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東京都食品安全条例

平成16年3月31日公布
東京都条例第67号

改正 平成26年10月10日条例第124号
平成27年3月31日条例第88号
令和2年6月17日条例第69号

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、食品の安全の確保に関し、基本理念を定め、並びに東京都(以下「都」という。)及び事業者の責務並びに都民の役割を明らかにするとともに、食品の安全の確保に関する基本的な施策及び健康への悪影響の未然の防止のための具体的な方策を推進することにより、食品の安全を確保し、もって現在及び将来の都民の健康の保護を図ることを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において「食品」とは、全ての飲食物(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)に規定する医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)をいう。
2 この条例において「食品等」とは、食品並びに添加物(食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第四条第二項に規定する添加物をいう。)、器具(同条第四項に規定する器具をいう。)、容器包装(同条第五項に規定する容器包装をいう。)及び食品の原料又は材料として使用される農林水産物(以下単に「農林水産物」という。)をいう。
3 この条例において「生産」とは、農林水産物を生産し、又は採取することをいう。
4 この条例(前項を除く。)において「採取」とは、農林水産物以外の食品等を採取することをいう。
5 この条例において「生産資材」とは、農林漁業において使用される肥料、農薬、飼料、飼料添加物、動物用の医薬品その他の食品の安全性に影響を及ぼすおそれがある資材をいう。
6 この条例において「事業者」とは、食品等を生産し、採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、又は販売することを営む者、学校、病院その他の施設において継続的に不特定又は多数の者に食品を供与する者及び生産資材を製造し、輸入し、又は販売することを営む者をいう。

(基本理念)

第三条 食品の安全の確保は、事業者が、自ら取り扱う食品等の安全の確保又は自ら取り扱う生産資材が食品の安全性に及ぼす影響への配慮について第一義的責任を有していることを認識し、その責務を確実に遂行することを基礎として推進されなければならない。
2 食品の安全の確保は、食品等の生産から消費に至る一連の行程の各段階において、健康への悪影響を未然に防止する観点から、最新の科学的知見に基づき、適切に行われなければならない。
3 食品の安全の確保は、都、都民及び事業者が食品の安全の確保に関する情報及び意見の交流を通じて、それぞれの取組について相互に理解し、協力することにより行われなければならない。

(都の責務)

第四条 都は、前条に定める食品の安全の確保についての基本理念にのっとり、第二章に定めるところにより食品の安全の確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進する責務を有する。

(事業者の責務)

第五条 事業者は、その事業活動に関し、自主的な衛生管理を推進する責務を有する。
2 事業者は、自らが取り扱う食品等又は生産資材の特性に応じた食品の安全の確保に係る知識の習得に努めなければならない。
3 事業者は、自らが取り扱う食品等による健康への悪影響又は生産資材が食品等に用いられることによる健康への悪影響が発生し、又はそのおそれがある場合には、当該悪影響の発生又は拡大の防止に必要な措置を的確かつ迅速に講ずる責務を有する。
4 事業者は、自らが取り扱う食品等又は生産資材に関連し、食品の安全の確保に関する情報の正確かつ適切な提供及び公開並びに積極的な説明に努めなければならない。
5 事業者は、第三項に規定する措置及び前項に規定する情報の提供等に資するため、食品等の生産、製造、仕入れ、販売等に係る必要な情報又は生産資材の製造、輸入、販売等に係る必要な情報の記録及びその保管に努めなければならない。
6 事業者は、食品等への表示を行うに当たっては、正確かつ分かりやすい表示に努めなければならない。
7 事業者は、前各項に定めるもののほか、都が実施する食品の安全の確保に関する施策に協力する責務を有する。

(都民の役割)

第六条 都民は、食品の安全の確保に関する施策について意見を表明するように努めることによって、食品の安全の確保に積極的な役割を果たすものとする。
2 都民は、食品の安全の確保に関する知識と理解を深め、食品の選択に際し自ら合理的に行動できるよう努めるものとする。
3 都民は、食品の安全の確保に関する都の施策に協力するよう努めるものとする。


