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アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症

最終更新日:令和5年4月18日 | 公開日:平成29年4月21日

アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症とは

鼻みずがいつもより多い、一年中鼻みずや鼻づまりがつづく、毎年同じ季節に鼻や目の調子が悪くなる。このような症状は、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎、あるいは花粉症による症状かもしれません。ご心配な方は、以下の基礎知識を参考にして下さい。

医師イラスト

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎はくしゃみ、鼻みず、鼻づまりを主な症状とする疾患で鼻アレルギーとも呼ばれます。アレルギーの原因であるアレルゲン(抗原)が鼻の中に吸入されてマスト細胞上のIgE抗体に結合することによって症状が発現します(I型アレルギー)。
症状が現れる時期によって、「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」に分けられます。

通年性アレルギー性鼻炎

通年性アレルギー性鼻炎は、室内のハウスダストが主な原因となります。原因アレルゲンとしてダニが重要であることが知られており、カビ(真菌)やペットなどで症状が出る場合もあります。

アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎は、アレルギー反応が原因で結膜に炎症が起きる病気で、目のかゆみが特徴的な症状とされますが、充血、異物感などの症状がみられる場合もあります。アレルギー性結膜炎の原因となる代表的なアレルゲン(アレルギーを起こす物質)には、花粉の他、ダニ、ハウスダストやペットなどが知られています。原因となるアレルゲンの種類により、アレルギー性結膜炎は「通年性」と「季節性」とに分かれます。

花粉症

花粉症は、スギやヒノキなどの花粉によって起こる季節性のアレルギー疾患です。春先に飛散するスギやヒノキだけでなく、夏や秋に特有の花粉でもくしゃみ、鼻みず、鼻づまりや目のかゆみなどの症状が現れます。我が国では、特にスギ花粉症の有病率増加が顕著です。東京都では、花粉症患者実態調査を10年毎に行っていますが、スギ花粉症推定有病率は、昭和58年度の調査開始以降から平成28年度まで上昇し続けています。

アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎はどうして起きるのでしょう

私たちの体には、ウイルスや細菌が入り込むと、“ 抗体(こうたい)” を作ってそれらを排除しようとする「免疫」という仕組みがあります。この仕組みの1つに、ダニや花粉などに対して、“IgE 抗体” を作ってしまうことがあります。このIgE抗体は、鼻や目の粘膜などにあるマスト細胞の表面にくっつき、ダニや花粉などのアレルゲンが入り込んでくるのを待っています。この状態を“ 感作(かんさ)” と言います。
この感作された状態で再び原因物質が体の中に入り込むと、マスト細胞についているIgE 抗体と結びつき、その刺激でマスト細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されます。これら化学物質が様々なアレルギー症状を誘発します。

免疫とアレルギー説明図

次:診断と治療

アレルギー性鼻炎の症状・診断・治療

目がかゆい・充血している人イラスト

症状

アレルギー性鼻炎の症状としては、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりの3症状が見られます。くしゃみと水様性の鼻みずが主な症状となる場合や鼻づまりが特に強く生じる場合などがあります。

発症の要因

通年性アレルギー性鼻炎は、主にダニが原因とされていますが、カビ(真菌)、ペット、昆虫(ゴキブリ、蛾)なども原因となります。これらの原因物質(アレルゲン)を吸入することで症状が出現します。
季節性アレルギー性鼻炎は、花粉が原因となります。原因となる花粉は、春先に飛散するスギ、ヒノキのほかに、2-6月に飛散するカバノキ科、6-7月に飛散するイネ科、8-10月に飛散するブタクサ、ヨモギなどがありますが、花粉の種類や飛散量は地域性があると言われています。
アレルゲンを吸入することで体内にIgE抗体が作られ、これが一定量に達したとき発症すると考えられています。発症には遺伝的要素も関係するといわれています

診断

問診や鼻鏡検査などにより症状がアレルギー性と疑われるかどうかを調べた上で、様々な原因となる抗原を特定する検査を行います。抗原を特定するためのテストには、皮膚テスト、血液検査(IgE抗体検査)などが用いられます。
アレルギー性鼻炎の重症度は、1日のくしゃみ・鼻みず等の回数などから5段階(無症状から最重症まで)に分類されます。重症度の分類の他、生活の質(QOL)を質問票などにより調査する手法も用いられます。

