食べもの暦 令和元年9月号 キノコ/キノコによる食中毒を防ぎましょう
キノコ
毎日の食卓に欠かせないキノコ。旨み成分を豊富に含み、料理をおいしくしてくれる優れものです。カロリーダウンにも一役かうヘルシーな食材として注目されています。
キノコって?
青果店に必ずあるキノコ。カビや酵母と同じ「菌類」という生き物です。葉緑素(光合成のための色素)を持たないので、樹木や落ち葉などを栄養源としています。
日本には少なくとも5,000種類のキノコが存在しているといわれていますが、正確な数はわかっていません。これらのうち食べられるキノコはごく一部です。
キノコのつくり
皆さんがよく目にしている「キノコ」は正式には「子実体(しじつたい)」といい、細い菌糸(糸状の細胞)が密に集まったものです。
この子実体は胞子(生殖細胞)をつくり、子孫を残します。
キノコを日に当てると…!?
カルシウムの吸収を助けるビタミンD。ヒトは日光を浴びることでビタミンDを合成するか、食事から摂取しています。しかし近年、過度な紫外線対策の結果、特に乳幼児のビタミンD欠乏症が増えているそうです。ビタミンD欠乏症になるとカルシウム不足になり、筋肉や骨など運動機能に様々な影響を及ぼします。
そこで、シイタケに紫外線を当てると…、あら不思議。シイタケに含まれるエルゴステロールという成分がビタミンDに変わります。さらに、様々な栄養成分や旨味成分が凝縮されます。これらを上手に活用しながら、バランスの良い食事と適度な紫外線対策を心がけて、健康を保ちましょう。
食べものクイズ
フランス語で、シャンピニオン・ド・パリ(パリのきのこ)と呼ばれているキノコはどれでしょうか。(答えはこのページの一番下にあります。)
- エノキタケ
- マッシュルーム
- エリンギ
- トリュフ
キノコによる食中毒を防ぎましょう
野生のキノコを「食べられるもの」と「食べてはいけないもの」とに見分けるのは簡単ではありません。このため、野生のキノコが多く採取される9月から11月にかけて、自己判断で毒キノコを食べてしまったことによる食中毒が毎年発生しています。
月別キノコ食中毒事件数(全国 H21~H30)
年別キノコ食中毒事件数と患者数(全国 H21~H30)
ドクツルタケ(Amanita virosa)
- 発生時期:夏から秋にかけて
- 発生場所:広葉樹林、針葉樹林の地上
- 毒成分:アマトキシン類、ファロトキシン類など
- 中毒症状:おう吐、腹痛、下痢、肝臓や腎臓の障害
誤って食べると死亡することもある危険なキノコで、日本国内でも死亡事例が報告されています。
毒キノコによる食中毒を防ぐために、次のことを守りましょう
毒キノコによる食中毒防止5か条
- 確実に鑑定された食用キノコ以外は絶対に食べない。
- キノコ採りでは、有毒キノコが混入しないように注意する。
- 古くからの様々な「言い伝え」は迷信であり、信じない。
- 図鑑の写真や絵にあてはめて、勝手に鑑定しない。
- 食用のキノコでも、生の状態で食べたり、一度に大量に食べたりしない。
クイズの答え
2.マッシュルームです。
16世紀の西ヨーロッパで、厩肥(きゅうひ)(ウマの糞から作られる堆肥(たいひ))の発酵熱を利用したメロンの温床栽培が広がりました。栽培後の使われなくなった温床にキノコが生えたことをきっかけに、17世紀にフランスのパリ郊外でマッシュルームの人工栽培法が確立されました。このため、マッシュルームはフランス語でシャンピニオン・ド・パリと呼ばれています。
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お問い合わせ
このページの担当は 多摩府中保健所 生活環境安全課 食品衛生第一担当 です。