第二章 食品の安全の確保に関する基本的な施策

(食品安全推進計画)

第七条 知事は、食品の安全の確保に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、東京都食品安全推進計画(以下「推進計画」という。)を定めるものとする。
2 推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
 一 食品の安全の確保に関する施策の方向
 二 前号に掲げるもののほか、食品の安全の確保に関する重要事項
3 知事は、推進計画を定めるに当たっては、都民及び事業者の意見を反映すること ができるよう必要な措置を講ずるものとする。
4 知事は、推進計画を定めるに当たっては、あらかじめ第二十六条第一項に規定する東京都食品安全審議会の意見を聴かなければならない。
5 知事は、推進計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
6 前三項の規定は、推進計画の変更について準用する。
7 知事は、推進計画に基づく施策の実施状況について公表するものとする。

(調査研究の推進)

第八条 都は、食品の安全の確保に関する施策を最新の科学的知見に基づき適切に実施するため、食品等の安全性に関する調査研究を行うとともに、食品等の生産、製造、試験及び検査に関する研究及び技術開発を推進し、並びにそれらの成果の普及を図るものとする。

(情報の収集、整理、分析及び評価の推進)

第九条 都は、食品による健康への悪影響を未然に防止するため、食品等の安全性に関する情報について収集及び整理を行うとともに、最新の科学的知見に基づく分析及び評価を行うものとする。
2 都は、前項の分析及び評価の結果を、食品の安全を確保するための施策に的確に反映させるものとする。


(食品等の生産から販売に至る監視、指導等)

第十条 都は、農林水産物の生産の行程での生産資材の適正な使用を図るため、農林水産物の生産に係る事業者その他の関係者への指導及び当該事業者の事業に係る施設又は場所に対する監視、生産資材の安全を確保するための検査その他の法令に基づく必要な措置を講ずるものとする。
2 都は、食品等の採取、製造、加工、調理、貯蔵、運搬及び販売の各行程において、食品の安全の確保を効果的に推進するため、流通の実態を踏まえ、食品等の採取、製造、輸入、加工、調理、貯蔵、運搬又は販売に係る事業者その他の関係者への指導及び当該事業者の事業に係る施設に対する監視、食品等の試験又は検査その他の法令又は他の条例に基づく必要な措置を講ずるものとする。


(指導、監視等の体制の整備)

第十一条 都は、食品の流通形態の大規模化及び広域化に対応して食品の安全の確保を図るため、特別区及び保健所を設置する市と連携して、前条第二項に規定する指導、監視等を都の区域内全域で広域的かつ機動的に実施するための体制を整備するものとする。


(食品表示の適正化の推進)

第十二条 都は、食品等の表示について法令の適正な運用を図るとともに、都民に食品等に関する情報を正確に伝達するために必要な措置を講ずるものとする。


(事業者による自主的な衛生管理の推進)

第十三条 都は、事業者による自主的な衛生管理の推進が食品の安全の確保において基本的な事項であるとの認識に基づき、事業者がその継続的かつ確実な実施に向けて行う自発的な取組を促進するよう、必要な措置を講ずるものとする。


(生産から販売に至る各行程における情報の記録等)

第十四条 都は、都民への食品の安全の確保に関する情報の的確な提供及び食品による健康への悪影響が発生した場合の原因究明に資するため、食品等の生産から販売に至る各工程における適切な情報の記録及びその保管並びに伝達について事業者による積極的な取組が促進されるよう、技術的な情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。


(事業者への技術的支援)

第十五条 都は、前二条に定めるもののほか、食品の安全の確保に関する事業者の取組が適切に行われるよう、関係法令に関する情報その他の食品の安全を確保するための情報の提供その他の必要な技術的支援を講ずるものとする。


(情報の共有化、意見の交流等の推進)

