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若い女性の健康と食事

現代では働く女性が増え、環境に合わせてライフスタイルが変化してきました。日々の生活が忙しいと、ついおろそかになってしまいがちな食生活ですが、偏った食事を続けていると体に大きなダメージを与えてしまいます。自分のからだや食生活を振り返り、健康でイキイキとした生活を送りましょう。

若年女性の「やせ」の状況

多くの女性が持つ、「やせ」への願望やダイエット指向。令和元年度国民健康・栄養調査の結果では、20歳代から30歳代の女性の18.1%、つまり約5人に1人が「やせ」(BMI18.5未満)の状況です。「やせ」は、本人の健康のみならず将来生まれてくる子どもの健康へ影響を及ぼすこともあります。楽しく健康で過ごすためには、適正な体重の認識と正しい食生活を心がけることが大切です。

BMIとは

BMIとは、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数で、この値が22になるときの体重が最も病気になりにくいとされています。BMIが標準の範囲未満の人は、「やせ」に分類されます。健康に過ごすために、まずは自身のBMIが標準の範囲内であるかを確認してみましょう。

BMIの計算方法と目標とする範囲

BMI=体重(キログラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル)

健康への影響

栄養バランスが偏った食事やエネルギー摂取不足による「やせ」は、様々な健康障害のリスクを高めます。
誤ったダイエットなどによって偏った食生活は、鉄欠乏など潜在的な栄養不良のリスクを高め、だるい・疲れやすいといった自覚症状などをもたらします。
 
また、身体に必要な栄養が不足すると、筋肉量の低下などとともに、月経異常や無月経などが起こることもあります。その結果、女性ホルモンが正常に分泌されず、骨量が低下し骨粗しょう症のリスクが高まります。

健康障害のリスクの例

骨粗しょう症、貧血、卵巣、月経機能の低下、冷え

「やせ」の影響は、赤ちゃんにも

「やせ」は、栄養不足の結果と言えます。女性が「やせ=低栄養」状態で妊娠した場合、2,500グラム未満の低体重児の出産につながることもあります。低体重で生まれた赤ちゃんは、将来、糖尿病や高血圧などの生活習慣病になるリスクが高くなると考えられています。


自身の健康だけではなく、将来生まれてくる子どもの健康のためにも、適切な体重管理を心がけ、低栄養にならない食生活を送ることが大切です。

妊娠前からの食生活のポイント

1日3食しっかりと食べる

朝・昼・夕のうち1食でも抜いてしまうと、1日に必要な栄養素を摂ることが難しくなってしまいます。特に朝食は、体温の上昇効果、エネルギー源や栄養素の補給、便秘の予防など、身体が活動するための準備を整える大切な役割を担っているため、欠かさず食べるようにしましょう。

主食・主菜・副菜をそろえた食事を意識する

食事の中で、主食(ごはんやパン、めんなど)・主菜(肉や魚、卵、大豆など)・副菜(野菜、芋類、きのこ、海藻など)をそろえることで、栄養バランスの偏りや、エネルギーの摂取不足を防ぐことができます。主食のみで食事を済ませてしまう方は、主菜・副菜となる食品をプラスしましょう。また、同じ品数であっても、主食・主菜・副菜を意識してメニューを選ぶことで、栄養バランスの良い食事になります。

 

主食だけの食事にせず、品数をプラス。忙しいときは野菜ジュースを上手に取り入れましょう。また、同じ品数でもサラダをお肉入りにしたり、スープを具だくさんにすることで栄養バランスの良い食事になります。

特に意識して摂りたい栄養素

鉄は、血液中の赤血球をつくっているヘモグロビンの成分になっています。ヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶという重要な働きをしています。鉄が不足すると、ヘモグロビンが減り、酸素が十分に行き渡らず集中力の低下や、頭痛、息切れなどの症状や運動機能の低下につながります。

鉄の1日の摂取推奨量

女性のからだは月経や妊娠で多くの鉄分を必要とします。女性は約0.8ミリグラムの鉄が1日に失われ、また、月経のある人は1日あたりに換算してさらに約0.5ミリグラムの鉄が損失しています。この損失する鉄を食事から補う必要があります。日本食事摂取基準(2020年)では、年齢別、月経の有無によって鉄の摂取推奨量が設定されています。


鉄を多く含む食品と食べ方のポイント

鉄の不足を防ぐためには、毎日失われる鉄を食事からしっかり摂ることが必要になります。鉄には、肉や魚などに含まれる「ヘム鉄」と、野菜や豆などに含まれる「非ヘム鉄」があるため、動物性食品・植物性食品をバランス良く組み合わせて食べましょう。また、鉄はビタミンCを一緒に摂ると吸収率が上がるため、献立の中で組み合わせると効果的です。


葉酸

葉酸は、貧血症状の予防や、胎児の二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発症リスクを減らすために重要な栄養素です。赤ちゃんの先天異常の予防のためには、妊娠初期の女性だけでなく、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性についても、食事に加え、サプリメントなどにより葉酸を十分に摂取することが望ましいとされています。ただし、サプリメントのとりすぎには注意しましょう。

葉酸を多く含む食品と食べ方のポイント

ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、枝豆、果物などに多く含まれています。葉酸は水に溶けやすく熱に弱いので、生で食べる、蒸すなどの調理方法がおすすめです。


お問い合わせ

このページの担当は 西多摩保健所 生活環境安全課 保健栄養担当 です。

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