の表示基準値」以上であること。
    別表第12第1欄(栄養成分)の量について、他の同種の食品に比べて強化された栄養成分の量がそれぞれ同表第4欄「強化された旨の表示の基準値」以上であること。)
  • たんぱく質と食物繊維については、比較対象食品に比べて強化された割合(相対差)が25%以上であること。
  • その他必要表示事項(「強化された旨」・「低減された旨」共通 必要表示事項

注意事項

(2)低減された旨の表示を行う場合(「○g減」「○○%オフ」「○○%カット」「1/4」等)

必要条件
  • 強調したい栄養成分又は熱量の「低減量」が「低減された旨の表示基準値」以上であること。
    別表第13第1欄(栄養成分)の量について、他の同種の食品に比べて低減された栄養成分の量又は熱量がそれぞれ同表第4欄「低減された旨の表示の基準値」以上であること。)
  • 比較対象食品に比べて低減された割合(相対差)が25%以上であること。
    ただし、ナトリウムの含有量を25%以上低減することにより、当該食品の保存性及び品質を保つことが著しく困難な食品について、ナトリウムに係る低減された旨の表示をする場合を除きます(相対差の特例 )。
  • その他必要表示事項(「強化された旨」・「低減された旨」共通 必要表示事項

注意事項
  • 「減塩」「食塩○%カット」等という表示には、ナトリウムの低減された旨の基準が適用されます。

※「強化された旨」・「低減された旨」共通 必要表示事項


 強化(低減)された旨の表示を行う場合は、次の2つの事項を強調表示する部分に近接した場所に表示しなければなりません。
  1. 比較対象食品を特定するために必要な事項
    (例)「自社従来品○○○」
       「日本食品標準成分表○○○年版(○訂)」 等
     ※比較対象食品がまったく同種の食品である場合、比較対象食品名の記載は近接した箇所でなくても可
  2. 強化(低減)された旨を表示する栄養成分の量が、比較対象食品に比べて強化(低減)された量又は割合
  (例)『○○g増』
     『○○%プラス』
     『○○%カット』

※「強化された旨」・「低減された旨」の表示における共通注意事項

  1. 強化(低減)された旨の表示は、他の食品と比べて栄養成分の量が強化(低減)された旨の表示をする場合に適用されます。そのため、比較対象食品名及び増加(低減)量又は割合を記載せずに、単に「高(低)」等の表示がされた場合は、強化(低減)された旨の表示ではなく、高い(低い)旨の表示の基準が適用されます。
  2. 比較対象食品は、全く同種の食品でなくても、例えばバターとマーガリンを比較する等も可能ですが、以下a及びbのような場合は不適当です。
    1. 比較対象食品の当該栄養成分が一般流通品と比べて高く、「低減された旨」の表示を行った食品の当該栄養成分が一般流通品と比較して大差ない場合
    2. 比較対象食品の流通がかなり以前に終了している等、事実上比較が不可能な場合
  3. 熱量や栄養成分値の「ハーフ」、「2倍」、「1/4」等の表示は、相対表示に該当します。
  4. 食品単位当たりの使用量が異なる食品を比較対象食品とし、食品単位当たりで比較して相対表示を行う場合、消費者への適切な情報提供の観点から、食品単位当たりの比較である旨を表示するようにします。
  5. 適切な摂取ができる旨の表示の基準が適用される栄養成分及び熱量は、あくまで「国民の栄養摂取状況からみて、その過剰な摂取が国民の健康の保持増進を妨げている」(健康増進法第16条の2第2項第2号ロ)ものであって、そもそも栄養成分や熱量である以上、エネルギーを供給し、又は生命の維持・成長に必要不可欠なものであり、本来、有害な成分でないことは言うまでもありません。

※ナトリウムについて「低減された旨」の表示を行う場合の相対差の特例について

 「ナトリウムの含有量を25%以上低減することにより、当該食品の保存性及び品質を保つことが著しく困難な食品」には、「みそ」「しょうゆ」が該当します。
 これらの食品については、低減されたナトリウムの含有量の割合(相対差)が次に定める割合以上である場合に「ナトリウムの低減された旨の表示」をすることができます。
  • み  そ:15%
  • しょうゆ:20%

4 無添加強調表示(糖類※1、ナトリウム塩※2

※1糖類…単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないものに限ります。
※2ナトリウム塩…食塩(塩化ナトリウム)の他、「グルタミン酸ナトリウム」「グアニル酸ナトリウム」「リン酸三ナトリウム」等ありますが、これに限定されるものではありません。

(1)糖類を添加していない旨の表示を行う場合(「糖類無添加」「砂糖不使用」等)

必要条件
 以下の4つの条件を全て満たしていること。
  1. いかなる糖類も添加されていないこと(ショ糖、ぶどう糖、ハチミツ、コーンシロップ等)。
  2. 糖類(添加されたものに限る。)に代わる原材料(複合原材料を含む。)又は添加物を使用していないこと(添加糖類に代わる原材料の例:ジャム、ゼリー、甘味の付いたチョコレート、甘味の付いた果実片、非還元濃縮果汁、乾燥果実ペースト等)。
  3. 酵素分解その他何らかの方法により、当該食品の糖類含有量が原材料及び添加物に含まれていた量を超えていないこと。
  4. 当該食品の100g若しくは100ml又は1食分、1包装その他1単位当たりの糖類の含有量を表示していること。

(2)ナトリウム塩を添加していない旨の表示を行う場合(「食塩無添加」等)

必要条件
 以下の2つの条件を両方満たしていること。
  1. いかなるナトリウム塩も添加されていないこと(ただし、食塩以外のナトリウム塩を技術的目的で添加する場合(重曹等、呈味成分ではないナトリウム塩)であって、当該食品に含まれるナトリウムの量が別表第13第3欄「低い旨の表示の基準値」以下であるときは、この限りでない。)。
  2. ナトリウム塩(添加されたものに限る。)に代わる原材料(複合原材料を含む。)又は添加物を使用していないこと(添加ナトリウム塩に代わる原材料の例:ウスターソース、ピクルス、ペパローニ、しょう油、塩蔵魚、フィッシュソース等)。

その他


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お問い合わせ先

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※都内に製造所又は表示責任者の事務所を有する事業者の方向けのお問合せ先です。
※都外の方は、東京に食品を流通させる場合であっても、管轄の自治体又は消費者庁にご相談ください(東京都条例に基づく食品表示を除く。)。

このページは東京都保健医療局 健康安全部 食品監視課 食品表示担当が管理しています。


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