治療

症状を軽くするため、室内環境対策(清掃・除湿などによるダニなどの低減等)や、花粉の多く飛ぶ日にはマスクなどによる原因抗原の吸入阻止が治療上重要となります。症状に応じてこれらの対策に加えて、抗アレルギー薬の内服や点鼻薬、点眼薬などを組み合わせて治療を行い、日常生活の質の向上を図ります。
根治的な治療として、原因となっている抗原を繰り返し身体に投与(皮下注射や舌下投与)するアレルゲン免疫療法があります。
また、鼻づまりが強くお薬などの治療で改善しない場合には手術が必要となることもあります。

アレルギー性結膜炎の症状・診断・治療

くしゃみ・鼻水症状を呈する人イラスト

症状

アレルギー性結膜炎の症状としては、目のかゆみ、充血、めやに、異物感(目がごろごろする)、流涙(涙目)が5大症状とされていますが、目のかゆみはアレルギー性結膜炎の最も特徴的な症状とされています。季節性アレルギー性結膜炎の場合は、結膜炎症状と同時に鼻炎症状が多く見られます。

発症の要因

アレルギー反応の原因となる物質をアレルゲン(抗原)と呼びますが、通年性アレルギー性結膜炎は主にダニ、ハウスダスト、ペット(ネコ、ハムスター、フェレットなど)、季節性アレルギー性結膜炎は主に花粉が原因アレルゲンとなります。

診断

アレルギー性結膜炎の診断は、まず最初に、目のかゆみなどの自覚症状の有無を問診により確認します。問診では、季節性の有無や、アトピー性皮膚炎の罹患状況、家族の既往歴なども診断の参考になります。診断には、眼表面に出現している所見(他覚所見)が重要で、結膜充血、結膜浮腫、輪部腫脹、乳頭形成、巨大乳頭などの所見の有無を、細隙灯顕微鏡検査(眼を診察するための生体顕微鏡)を使って観察します。他覚所見は、結膜炎の病型(アレルギー性結膜炎、アトピー性角結膜炎、春季カタル、巨大乳頭結膜炎)を診断する際にも重要な検査となります。アトピー性角結膜炎は、顔にアトピー性皮膚炎を発症している場合にみられる結膜炎、春季カタルは巨大乳頭や高度の輪部腫脹を伴う結膜炎で、どちらもアレルギー性結膜炎に比べて重症の結膜炎とされています。また、巨大乳頭結膜炎は、コンタクトレンズなどの刺激で巨大乳頭が発症した場合の結膜炎です。


目のイラスト

次に、アレルギー素因の有無について検査をします。眼科の場合は、涙の中の総IgEが増加している場合、皮膚テスト(プリックテスト・スクラッチテスト)が陽性の場合、血液検査により抗原(アレルゲン)特異的IgE抗体が陽性の場合をアレルギー素因があると判定しています。
アレルギー性結膜炎は、アレルギー性結膜炎でよくみられる症状、所見に加えて、アレルギー素因が検査で陽性を示した場合に確定診断されます。
アレルギー性以外の結膜炎として、ウイルスや細菌などが原因となる感染性結膜炎、フリクテン性角結膜炎、ドライアイなどがあります。症状が似ていますが、治療法が異なりますので、アレルギー性結膜炎であることを確実に診断しておくことが重要です。

治療

アレルギー性結膜炎の治療は、点眼薬(目薬)による薬物治療が中心となります。症状が比較的軽度の場合には主に抗アレルギー点眼薬が使用されますが、効果が不十分の場合には一時的にステロイド点眼薬を併用します。ステロイド点眼薬は、緑内障や白内障などの重篤な副作用を発症する場合がありますので、使用は短期間に止め、使用を継続する場合には、眼科医の管理下で使用することをお勧めします。また、結膜炎が難治化する場合には、点眼薬と内服薬との併用療法が効果的な場合があります。
症状緩和のためには、薬物治療(メディカルケア)と同時にセルフケアが重要で、室内環境対策(清掃・除湿などによるハウスダスト・ダニの低減)やゴーグル型メガネによる花粉回避などが有効とされています。
近年、免疫抑制点眼薬(シクロスポリン・タクロリムス)が、春季カタルの治療薬として承認されました。ステロイド点眼薬に代わる治療薬として注目されていますが、保険適応がある疾患は春季カタルだけで、アレルギー性結膜炎には使用することができない点に注意が必要です。