第十六条 都は、都民及び事業者の食品の安全の確保に関する理解並びに都、都民及び事業者の食品の安全の確保に向けた取組の連携及び協力に資するため、食品の安全の確保に関する情報の共有化並びに情報及び意見の相互交流の推進に必要な措置を講ずるものとする。


(教育及び学習の推進)

第十七条 都は、都民及び事業者が、食品及び食生活の安全の確保に関する正確な知識に基づき、食品の安全の確保に関する取組を的確かつ合理的に行えるよう、教育及び学習の推進に必要な措置を講ずるものとする。


(事業者による情報公開の促進)

第十八条 都は、事業者が保有している食品の安全の確保に関する情報に関して、事業者による積極的な公開又は提供が促進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。


(都民及び事業者の意見の反映)

第十九条 都は、第七条第三項に定めるもののほか、食品の安全の確保に関する施策に都民及び事業者の意見を反映することができるよう、必要な措置を講ずるものとする。


(特別区、市町村、国等との連携等)

第二十条 都は、食品の安全の確保に関する施策の推進に当たって、特別区及び市町村との連携を図るとともに、必要に応じて、国又は他の地方公共団体と協力を図るものとする。
2 都は、食品の安全の確保を図るため必要があると認めるときは、国に対し意見を述べ、必要な措置を執るよう求めるものとする。



第三章 健康への悪影響の未然の防止

(知事の安全性調査)

第二十一条 知事は、食品による健康への悪影響を未然に防止するため、当該悪影響の起こり得る蓋(がい)然性及びその重大性の観点から必要と認めるときは、法令又は他の条例に定める措置を執る場合を除き、食品等に含まれることにより健康に悪影響を及ぼすおそれがある要因について、必要な調査を行うことができる。
2 知事は、前項に規定する調査の実施に必要な限度において、事業者又は事業者 により構成される団体その他の関係者から報告を求め、その職員をしてそれらのものの事業所、事務所その他の事業に係る施設又は場所に立ち入って、食品等、生産資材、施設、設備、帳簿書類その他の物件を調査させ、又は試験若しくは検査を行うため必要な限度において、食品等、生産資材その他の物件の提出を求めることができる。
3 前項の規定により調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4 知事は、食品の安全の確保を図るために必要があると認めるときは、第一項に規定する調査の経過及び結果を明らかにするものとする。
5 知事は、第一項に規定する調査の実施に当たっては、あらかじめ第二十七条第一項に規定する東京都食品安全情報評価委員会(以下この条及び次条において「情報評価委員会」という。)の意見を聴くものとする。ただし、健康への悪影響を未然に防止するため緊急を要する場合で、あらかじめ情報評価委員会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
6 前項ただし書きの場合においては、知事は、第一項に規定する調査を行った後相当の期間内に、その旨を情報評価委員会に報告し、その意見を聴くものとする。
7 前二項に定めるもののほか、知事は、第一項に規定する調査に関し必要があると認めるときは、情報評価委員会の意見を聴くことができる。
8 都は、第二項の規定により事業者から物件を提出させたときは、正当な補償を行うものとする。
9 第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。


(措置勧告)

第二十二条 知事は、前条第一項に規定する調査の結果、食品による健康への悪影響を未然に防止するため必要があると認めるときは、法令又は他の条例に定める措置を執る場合を除き、事業者又は事業者により構成される団体その他の関係者に対し、健康への悪影響の防止に必要な措置を執るべきことを勧告するとともに、その旨を公表することができる。
2 知事は、前項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ情報評価委員会の意見を聴くものとする。ただし、健康への悪影響を未然に防止するため緊急を要する場合で、あらかじめ情報評価委員会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
3 前項ただし書の場合においては、知事は、第一項の規定による勧告を行った後相当の期間内に、その旨を情報評価委員会に報告し、その意見を聴くものとする。
4 知事は、第一項の規定による勧告をしようとするときは、当該勧告に係る事業者又は事業者により構成される団体その他の関係者に対し、あらかじめ当該勧告に係る事案について意見を述べ、証拠を提示する機会を与えなければならない。



