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食物アレルギー

最終更新日:令和6年7月3日 | 公開日:平成29年4月21日

除去食について

食物アレルギーの治療の基本は、原因食物を摂取しないようにする除去食です。ただし、本来食べられる食物まで除去してしまっては、成長期の子供に必要な栄養が不足する可能性があり、QOL(Quality of Lfe, 生活の質)も低下します。食べられるものは食べる「必要最小限の除去」がポイントです。

必要最小限の除去の考え方

症状が出る食物だけを除去する

除去する必要があるのは、食べるとアレルギー症状が出る食物だけです。血液検査や皮膚検査で陽性だけでは除去の必要性はわかりません。
また、以前は本来関係のない組み合わせ(例:鶏卵と鶏肉など)で除去指導がなされたこともありました。不要な除去をしないように、医師の正しい診断と正しい情報に基づいた除去を心がけましょう。

原因食物でも「食べられる範囲」までは食べる

食べて症状が出る原因食物であっても、加熱、加工によって摂取できるものや、少量なら食べられることがあります。食べられる量を日常生活で摂ることは、食を豊かするのに加え、治りやすくなることが昨今指摘されるようになってきました。このため、特に鶏卵・牛乳・小麦などの主要原因食物は、以前に増して医師が摂取を勧めるようになっています。
この「食べられる範囲」は個人で異なります。「食べられる範囲」を超えて食べると症状が誘発されるため、その範囲を自己判断で決めるのは非常に危険です。必ず主治医に相談をしましょう。正確な判断のために都度、食物経口負荷試験が必要です。

除去食のポイント

  1. 必要最小限の除去を心がけましょう。
  2. 除去食物の特性を知り、不足する栄養素を代替食で補い、食生活のバランスをとりましょう。
  3. 除去食物の食べるレベル・量など自己判断は絶対しないで、医師に相談しましょう。
  4. 食材は新鮮なものを十分に加熱調理してから食べましょう。
  5. 誤食をしないように注意しましょう。
  6. 加工食品のアレルギー表示を理解して、活用しましょう。
  7. 外食や惣菜など中食を食べるときは十分に気をつけましょう。
  8. 困ったときは1人で悩まず専門家(医師、管理栄養士、保健師、看護師など)に相談しましょう。

コックイラスト

献立例については以下を参考にしてください。

      次:食品表示について

アレルギー食品表示について

加工食品や添加物には、アレルゲンになり得る食品が含まれています。このため、食品表示法では、食物アレルギーの患者が多い、もしくは重篤になりやすい原材料(「特定原材料」)を含む、容器包装された加工食品及び添加物について、表示の方法が定められています。

特定原材料

特定原材料8品目(えび、かに、卵、乳、小麦、そば、落花生(ピーナッツ)、くるみ)は、極めて少量であっても加工食品等に含まれる場合は、必ず表記されます。この食品表示を正しく確認することで、誤食事故を防ぐことができ、また食生活の広がりにもつながります。
また特定原材料の準ずるものとして20品目が定められており、可能な限り表示をすることを努めるよう推奨されています。ただし義務表示ではないので、加工食品等に少量しか含まれていない場合表示されない可能性があり、注意を要します。

食品表示を含む食品のパッケージイラスト

原材料の表示義務と推奨表示について

<義務>
特定原材料
必ず表示される原材料

(8品目)
えび、かに、卵、乳、小麦、そば、落花生(ピーナッツ)、くるみ
<推奨>
特定原材料に準ずるもの
可能な限り表示するよう努めることとされている食品(20品目)
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

食品イラスト

代替表記、拡大表記、紛らわしい表示

原材料は別の書き方が認められているものがあり、それが代替表記と拡大表記です。

(1)代替表記

表示されているアレルギー物質に認められている別の書き方(例:鶏卵 たまご、タマゴ、玉子、エッグ)


(2)拡大表記

特定原材料名又は代替表記を含んでいるため、これらを用いた食品であると理解できる表記例
※乳糖 乳糖には、原料の牛乳タンパク質がごく微量に残っていますが、大量に食べなければ、ほとんどの場合はアレルギー症状を起こす原因にはなりません。利用できるかどうかは主治医に相談しましょう。


(3)紛らわしい表示

食品表示にはいくつか紛らわしい表示があり、不要な除去につながらないよう注意を要します。
例えば原材料に「卵殻カルシウム」がある加工食品を、鶏卵アレルギー患者が除去する必要はありません。また「乳化剤、乳酸菌、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、カカオバター、アーモンドミルクなど」が入っていても、牛乳アレルギーの患者が摂取できます。「麦芽糖、麦茶」も小麦アレルギー患者が本来摂取できる食物です。


注意喚起の表記について

食品を製造する際に、原材料としては使用されていないアレルゲンが、ごく微量に混入する可能性が否定できない場合、原材料表示の欄外に注意喚起の表示がされます。しかし、基本的には原材料表示欄に原因食物の記載がなければ、その食品を食べることができます。
例:本製品の製造ラインでは、落花生を使用した製品も製造しています。


                    

外食・中食のアレルギー表示

外食(レストランなどの飲食店)、中食(量り売りのお惣菜、店内で調理するお弁当やパン、デリバリー等)の食品表示は、食品表示法のアレルギー関連規則の範疇外にあり、特定原材料を含めて表示義務はありません。
外食等では一見すると加工食品の表示と同じような表記がありますが、精度管理が不十分なので、重症なアレルギー患者は、除去すべき食物の記載がなくても症状が誘発される可能性があります。



特定原材料等の代替表記等方法リスト

代替表記方法等リスト

                                                       

食品表示法については、以下を参考にしてください。

このページは東京都 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 環境情報担当が管理しています。

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