関連情報

都内の花粉飛散状況などについては、「東京都の花粉情報」をご覧ください。

花粉症の基礎知識や予防方法などについては「花粉症一口メモ」をご覧ください。

花粉症の治療

花粉症の症状を抑える薬

症状が出る前に

症状をひどくさせないために花粉の飛散開始前または症状の軽い時から、症状を抑える抗アレルギー薬を使用する治療法が有効です(初期療法)。これを花粉の飛散シーズン中、継続して使用することにより、症状が比較的軽く済みます。花粉情報に注意し、強い症状が出始める前から対策をすることが大切です。抗アレルギー薬の内服や点鼻薬だけでなく、鼻噴霧用ステロイド薬による初期療法も鼻症状を軽減することが知られています。また、抗アレルギー点眼薬による初期療法は、花粉飛散期の結膜炎症状を軽減することも知られています。

症状が出てからは

症状を軽くする薬(抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬など)の使用が中心です。鼻づまりが強い場合や症状が重い場合には、鼻噴霧用ステロイド薬を同時に使うと効果的です。その他、目の症状には抗アレルギー点眼薬などが使用されます。花粉が飛ぶ数が少ない日は一時的に症状が軽くなりますが、季節中は治療を中断せずしっかり継続することが重要です。

花粉症の根治的な治療

舌下免疫療法のイラスト

スギ花粉症を根本的に治すことが期待できる治療法として、『アレルゲン免疫療法』があります。
日本では、以前から皮下注射法が実用化されておりましたが、2年以上通院して注射を打たなければならないことや、アナフィラキシーによる副作用などの理由から、あまり普及しませんでした。
そこで、都ではもっと利用しやすい安全で根本的な治療法の開発・普及を目指し、スギ花粉症の舌下免疫療法の臨床研究を行いました(平成18年6月~平成21年4月)。その結果、症状が消失又は軽減した症例は約7割であり、有効性が確認され、平成26年秋に、スギ花粉症の舌下免疫療法が保険適用となりました。
この治療法は、皮下注射法に比べて通院回数が少なく、自宅で行え、苦痛やアナフィラキシーなどの重大な副作用の少ないことが特徴です。ただし、スギ花粉の飛散時期は、この治療を始めることが出来ません。詳しくは、アレルゲン免疫療法が可能な医療機関にご相談ください。

通常の治療をしても重症なスギ花粉症に対する治療

IgE抗体療法が重症のスギ花粉症に対しても保険適用になりました。抗ヒスタミン薬と鼻噴霧用ステロイド薬の併用をしても1週間以上症状が重症の症例にのみ使用できます。検査結果など条件がいくつかあるので治療可能かどうか担当医とよく相談してください。

花粉症の基礎知識や予防方法などについては「花粉症一口メモ」をご覧ください。

東京都の花粉飛散情報は「東京都の花粉情報」をご覧ください。

トピック

アレルゲン免疫療法:

アレルギー性鼻炎を根本的に治すことが期待できる治療法です。医療機関で実施する皮下注射による皮下免疫療法と、患者様自身が内服する舌下免疫療法があります。
本邦では「ダニ」と「スギ花粉」に対して舌下免疫療法が保険適用となっています。皮下免疫療法は、アナフィラキシーによる副作用などの理由から、一部のアレルギー専門医で実施されています。都では、比較的安全な治療法の開発・普及を目指し、スギ花粉症の舌下免疫療法の臨床研究を行い(平成18年6月~平成21年4月)、その結果、症状が消失又は軽減した症例は約7割と有効性が確認され、平成26年秋にはスギ花粉症の舌下免疫療法が保険適用となりました。ただし、スギ花粉に対する舌下免疫療法は花粉の飛散している時期には始めることが出来ません。詳しくは、アレルゲン免疫療法が可能な医療機関にご相談ください。

花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome: PFAS):

花粉症があり、主に生の果物や野菜などの食べ物で口の中がぴりぴりとしたり腫れたりする食物アレルギーの一種として知られています。口の中の症状が特徴的なことから、口腔アレルギー症候群(Oral Allergy Syndrome, OAS)とよばれることもあります。花粉症に対して体の中にできた抗体が食物に対してもアレルギー反応(交差反応)を起こしてしまうことが原因であることから花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)と呼ばれています。このような症状がある方も、アレルギーの専門医に相談してください。

このページは東京都 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 環境情報担当が管理しています。

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