第二十三条及び第二十四条 削除

(緊急時の対応)

第二十五条 都は、食品による重大な健康に係る被害が生じ、又は生じるおそれがある場合に、迅速かつ適切に対処するための緊急体制の確立その他の必要な措置を講ずるものとする。



第四章 東京都食品安全審議会及び東京都食品安全情報評価委員会

(東京都食品安全審議会)

第二十六条 都における食品の安全の確保に関する施策について、知事の諮問に応じて調査審議するため、知事の附属機関として、東京都食品安全審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、次に掲げる事項を調査審議する。
 一 食品安全推進計画に関すること。
 二 前号に掲げるもののほか、食品の安全の確保に関する基本的事項
3 審議会は、前項に規定する事項に関し、知事に意見を述べることができる。
4 審議会は、都民、事業者及び学識経験を有する者のうちから、知事が任命する二十五名以内の委員で組織する。
5 委員の任期は、二年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
6 特別の事項又は専門の事項を調査審議するため必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。
7 委員及び臨時委員は、非常勤とする。
8 審議会は、所掌事項の審議に際し、必要があると認めるときは、都民、事業者その他の関係者から意見又は説明を聴くことができる。
9 第四項から前項までに定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、東京都規則(以下「規則」という。)で定める。


(東京都食品安全情報評価委員会)

第二十七条 食品等の安全性に関する情報について調査を行い、その結果を知事に報告するため、知事の附属機関として、東京都食品安全情報評価委員会(以下「情報評価委員会」という。)を置く。
2 情報評価委員会は、次に掲げる事項を調査し、知事に報告する。
 一 食品等の安全性に関する情報の分析及び評価に関すること。
 二 第二十一条第一項に規定する調査及び第二十二条第一項の規定による勧告に係る食品等の安全性に関すること。
 三 前二号に掲げる事項について調査を行った結果に係る都、都民及び事業者の相互間の情報の共有化及び意見の交流の方法に関すること。
3 情報評価委員会は、都民及び学識経験を有する者のうちから、知事が任命する二十名以内の委員で組織する。
4 委員の任期は、二年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
5 専門の事項を調査するため必要があるときは、情報評価委員会に専門委員を置くことができる。
6 委員及び専門委員は、非常勤とする。
7 情報評価委員会は、所掌事項に係る調査を行うため必要があると認めるときは、学識経験を有する者から意見又は説明を聴くことができる。
8 第三項から前項までに定めるもののほか、情報評価委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。



第五章 雑則

(環境への配慮)

第二十八条 都、都民及び事業者は、食品の安全の確保に関する取組を推進するに当たっては、当該取組が環境に及ぼす影響について配慮しなければならない。


(委任)

第二十九条 この条例に規定するもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。



第六章 罰則

(罰則)

第三十条 第二十一条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による調査若しくは物件の提出を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、二十万円以下の罰金に処する。


(両罰規定)

第三十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。
 


附則

(施行期日)

1 この条例は、平成十六年四月一日から施行する。ただし、第二十一条、第二十二条、第三十条及び第三十一条の規定は、同年五月一日から、第二十三条及び第二十四条の規定は公布の日から起算して九月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。


(東京都食品衛生調査会条例の廃止)

2 東京都食品衛生調査会条例(昭和二十八年東京都条例第四十四号)は、廃止する。

附 則(平成二十六年条例第百二十四号)
この条例は、平成二十六年十一月二十五日から施行する。

附 則(平成二十七年条例第八十八号)
この条例は、平成二十七年四月一日から施行する。

(施行期日)


1 この条例は、令和三年六月一日から施行する。

(経過措置)


2 この条例の施行前に、この条例による改正前の東京都食品安全条例(以下「旧条例」という。)第二十三条第一項の規定に基づき知事に報告があった場合については、旧条例第二十四条の規定は、この条例の施行の日以後も、なおその効力を有する。

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このページは東京都保健医療局 健康安全部 食品監視課 食品安全担当が管理しています。


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