■がんは誰でもなる可能性がある
都民の死因の第1位はがんです。がんによる75歳未満の年齢調整死亡率は減っているものの、高齢化によって患者さんの数は年々増加しています。さらに、二人に一人が一生のうちに何らかのがんになるという統計もあり、今やがんは誰でもなりうる身近な病気と言えます。
■予防はできるけれども完全には防げない
本来、人間の体には傷ついた遺伝子を修復する働きがあるのですが、何らかの原因で傷ついた遺伝子を修復しきれなくなり、遺伝子が傷ついたままの細胞が増殖することでがんができます。がんの発生は、喫煙や食生活、飲酒、運動などの生活習慣と深いかかわりがあることがわかっています。つまり、禁煙や食生活の見直し、運動不足の解消など生活習慣の改善によって、がんの予防は可能です。もちろん、がんになるメカニズムがすべて解明されたわけではありませんので、そうした点に気をつけていても完全に防ぐことはできません。
■がんはうつる病気ではない
一部のがんではウイルス感染が原因となることもありますが、がんという病気自体は人から人へ感染するものではないことがわかっています。
(以上は、国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」ホームページを参考に作成いたしました)
■がん(悪性腫瘍)とは
がんは、私たちの体の臓器や組織など、どこにでもできる可能性があるもので、発生した臓器や組織によって大きく3つに分けられます。
具体的には、肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、子宮がん、卵巣がんなど上皮細胞にできる「癌」、白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫など「造血器にできるもの」、骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫など非上皮性細胞にできる「肉腫」の3つです。造血器のがん以外は、がんがかたまりをつくって増えるので、まとめて「固形腫瘍」と呼ばれることもあります。
■がん細胞と正常細胞の違い
がん細胞は、正常な細胞からなんらかの原因でつくり出された異常な細胞です。がん細胞と正常な細胞の大きな違いは、正常細胞は必要に応じて増殖し、不要になると増殖をやめるのに対し、がん細胞はどんどん勝手に増殖していくことです。異常な細胞が大量に増殖すること、本来あるべきではない場所に増殖すること、増殖した細胞が体に必要な細胞や組織を壊して体に害を及ぼすことなどで、がん細胞は生命を脅かします。
同じように増殖をしていく細胞でも、浸潤や転移による増殖をせず、正常組織の栄養を奪ったりしないタイプもあります。これは良性の腫瘍と呼ばれ、悪性腫瘍であるがんと区別されます。良性腫瘍の代表的なものは、子宮筋腫や卵巣嚢腫です。
■正常細胞ががん細胞になる仕組み
正常な細胞は、遺伝子が傷つくことで、時間をかけて段階的にがん細胞になっていきます。傷がつく遺伝子は2種類あります。一つは、細胞の増殖を推進する働きをもつ遺伝子です。傷つくことで働き(増殖し)続けてしまいます。もう一つは、細胞の増殖を停止させる働きの遺伝子で、傷つくことで増殖が止まらなくなります。傷のつき方についても、DNAの暗号に異常が起こる突然変異と、DNAの暗号の使われ方が変わってしまうものがあります。
正常細胞の遺伝子に傷がつくと増殖が起こり、そこに2つ目の異常が起こるとさらに増殖が加速します。こうした異常の繰り返しによって生命を脅かすがんが生じると考えられています。
(このページは国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」ホームページを参考に作成いたしました)
このページの担当は 保健政策部 健康推進課 成人保健担当 です。